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今日も、読書。 |本に携わる仕事がしたい、という思いが常にある

2022.3.6 Sun

カラ兄:上巻 142ページ

本に、線を引くことができない。

本を読んでいて、気になったところ、感銘を受けたところ、後で調べようと思ったところ。線を引きながら本を読むと、内容が記憶に定着しやすくなると聞く。

線を引くだけでなく、その時に感じたことを余白にメモしたり、マーカーで色をつけて整理したりすることは、読書の理解を助けてくれる。後で読み返した時には、再度気付きを与えてくれるだろう。

本当なら、私もそのような読書がしたい。事実、電子書籍を読む際は、これでもかというほど、マーカー線を引く。しかし、紙の書籍となると話は変わり、私は線を引くことができなくなる。

小さい頃からの癖で、私は学校の教科書に線を引いたり、落書きをしたりすることができなかった。問題集も、回答欄が予め設けられているものは別として、余白に計算式や化学式を書くことが、嫌いだった。基本的に、途中式や回答はノートに書いて、丸付けをしていた。テスト用紙でさえ、できる限り書き込みの少ない状態で提出することが、自分の中では正だった。

とにかく、私の手で本を汚すことが嫌だった。綺麗に印刷された教科書に、私が描き込む鉛筆の線は、何か異質なもののように映った。教科書は買った時の状態のまま、綺麗に保っていたかった。

私にとって本は、購入した時点で、既にこれ以上なく、完成された存在なのだ。決して侵してはならない、神聖な存在。線を引いたり、ページの端を折ったりすることは、完成形に余計な手を加える、蛇足行為。そんな極端な考えに囚われている。

いや、これでは大袈裟すぎる。私はただ単に、本が汚れることが好きではないのだ。



2022.3.7 Mon

217日目。

カラ兄:上巻 158ページ

私は本を読むとき、心に響いた言葉を、収集する癖がある。本に直接線を引くことができない性格なので、該当の箇所に付箋を貼っておき、読了後にまとめて記録するようにしている。

したがって私の読書に付箋は必需品で、これがないと、落ち着いて本を読み始めることができない。外出時に付箋を持ち出すのを忘れた時は、絶望して天を仰ぐ。

本を読み終えた後には、付箋を貼りっぱなしにせず、記録をしてから必ず剥がす。本は、一切装飾のない、まっさらな状態が最も洗練された状態だ。立つ鳥跡を濁さず。買った時の状態に戻しなさい。

心に響いた言葉は、「記録」という名前の、超シンプルなスマホアプリに記録している。言葉を記録するためのアプリで、それ以上でも、それ以下でもない。ジャンルごとに名言を分類することができ、検索機能もついているので、このアプリを使用している。ただ、特に思い入れがあるわけではないので、おすすめの記録アプリをご存知の方は、ぜひ教えてください。

最近、「BLEACH」を読み始めた。物凄く有名な漫画だが、これまで一切読んだことがなく、キャラクターの名前も、設定も、全く知らなかった。主人公の名前すら分からなかった。

これだけ分からないのだから、むしろ先入観なく、新鮮な気持ちで楽しめるのではないかと、期待している。これから74巻、しばらくBLEACHを買い続ける生活が始まる。



2022.3.8 Tue

218日目。

カラ兄:上巻 158ページ

Mr.Childrenが、30周年を迎える。ありがとう。30年もバンドを続けてくれて、本当にありがとう。あなたたちの音楽のおかげで、私は日々を生き抜くことができている。

そんなミスチルが、なんとこの度、ドームツアーを敢行する。新型コロナウイルスの影響で、しばらくライブが開催できていなかったが、ついにファン待望の、大型ツアーがやって来る。

ツアーの名前は、「半世紀へのエントランス」。名前素敵すぎない?30周年という節目を迎え、また新たなステージへと足を踏み出す彼らの、覚悟が感じられるツアータイトルだ。

そして、なんと、チケットが当選しました!!

これは、とんでもない事態だ。2022年上半期、間違いなく最大のイベントになる。やっぱり、徳は積んでおくものだ。思えば新年のお御籤は大吉、その時から、この吉兆は出ていたのだろう。

会場は、ナゴヤバンテリンドーム。もともと東京ドーム公演を2日間申し込んでいたのだが、申込可能枠があと1枠だけ余っていて、何となく申し込んだ名古屋公演が、引っかかってくれた。ありがとう名古屋。ゴールデンウィークは、名古屋旅行決定。味噌カツ食べに行きます。

30周年を記念したライブツアー「半世紀へのエントランス」に向けてのリハーサルや、ミーティングなど、様々な準備を去年から着々と進めています。
今日もツアーミーティングがありました。ミーティングでの興奮そのままに伝えさせてください。
「これは凄いことになります!」
感謝と情熱と歴史と次なる野望を注いで育てた音の花束を、会場の皆さんへと届けるその時を想像しながら、毎日をワクワクと過ごす、そんな今日の僕らです。
再会を、再開を楽しみにしています。是非観に来てください。

(半世紀へのエントランスWEBサイト / 桜井和寿メッセージ)

一体、どんな楽曲を届けてくれるのだろう。セットリストを予想しながら、期待を胸に、ライブを心待ちにして過ごす日々。その日々からすでに、「半世紀へのエントランス」は始まっていて、私たちの日常に幸福をもたらしてくれている。そんな気がする。

ライブに当選した方、一緒に盛り上がりましょう。ミスチルしか勝たん。



2022.3.9 Wed

219日目。

カラ兄:上巻 158ページ

吉田修一さんの『路』を読む。

数年前に古本屋で何気なく買い、そのまま放置していた作品だった。これが、大当たりだった。特に作品の舞台である台湾の、あの特別な熱気に包まれた雰囲気が好きな方は、ぜひ読んでほしい。

台湾に日本の新幹線を走らせるために奔走する人々の話が、物語の根幹である。私はお仕事小説なのかと思い読み始めたが、すぐに、それだけでないとわかった。

もちろん、様々な障壁を乗り越え、新幹線開通を目指す「下町ロケット」的な興奮もあるが、本作はそれに加えて、台湾という日本とは異なる空気が流れる土地での、「人と人との繋がり」に焦点が当てられている。

例えば、学生時代に偶然台湾で1日だけ出会った男女の再会。日本統治時代の台湾で仲違いした親友との、数十年越しの交流。仕事で鬱になった日本人駐在員の、現地女性との禁断の逢瀬。台湾の田舎町で暮らす青年と、幼馴染の女性のもどかしい恋愛模様—―。

場面が細かく切り替わる、吉田さんらしい群像劇。日本と台湾を舞台に、歴史や文化が折り重なった人間の交流が、台湾新幹線の工事とともに少しずつ進展していく。どのお話も、過度に感動的な演出がなく、地に足の着いたリアルさが感じられるところも良い。

それにしても、『路』を読むと、台湾にめちゃくちゃ行きたくなる。台湾を訪れ、新幹線に乗りたくなる。海外を旅行する時のあの興奮を、思い出させてくれた本でもあった。



2022.3.10 Thu

220日目。

カラ兄:上巻 184ページ

最近は寝る前に、レイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』を、少しずつ読んでいた。

翻訳は村上春樹さん。村上さんは、レイモンド・チャンドラーの長編を全作翻訳していると聞いたが、本当だろうか。あれだけたくさんの小説やエッセイを書きながら、同時に翻訳もコンスタントにこなすなんて、本当にすごい。

『ロング・グッドバイ』は、登場人物がとにかく全員喧嘩腰だった。

主人公で探偵のフィリップ・マーロウを含め、何故かみんな常時イライラしていて、常時酔っぱらっていて、常時言い争っているのだ。よくわからないが、ハードボイルド小説って、こんな感じなのだろうか……。

とにかく、みんな落ち着いてほしかった。落ち着いて話をしていれば、もっとすんなり解決しただろうこの事件、と思った。心の中でそんなツッコミを入れつつ、眠りにつく。



2022.3.11 Fri

221日目。

カラ兄:上巻 184ページ

本に携わる仕事がしたい、という思いが常にある。

『本を贈る』を読んでから、私が読む本の1冊1冊に、たくさんの作り手が携わっているということを、意識するようになった。

私が人に誇れることといえば、本を読むことが好き、ということくらいだ。

活字を読むことにあまり抵抗がなくて、人よりほんの少しだけ、たくさんの本を読んでいる。それくらいしか人に誇れることはないけれど、だからこそそれを活かして、人に本を読むことの楽しさを伝えられるような、そんな仕事がしたいと思う。

たとえば、様々なジャンルに跨る本を、関連ワードや時代背景等でマッピングして、読書の「地図」を作ること。

一見すると何の関連性もない本同士が、実は思いがけない繋がりを持っていて、感動することがある。人より多くの本を読んでいること。そんな特技とも言えないような特技を活かすとするならば、自分が読んできた本たちを自分なりに関連づけて、意外な本との出会いや新たなジャンルの開拓を手助けする、そんな読書地図を作れないだろうか。

人が一生のうちに読むことができる本は、一体、何冊なのだろう。この世に存在する本をすべて読むためには、一体いくつの人生を、繰り返す必要があるのだろう。

ひとりの人間が知ることのできる読書の範囲には、どうしても限界がある。そんな中で読書地図を、本好きのプラットフォームとして、活用することができないだろうか。自分が読んだことのある作品たちを、本好きたちが独自の視点で、自由に紐づけていく。まだ地図に載っていない本があれば、どんどん追加していく。世界各国の本を集めて分類して、読書版の世界地図を作ったりするのも面白い。

こんなとりとめもない妄想を、いつも抱えて生きている。妄想だけが膨らんで、実際に行動に起こすことは、微塵もできないのだけれど。



2022.3.12 Sat

カラ兄:上巻 184ページ

竹田信弥さんの『めんどくさい本屋』を読んだ。

著者の竹田さんは、赤坂で「双子のライオン堂」という書店を経営されている。オンライン書店からスタートした双子のライオン堂は、様々な読書家の方が選書した本を、専門で取り扱っているとのこと。竹田さんは、この「双子のライオン堂」を100年後も続く書店にすること、世界中に双子のライオン堂を広めることをモットーに、日々奮闘されている。

『めんどくさい本屋』を読んで、私は、もっと外の世界に目を向けてみようと思った。

世の中には、本や書店をこよなく愛し、面白い取り組みをされている方がたくさんいる。双子のライオン堂の竹田さんは、書店経営だけでなく、オリジナルZINEの発行や読書会の運営、ラジオ放映など、多岐にわたる活動をされている。自分が同じ立場なら、その中のひとつをやるだけでも、精一杯だろう。いや、ひとつとして、満足にこなせないだろう。それでも、こんなにも精力的に活動している人がいるということは、大きな励みになる。家に籠って読書をしているだけでは見えてこない世界が、そこには広がっていた。

『めんどくさい本屋』を読むと、竹田さんが人を巻き込むプロであることが分かる。双子のライオン堂が発展するきっかけになった読書会も、ZINEの発行も、常連のお客さんが積極的に働きかけてくれたことで、成功したのだという。これって、すごいことじゃないだろうか。お店と店主への愛が相当に強くなければ、貴重な休暇を割いて、自分のものではないお店のために尽力することはできないと思う。

お気に入りの場所、心を落ち着けられる場所があるということ。気の合う仲間同士で集まって、好きなことについて語り合うコミュニティの大切さを、社会人になって強く実感する。双子のライオン堂の、お客さんが主体的にお店を支えてくれるような温かい繋がりは、これからの書店業界において、重要なキーワードになるのではないだろうか。

もう少しだけ外の世界に目を向けて、色々な書店やブックカフェに、出かけていきたい。せっかくこんなに面白そうなことをやっている人がいるのだ。訪れないと、勿体ない。



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