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時代的に「波長がずれていても」、接触がなくても、モーツァルトが夢にも思わなかったようなハ長調を生き返らせることだってあるかもしれないではないか 2020/08/20

 ガーミンを使ってみたくて、早速朝から走りに行った。いろんな数字が表示されて楽しくていじっていたら途中で記録が止まっていたみたい。買ったのはfor athlete 245っていうやつ。自分のことを記録していくことはなんとなく好きなので、fitbitよりもいろんな項目が記録されているっぽいのが楽しい。会社にも歩いて行ってみた。暑い。けど楽しい。

 久しぶりに出社して仕事して、久しぶりに外食して帰る。お店はがらがら。飲食店は本当に厳しいだろうな、と。

 今日はほとんど読めなかったが、グレン・グールドのエピソードがとてもいい。

 グールドは書きます。「マクルーハン教授の「地球村」という概念、すなわちマクマード海(南極ロス湾入江、米国の観測基地)からムルマンスク(ソ連邦ロシア共和国北西部ノルマン沿岸地方にある不凍港)まで、台湾からタコマ(米国ワシントン州西部港市)までが同時に応答するという考え方には不安を感じる。マクマードにいるだれかが、時代的に「波長がずれていても」、接触がなくても、モーツァルトが夢にも思わなかったようなハ長調を生き返らせることだってあるかもしれないではないか」。このころからグールドはコンサート活動から撤退しレコーディングのみによって演奏を公表する演奏家に変貌します。同時化し画一化する世界から撤退して、記憶と記録の中に沈潜することで、メディア化された世界における「寛容の劣化をたてなおす」創造戦略を芸術家は探ることになるのです。
石田英敬『記号論講義』P.181

 ネットワーク技術の進歩によって、世界がどんどん近づいていく、というのはあらゆることが同時に体験できる世界なのだけど、同時化とともに画一化、均質化されていくプロセスでもある。それは多様性の喪失という側面を持っていて、グールドは自らを閉じることで画一化する世界から距離を取ったということなのだろう。


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