技術広報はKPIを設定すべきか
最初に結論を言っておくと、採用面でのKPI設定は非常に難しいと考えています。
技術広報は採用に直結している部分があるため、「面談応募数」「採用人数」が目標として最初に思いつく人もいるかもしれません。
しかし、採用は様々な要素が複雑に絡んでおり不確定要素が多数あります。運やタイミングにも左右され、技術広報の力だけで採用者が増えたかどうかを測るのは難しいでしょう。
もちろん「〇〇の記事だけを読んで入社を決めました!」という人もいるかもしれませんが、あくまで1つの要因でしかありません。
また、「自社の技術ブランディングの強化」をミッションとしていた場合に、技術ブログのPVなどをKPIとして設定する場合もあるかもしれません。しかし、これもまた正しい判断ができるのかどうか難しい部分があると思っています。(後述します)
※ この記事は1人で25日書く技術広報 Advent Calendar 2022の2日目です。あと23記事更新する予定です。先が長すぎて絶望している。
技術広報としてなにを数値目標にできるのか?
まずはKPIとして設定できる数値を可能な限り考えてみます。(正しくない目標設定も含まれているかもしれませんが、とりあえず雑多にあげていきます)
技術ブログ
月間の投稿数
PV / MAU
記事内のリンクから求人媒体へのクリック数
SNSやはてなブックマークのシェア数
記事を書いてくれたエンジニアの人数
他社とのリレーション数
記事によって他社との合同イベントにつながる
他社メディアからインタビュー依頼がくる
イベント / 協賛イベント
イベント実施数
協賛を行った数
グッズを配布した数
登壇数
来客人数
名刺交換数
公式Twitterのフォロワー数
協賛ブースなどの企画で「フォローしてくれたら〇〇プレゼント」などを行う
SNSでのシェア数
イベント導線からの面談応募数
イベントの感想アンケートの満足度
人事
面談の応募数
採用人数
入社した自社エンジニアへの調査 / アンケート
効果があった施策を記録していく
エンジニアに直接コンタクトした数
技術ブランディング
SNSの反響数
公式Twitterのフォロワー数
アンケート
企業にアンケートを依頼して1年で自社の印象が変わったのか確認
現在と1年後の数値で比較
まだまだあると思いますが、だいたいこんなところでしょうか。
KPIを設定するうえで私が難しいと感じているのは、「技術広報の目的に本当に紐付いているかどうか」という観点です。
例えば、技術ブログのPVやMAUを目標にして数値が増加したとしても、それが本当に採用や技術ブランディングに寄与できているかはわかりません。
PVが上がったとしても悪いブランディングになっていることもありえますし、自社で採用したい層(例:マネジメントができるエンジニア)がまったく技術ブログを見ていない可能性もあります。
もちろんそれらが無駄というわけではありませんが、「今期の目標」として掲げた場合には、ミッションに直結しているとは言い難い部分もあります。
自分がコントロールできない数値をKPIにしない
他社の技術広報の方に話を聞くと、「そもそもコントロールできない数値をKPIとして設定しない」という方もいました。
これはこれで一つの正解だと私も思っています。例えば、「自社イベントを年10回行う」「月に4本記事を書く」などを目標として設定しておけば、他社に左右されることはありません。軸がブレることもないでしょう。
ただし、「本当に採用者に向けた効果があったのか?」はわかりかねるところがあるため、難しい問題だと思っています。施策をたくさん打っただけの自己満足で終わってしまう可能性もありえます。
とはいえ数値はとれるだけとっておくべき
数値の目標設定が難しかったとしても、取得できる数値は記録しておくべきだとは思っています。
ブランディングなどの観点は含めないとしても、昨年度からの定量的な変化は大事な指標です。
また、いやらしい話ではありますが、数値などは経営層や上長へのアピール材料としても利用できます。技術広報としての存在感をアピールするためには重要だと考えています。
こういったアピールができていないと、他部署から「技術広報ってやる意味あるの?」という感情を抱かれる可能性があります。予算の縮小や技術広報自体のポジション自体を危ぶまれることもあるかもしれません。
絶賛、迷い中
ということで、色々と書いてきましたが、私も技術広報としてなにをKPIにすべきかはまだまだふわふわしている状態ではあります。
前期は技術ブログの立ち上げや月間の記事投稿数を設定していたのですが、今期はそれらを深堀りした施策に着手したいと思っています。
もし、技術広報や人事の方で、KPIの設定を明確にされている方がいたら、ぜひ教えていただけるとありがたいです!
▼技術広報の記事をさらに読みたいかたはこちら
参考
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?