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今日も、読書。 |私の人生を左右した、大切な本について

2021.11.21 Sun

ふと思い立ち、私の今日の行動をざっと書き出してみる。今日は家から1歩も出ない、動きの少ない1日だった。何もこんなつまらない1日を選んで書き出さなくても、ともうひとりの自分は思った。

7:30 起床
8:00 コーヒー・朝食
9:00 先週分の「今日も、読書。」修正&投稿
10:00 日経TESTの勉強
11:00 「僕のヒーローアカデミア」(#22-23)
12:00 昼食
13:00 「彼方のアストラ」(#1-5) ※再読
15:00 ←今ココ (よって以下は予定)
16:00 左右社『仕事本』
17:00 Chapters アペロ
18:00 左右社『仕事本』
19:00 夕食、入浴
20:00 オンラインボードゲーム会
24:00 就寝

まず起床が7:30だったことに不甲斐なさを感じる。厳密には7:00に目を覚ましていたが、布団の中でYouTubeを観ていたら30分経っていた。

今日は漫画の気分だった。加えて食事中やnote執筆時は、AmazonPrimeVideoで「マギ」を観ていた。最近は、読書の時間が漫画やアニメに侵食されつつあって、本を読むペースが目に見えて落ちている。読書日記を始めたタイミングで、読書ペースが落ちていてどうするのか。

土日のどちらか一方は、徹底して家に引きこもるのが私の習慣で、今週はそれが日曜日だった。1日中コタツで寝転がり、コーヒーを飲みながら、何かしら読んでいた。こういう生活が何日も続くと、人間としての尊厳を失ったかのような不安に駆られることになるが、それでも私にとっては、週に1度はこういう休息が必要だった。

「彼方のアストラ」は友人に借りて一度読んだことがあったが、再読したいという欲がふつふつと湧いてきて、とうとう楽天Koboで全巻合本版を買って一気に読んでしまった。篠原健太さんの作品は、今後も追っていこうと決意を新たにした。篠原さんを知ったのは「SKET DANCE」からで、「SKET DANCE」を知ったのは私の高校時代の親友からだった。そのため「SKET DANCE」の話をするということは必然的に私の親友の話をするということになり、ぜひいずれ語りたい。

私は読書のほかに何か趣味はあるかと問われるとボードゲームで、毎週のように友人を誘いオンラインで遊んでいる。本当に毎週のように誘っているので、友人には呆れられていると思う。それでも毎週付き合ってくれる友人には感謝しかない。理解ある友人を持つことができて私は幸せ者だと思う。



2021.11.22 Mon

151日目。
最近の読書は、左右社の『仕事本』だった。

2020年4月。新型コロナウイルスが本格的に猛威を振るい始め、最初の緊急事態宣言が出された時期。これまでの日常が容易く覆り、生活様式が一変したあの時期に、あらゆる職業の人々が身を削るように書いた日記を、1冊にまとめた魂の作品。

私はこれまでのところ、幸いにも新型コロナウイルス感染とは縁の無い生活を送ってきたが、だからこそ読書でコロナに触れることを意識的に避けてきた。読書を含め、徹底的に、コロナとは無縁でありたかった。コロナ禍で就職活動と社会人1年目を経験する中で、日々のニュースをチェックする中で、嫌でもコロナの影響を実感してきた。それだけでコロナはもう十分で、私はコロナと積極的に距離を取り、物理的にも精神的にも引きこもり、今までなんとかやり過ごしてきた。

読書日記を始めたこともあり、初めは「日記」が入り口となって興味を持った『仕事本』だったが、次第にコロナ禍の生活を切り取った内容に関心が移った。2021年11月現在、感染者数が落ち着いてきて、心にゆとりが生まれつつある今なら、これまで避けてきたコロナを読むことができるのではないかと思った。

そうして読み始めた『仕事本』は、私が目をそらしてきたコロナ禍の苦労、怒り、そしてわずかばかりの希望の物語で、それぞれが全く別の職業の全く別の境遇の人々の日記のはずなのに、全てが寄り集まってそれはひとつの物語だった。コロナ禍で闘う地球上の何十億もの人々の物語は、同時に自分の物語でもあると感じた。



2021.11.23 Tue

勤労感謝の日。スパに行き、生き返る。スパに感謝する日。

沢木耕太郎さんの『深夜特急』は、私の人生に多大なる影響を与えた作品だ。『深夜特急』を読んで海外に興味を持ち、高校の海外研修に参加してアメリカへ行き、大学ではイタリア語を勉強してボローニャという街に留学した。現在の勤め先は外国語や留学経験とは無縁の会社だが、それでも過去の積み重ねの上に成立するのが現在であり、『深夜特急』は今の私へと私を導いてくれた本だと言える。

にもかかわらず、『深夜特急』以外の沢木さんの作品を一切読んだことがなくて、その事実に今更ながら驚いた。そこで、文字拡大増補新版の『深夜特急』を6巻分買い直すのと同時に、『旅する力』という作品を購入して読んだ。

『旅する力』は、沢木さんがライターとして働き始めてから、深夜特急の旅に出て、そして帰国後に『深夜特急』を書き上げるまでの道のりが記されたエッセイ集だ。つまり、あの『深夜特急』の舞台裏を知ることができる、深夜特急ファン歓喜の作品なのだ。沢木さんはいかにして、デリーからロンドンまで乗り合いバスだけで行くという、酔狂な旅に取り憑かれたのか。そして、いかにしてその旅路は活字となり、『深夜特急』という日本を代表する紀行文へと昇華したのか。

『旅する力』は、『深夜特急』が好きな人は、絶対に読まなければならない本だった。それも、『深夜特急』を読み終えてすぐに取りかかるべき本だった。私が最後に『深夜特急』を読んだのは3年ほど前で(『深夜特急』は、私が定期的に再読する数少ない本のうちのひとつだ)、内容の記憶がぼんやりとしか残っていないことが悔やまれた。

『旅する力』を読み終えた今、本当に自然に、私の手は『深夜特急1 香港・マカオ』へと伸びている。ページを繰り、そうそう、まだスタート地点のデリーに着いてすらいないのにこの面白さなんだよな、とあの楽しさが蘇ってくる。しばらく私の読書は、『深夜特急』になりそうだった。連続で同じ作家さんの本を読むことは普段あまりないのだが、この誘惑には抗えなかった。



2021.11.24 Wed

152日目。
祝日のおかげで、今週が早くも残り2日であることにこの上ない喜びを感じる。1日遅れでの、勤労感謝の日への感謝。肝心の勤労への感謝は何処。

このところ漫画ばかり読んでいる。戸塚慶文さんの「アンデッドアンラック」を読む。UNKNOWN編が好きで、感動して泣く。今月の漫画代を確認するのが怖くて、そこはUNKNOWNとする。

粛々と『仕事本』を読む。この流れで、次に読むのはカミュの『ペスト』だと心に決める。『仕事本』の中にも『ペスト』は繰り返し登場していて、読む人に様々な気付きをもたらしている。『ペスト』を読むのは今しかないと感じる。問題は、私がまだ『ペスト』を所持しておらず、今月の書籍代予算は漫画で既にカツカツで、それでも購買意欲が抑えられそうにないことだ。



2021.11.25 Thu

153日目。
勤め先の先輩が退職することに。とても慕っていた先輩だったので寂しい。気持ちよく送り出すことが、せめてもの恩返しだと思う。

人生の転機といえば、『深夜特急』がそうだと以前書いた。大学選びを大きく左右した『深夜特急』ほどではないが、私の人生の中で大きな存在を占める本は、他にもある。

例えば、川口雅幸さんの『虹色ほたる』。この作品は、私が初めて読書の面白さを知った記念すべき本だった。小学校4年生の時、近所のショッピングセンターの中にある小さな書店で、母に買ってもらったことを覚えている。当時の私はゲームのことしか頭にない少年だったが、この小説にはぐっと心を掴まれた。

今でも覚えている。先が気になりすぎて、夜眠れなかったのだ。親にバレないように(今思えば絶対にバレていたが)、掛け布団を頭から被って、その中で小さな灯かりを点けて夜通し読んだ。当時は本を読む速度が遅く、それを何夜も繰り返した。あれほど熱中して本を読んだ時間は、他には思い当たらない。

本を読んで感動して泣いたのも、『虹色ほたる』が初めてだった。押し寄せてくる涙を堪えられず、布団に包まりながら、声を殺して泣いたことを覚えている。あの時の感覚は、未だに鮮明に覚えている。

私が本格的に読書し始めるのは、大学生になってからだ。中学はゲーム、高校は部活に夢中で、本はそれほど読んでいなかった。しかし、本を読むことの楽しさは、既に小学校で、『虹色ほたる』によって知っていた。私が今読書漬けの生活を送っているのも、こうして読書日記を書いているのも、元を辿れば『虹色ほたる』のおかげなのではないか、と考える。そして、あの時の新鮮な感動はもう味わえないのだろうかと思うと、少し寂しい。

今でも大切に持っている。きっとこの本だけは、死ぬまで捨てられないと思う。



2021.11.26 Fri

154日目。
日曜日にまとめて推敲する自分を信頼して、平日は雑に文章を書いている。文字を入力する手が止まったら負けだと思っている。

日曜日の私だが、仕事を増やさないでほしい。もう少し文章量を抑えてほしい。早く終わらせて読書がしたい。

『雪の断章』以来、ミステリを積極的に積読に組み込んでいる。今日の通勤電車は森博嗣さんの『まどろみ消去』だった。森博嗣さんの「S&Mシリーズ」は、あれだけミステリを楽しめないと嘆いていた割には、ここ最近でかなりハマっていたシリーズ作品だった。

もちろん本格ミステリとしても楽しめる作品だが、私は森博嗣さんのユーモアや思想に触れることを目的にS&Mシリーズを読んでいた。犀川の生き方が好きで、萌絵の振る舞いが好きで、物語の随所に表れる森さんの哲学が好きだった。ミステリとしての事件や謎解きより、登場人物のやり取りや物語の根底を流れる観念に魅力を感じていた。

『まどろみ消去』も例外ではない。実に森博嗣だった。森さんの短編を読むのは初めてだったが、森さんが短編を書いたらこんな感じだろうか、の「こんな感じ」そのものだった。望むなら、速筆で知られる森さんの頭の中を、一度覗いてみたい。



2021.11.27 Sat

今日はepokheという新宿の文学バーへ行く。

バーという場所に行くのが初めてで、加えてとんでもない下戸なので緊張していたが、とても居心地の良い素敵な空間で、珈琲もお茶も美味しくて読書好きの方々のお話を聞くのも楽しくて、epokheは大変良いお店だった。初来店の人も入りやすいよう、初心者限定で営業をしてくださったお陰で、単身で乗り込んでもリラックスして楽しむことができた。絶対また行きます。次は夜ご飯も食べます。

話下手なのでほとんど聞いているだけになってしまったが、見ず知らずの人と、好きな本についてお話しすることの楽しさの、その一端に触れた気がした。これまでは自分の殻に閉じこもり、自分だけの世界で読書を完結させていたが、これからは外の世界へ向けて本を読むこと、誰かと意見を交わすこともしていきたいと思った。早速読書会に申し込んだ。



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