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【ジュンク堂池袋本店】1万円分本を買ってみた

8月某日。夏休み期間中のある日のこと。私は池袋のジュンク堂本店に足を踏み入れた。

私の心中は、溢れんばかりの感情で渦巻いていた。並々ならぬ覚悟があった。

何せ私は、これからこの場所で、1万円分本を買うのだから。


これは夢の行事である。

夏休みということで、普段はなかなかできないことがしたいと思い、それなら新刊書店で思いきり本を買おうと考えた。

1万円という予算を(一応)設け、日頃の鬱憤を晴らすように、脇目も振らず本を買った。以前から気になっていた本はもちろん、書店を見て回る中で、偶然との出会いも大切にしながら選書した。


先日、「箱根本箱」というブックホテルに宿泊した。

私がジュンク堂を訪れたのは、その前日。箱根本箱で読むための本を選ぶという意味で、これは前哨戦的な行事でもあった。

……結局、今回購入した本を、箱根本箱で読むことは一切なかったのだが。箱根本箱のことは、また別の記事で書きたいと思う。



購入本紹介


以下、購入本を紹介していこう。まずは文庫本から。

黒田龍之助|ポケットに外国語を

大学卒業以来、すっかり縁遠くなってしまった、外国語の勉強。その楽しさを思い出したい、そんな思いで購入した。

すごく面白かったので、そのうち読書日記を書く予定だ。


ニール・スティーヴンスン|スノウ・クラッシュ

「「メタヴァース」の語を生んだ傑作」という帯文に惹かれて購入。海外SFブームが、自分の中で到来中。

上巻まで読んだが、下巻は積読中。世界観が独特で、振り回されないようについていくのが大変である。


ここからは単行本だ。

若菜晃子|途上の旅

沢木耕太郎さんの『深夜特急』を再読して以来、海外紀行文ブームが来ており購入。

どうやら、シリーズものの第2作目のようだった。本のつくりや装丁が可愛いので、読んでみて面白かったらシリーズを揃えてみたい。


左右社|ウクライナ戦争日記

『仕事本』『〆切本』などで話題の、左右社さんの新刊。自分の関心にも刺さり、迷わず購入。

心に強く訴えかけてくる作品だった。こちらも読書日記を書きたい。


全卓樹|銀河の片隅で科学夜話

自分の中で謎の「理系本」ブームが来ており、ずっと気になっていた本を購入。装丁が幻想的で良い。

読みやすい、理系エッセイといった感じだった。読んでいると、もう少し踏み込んだ知識を身につけたくなる。


珍しく、漫画も購入。

マンガ三国志Ⅰ・Ⅱ

これまで三国志を読んだことがなく、教養のひとつとして身につけておきたいと考え、購入。

とても読みやすい。三国志の主要人物や、有名な逸話、大まかな年表を把握したいという方におすすめ。


最後に雑誌コーナーを巡回。

Newton別冊 無とは何か

雑誌コーナーを眺めていてふと目に入った、「無とは何か」という問い。この問いに答えることができなかったので、購入した。

書かれている研究内容はほとんど理解できないけれど、身体の芯から湧き上がってくる興奮がある。宇宙は謎に満ちている……。


いつもは小説の文庫本ばかり買っているのだが、今回は色々なジャンルの本を購入した。無数に枝分かれする木のように、自分の関心・知識の選択肢が広がっていくのを感じた。



書店の歩き方


書店を歩いている時、時間の流れから切り離され、本しか存在しない世界に入り込んでしまったような気持ちになる。

ずらりと並ぶ背表紙を、じっくりなぞる。平積みされた本の装丁を眺める。書店員さんたちが愛を込めて書いたPOPを読み込む。時間はゆっくりと流れていく。


大きな書店を見て回るとき、私はまず、入口から最も遠い場所へ向かう。複数階あるビル型の書店であれば、一旦最上階に上り、その階の最奥部へ行く。そこから入口へ向かって、順番に歩いていく。

こうすることで、書店の全体を見渡せる。普段手に取ることのない、たとえば医学書や歴史書などのジャンルの本にも、ひととおり触れることができる。予期せぬ本との出会いがある。

書店に入ってすぐの話題本コーナーでも、奥にある本棚の端っこでも、本は等しく、誰かが手に取ってくれるのを待っている。本の置かれている場所に優劣はない。どこに置かれた本も掬い上げられるように、全体を見て回る。


この巡回を繰り返していると、様々なジャンルについて、その時どんな本が話題になっているのか、凡その傾向が掴めてくる。脳内で簡単な目録を作り、また次に書店を訪れる時の指針にする。書店を訪れる度に、脳内の「目録」は更新され、新しい世代の本に移り変わっていく。

絶えず生まれ、変化していく無数の本。そんな中で購入し、手元にやって来た本たちは、運命に導かれた本なのだ。

映像化した話題作や、文学賞の受賞作もいいが、私は本を選ぶとき、自分で作った「目録」も大事にしたい。その目録に載っている本は、自分の足で探し見つけた、”運命候補”の本たちだ。そこには個性があり、自分だけの読書世界がある。



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