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今年のGWは、本の世界を旅しませんか。【おすすめシリーズ小説3選】

みなさん、こんにちは。

むささびです。


ゴールデンウィークがやってきますね。

社会人になって1ヶ月、よくやくひと段落つくことができそうです。

今年のゴールデンウィークは、旅行などに出かけず、お家で過ごすという方が多いのではないでしょうか。

私は読書が好きなので、家での時間の使い方としては、やはり本を読むことをおすすめしたいです。

そこで今回は、ゴールデンウィークのお家時間に楽しめる、おすすめの小説をご紹介させていただこうと思います。


おすすめのファンタジー作品3選

今回は、実際の旅行の代わりに「本の世界を旅する」ことをテーマに、独自の世界に引き込まれる、ファンタジー作品を選んでみました。

長期休暇でまとまった時間があるということで、どれもボリュームのある長編作品です。

こういう機会だからこそ、少し長めの小説に手を出せるということもあると思うので、気になった方はぜひチェックしてみてください!


①「十二国記シリーズ」

最初にご紹介するのは、小野不由美さんの「十二国記シリーズ」です。

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「お捜し申し上げました」――女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒涛のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。(新潮文庫『月の影 影の海 上』あらすじ)

シリーズ累計1000万部を突破している人気作で、2019年には18年ぶりの最新作が出版されたことで話題になった、「十二国記シリーズ」。

この作品の魅力は、「答えのない問題に立ち向かう、人々の葛藤と成長」だと思います。

もちろん、12の王国から成る古代中国風の世界観や、麒麟・半獣・妖魔などの不思議なキャラクターたちも、シリーズを通しての大きな魅力です。

「十二国記」の世界は思いっきりファンタジーでありながら、国の政や人々の生活様式、登場人物たちがさらけ出す未熟さや負の感情には息づかいが感じられるほどリアリティがあり、それが物語の世界に強く引き込まれる所以なのではないかと思います。

そして、国を治める者たちの葛藤や、貧困・魔物に苦しめられる人々の苦難は、現代日本で暮らす私たちとは世界・立場こそ違えど、どこかしら通じる部分があるように感じます。

時に理不尽な運命に翻弄されながらも、自分が進むべき道を選択し、前に進むことで成長する登場人物たちからは、正しい答えのない困難に立ち向かう勇気をもらえます。

残酷だけど温かい、深みのある「十二国記」の世界を、皆さんもぜひ旅してみてはいかがでしょうか。


②『新世界より』

続いてご紹介するのは、貴志祐介さんの『新世界より』という作品です。

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1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子供たちの歓声が響く。周囲を注連縄で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力」を得るに至った人類が手にした平和。稔動力の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。(講談社文庫『新世界より』あらすじ)

2012年にはアニメ化もされた、「呪力」という超能力を有する少年少女たちが、世界の「真実」を求めて冒険する物語です。

この作品の魅力は、「壮大なスケールの世界の秘密が、徐々に明らかになっていく感覚」だと思います。

序盤は、古代日本のような環境で「呪力」を磨く少年少女たちの平和な生活が描かれますが、所々で得体の知れない違和感が顔をのぞかせます。

そしてある出来事がきっかけとなり、彼らは恐ろしい世界の秘密を明らかにする戦いへと巻き込まれていきます。

バケネズミという異形の生き物や超能力など、物語を彩る「ファンタジー要素」が、世界の隠された過去に徐々につながっていく展開は鳥肌ものです。

1000年後の日本が舞台であることから、現実世界とのリンクが随所にみられるところもポイントで、それが物語の魅力を一層引き立たせているように思います。

1000ページを超える長編でありながら、隠された歴史が暴かれていく後半はページを繰る手が止まらず、物語の世界に没入すること間違いなしです。

今回ご紹介する3作品の中では、「歴史」や「ミステリー」といったジャンルが好きな方に、特におすすめしたい作品です。


③『鹿の王』

最後にご紹介するのは、上橋菜穂子さんの『鹿の王』という作品です。

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強大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団”独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!? たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かう。壮大な冒険が、いまはじまる――!(角川文庫『鹿の王 1』あらすじ)

2015年に本屋大賞・日本医療小説大賞を受賞し、昨年『鹿の王 水底の橋』という続編が出版されたことで話題になった、『鹿の王』。

この作品の魅力は、「民族の違いを超えて、病に立ち向かう人々の勇姿」だと思います。

この作品は、飛鹿(ピュイカ)を乗りこなす戦士のヴァンと、謎の病に立ち向かう天才医術師のホッサルの、2人の主人公の物語が別々に進行していきます。

特筆すべき点は、この物語が壮大な「ファンタジー作品」であると同時に、リアリティのある「医療ミステリー作品」でもあるということです。

私はホッサルのパートが好きで、科学技術の発展していないファンタジーの世界でも、魔法などの特殊能力に頼ることなく、深い探求心と論理的手法で病気に挑む姿がとても格好良かったです。

支配者と被支配者の違い、民族ごとの文化・習慣の違いなどの様々な障壁がある中で、病の謎を解明していく展開に胸が熱くなりました。

また、作中の様々な民族の文化・生活は、歴史的背景も含めて細部までしっかりと描かれており、文化人類学を専攻されていた上橋さんにしか書けない物語だと思いました。

今回ご紹介した3作品の中では、一番文体が読みやすいという印象を受けたので、読書初心者の方には特にこちらがおすすめです。


今回お話しした各作品の魅力は、私個人の感想です。

人によって様々な魅力が浮かび上がってくると思いますし、そもそも作品の魅力を一言で言い表すことはできません。

だからこそ、まだこれらの作品を読んだことがない方には、ぜひこのゴールデンウィークに読んでみていただきたいです。

私もこのゴールデンウィークは、ゆっくり時間をかけて、ずっと気になっていた「ナルニア国物語シリーズ」を読みたいなと思っています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

むささびでした!



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