ちりつも読書
「塵も積もれば山となる」という諺がある。
わずかな物も、積もり重なれば高大なものとなることのたとえだ。
私は普段、「ちりつも読書」をしている。
「塵も積もれば山となる」を略して「ちりつも」である。
夜寝る前の10分間、1日数ページずつ本を読む。1回の読書量は少ないけれど、塵も積もれば山となる方式で、毎日続けるうちに頭に入ってくる。
ちりつも読書は、忙しくて本を読む時間が取れない人におすすめの読書方法だ。1日1ページだけ読めば良いので、隙間時間を活用して続けられる。
世はまさに、ちりつも時代
書店に行くと、ちりつも読書に適した「ちりつも本」がたくさん並んでいて、世の中にニーズがあることがわかる。
代表的なものは「365日シリーズ」だろう。
例えば『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』は、「1日1ページ5分読むだけで1年後、世界基準の知性が身につく!」というコンセプトで、1年かけて少しずつ、様々なジャンルの知識を学ぶことができる。
現在書店では、このような表紙に「365」と書かれた本をよく見かける。
ちりつも本の良いところは、1日1ページ読んでいるうちに読書のリズムが生まれ、どんどん先が気になって、気づけば読書の習慣が身についているところだ。読書が苦手な人にとって、最初の入り口にすごく適していると思う。
前置きが長くなってしまったが、今回の記事では、私が最近「ちりつも読書」で読んでいる本をご紹介する。
常に枕元に置いておき、寝る前にすぐ手に取れるようにしている、選りすぐりのちりつも本たちだ。
ミヒャエル・エンデ|はてしない物語
1冊目は、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』だ。
「ちりつも読書」をおすすめする本のひとつに、重い本がある。
ここでいう「重い」は、物事の程度が甚だしいという意味ではなく、目方が多いという物的な意味の「重い」である。
分厚くて重い本は、持っているだけで疲れてしまうため、なかなか読み進めることができない。そのため、1日数ページずつ寝っ転がりながら読む、ちりつも読書が適している。
『はてしない物語』は、十数ページごとに章分けされているため、1日1章ずつ読み進められてとても良かった。
作品の中身も非常に素晴らしかったので、「今日も、読書。」で、そのうち感想を書きたいと思っているのでお楽しみに。
海野弘|366日風景画をめぐる旅
2冊目は、海野弘さん監修の『366日風景画をめぐる旅』だ。
ちりつも本の王道、「365日」シリーズの1冊である。
1月1日から12月31日まで、1日につき1作品、世界の風景画が紹介されている。冬は雪景色、夏は海景色といったように、季節の変化を楽しめるのが嬉しい。
2023年は「絵画に触れる年」にしたいと密かに計画しており、本書は1日1つ新しい絵画を知ることができて、とても楽しい。見開きにどどんと大きく絵画が載っていて、それだけでもテンションが上がる。
風景画の他にも、人物画やファッション画などのシリーズ本もあるため、好みに合わせて選べるのも嬉しいポイントだ。美術に興味がある方は、間違いなく買った方が良い一冊である。
くわしく学ぶ世界遺産300
3冊目は、『くわしく学ぶ世界遺産300』。世界遺産検定2級の公式テキストだ。
「世界遺産」に詳しい人って、格好良い。そう思うのは私だけだろうか。
世界遺産について勉強したいという意欲はあるものの、まとまった時間を取るのが難しい……。そんな時に、ちりつも読書は効果を発揮する。
1日1ページずつ読み進めていけば、1年後には世界遺産の基礎が出来上がっているという寸法である。細部まで暗記しようと気負わずに、あくまで趣味として、楽しみながら読むのがコツだ。
それにしても、世界遺産を勉強していると、世界中の色々な場所に出かけたくなるので困る。生涯であとどれだけの場所を訪れることができるのだろう……と思いを馳せる。
今後はもう少し、旅行する機会を増やしても良いかもしれない。毎回そう思わされるちりつも読書だ。
寝る直前にスマホを見ると睡眠の質が落ちると言うが、私はちりつも読書を始めてから、寝る前のスマホ時間が格段に減った。そういう意味で、ちりつも読書は生活習慣の改善にも一役買ってくれるかもしれない。
皆さんも、ちりつも読書で読んでいる本はあるだろうか。
私は最近『はてしない物語』を読み終えてしまったため、次なる作品を探し中だ。皆さんのおすすめのちりつも本を教えていただけると嬉しい。
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