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「チームで勝ち続ける。成長する企業の仲間を巻き込み挑戦するプロセスの共有」 【meeTalk #女性起業家支援プログラム レポ】

1人ではできない大きな夢を実現するために、チームで挑む。

どんな経営者も必ず悩み、試行錯誤する「組織づくり」をテーマに先輩起業家のお2人に経験を共有して頂きました。強い組織をつくるためにはどうすればいいのか? どのフェーズでどんな問題が起こったのか?「チームで勝ち続ける。成長する企業の仲間を巻き込み挑戦するプロセスの共有」をテーマにトークセッションを行ったレポートをお届けします!

本記事は、SK-IIと渋谷区、meeTalkが連携し、共同で開催した #女性起業家支援プログラム の一部です。新型コロナウィルス感染症の影響を受けた女性のビジネスオーナーを支援するため、ビジネスを継続・発展させるために必要な「学び」と「ネットワーク」を得られるセッションと交流の場を提供。多くの女性起業家たちが集いました。

👇 今後の開催はこちらでチェック
https://twitter.com/meetalkorg

登壇者のご紹介

今田素子 / 株式会社メディアジーン Founder,代表取締役CEO
出版業出身。『WIRED』ワイアード日本版の立ち上げにも関わる中、「デジタルで世界が変わる」と考え、オンラインメディア企業の株式会社メディアジーンを創業。「ギズモード・ジャパン」「ライフハッカー[日本版]」「ビジネス インサイダー ジャパン」などのメディアブランドを運営し、月間3,000万UUを実現。D&Iを社会実装していくオンライン・オフラインの活動「MASHING UP」も推進している。
https://www.mediagene.co.jp

金井芽衣 / ポジウィル株式会社 代表取締役
新卒で株式会社リクルートキャリアに入社し、転職エージェントを4年経験。副業や独立などさまざまな選択肢があるなかで、日本には転職支援サービスしかないことに課題感を抱き、ポジウィル株式会社を創業。キャリアに特化したパーソナル・トレーニング「POSIWILL CAREER」を提供する。
https://posiwill.jp/

鈴木聡子 / フォースタートアップス株式会社 執行役員 Communication Design (モデレータ)
成長産業支援事業を展開するフォースタートアップス株式会社で、スタートアップコミュニティの発展を推進。また、日本の未来をアップデートするため、「人」「お金」「情報」など様々な側面から起業家を支援している。直近、非財務面から企業価値の向上を目的とする「Startup Lights」プロジェクト(https://startuplights.jp/)も始動。2022年8月1日、iU 情報経営イノベーション専門職大学の客員教授に就任。
https://www.forstartups.com/

■各社の現在の事業フェーズ/フェーズに合わせた組織づくり

最初のトークテーマは「各社の現在の事業フェーズ/フェーズに合わせた組織づくり」。モデレータの鈴木さんより、経営・事業に関する質問が様々投げかけられました。

金井さんの経営するポジウィルは、コアメンバー約50名ほどの組織。創業5年目の現在、事業は既に拡大フェーズにあると話しますが、実はフリーランスのつもりで始めたと金井さんは明かします。

独立当初から順調で、時間をもてあましていたとき、やがて「辛くないことが辛い」と思うように。起業するリクルート同期の姿にも刺激を受け、「もう少し頑張れるはずだ」と奮起。3年目に現在の事業にたどり着きます。

約250名ほどのメンバーを率いる、起業24年目の今田さんは、事業フェーズが変わる時に何が必要なのかを教えてくれました。

「事業は、成長するに従って組織を変えていく必要があります。10人弱くらいのメンバーからスタートし、25人、50人、100人の時、200人を超えた時。毎回組織はがたつき、マネジメントを変え、成長させてきました。

それぞれの事業フェーズに合わせて採用、教育を変えていくことが重要

また、今後の組織について今田さんは、1,000人の会社を作るのではなく、メディアジーン、インフォバーンのような100人を超えるくらいの組織を複数作ることができるだろうと話します。今田さんが「スフィア」と呼ぶそうした組織が、同じネットワークの中で互いに必要なものをやりとりすることで全体を大きくしていきたいと語りました。

鈴木さんからの次の問いかけは、「組織を作る中で、本気で辛かったこと」
金井さんは、「メンバーと会社の気持ちが噛み合わないことがあります。直近まで40〜50人の組織を私一人で引っ張ってきてしまい、それは私の至らなさでした。自分の思い入れがあるからこそ不安で手放せず、メンバー自身が失敗できる機会を作れなかったことは反省。今は役員も増えてきましたが、かなり大きな意思決定でした」と話します。

■「会社にとって一番いい意思決定ができるから社長。できないなら辞めたほうがよい」

さまざまな事象において正しい判断を行うため、金井さんは、経営者の先輩や株主に相談し、自身の中に閉じないようにしています

一つの事象に対して複数の方に相談すると、アドバイスの傾向が重なってくる、すると意思決定の基準が金井さんの中でも明確になり判断を誤りにくくなるということです。

今田さんのピンチは「会社を潰しそうになったこと」でした。成長スピードをあげようとアクセル踏みすぎ、組織が壊れてしまったこと。事業の立ち上げがうまくいかずに、資金だけが流れてしまったことがあると。一方で、このピンチを立て直した経験から得る学びは大きかったと話してくれました。

また、昔は社員が会社を離れていく際「置いていかれるような」気持ちだったそう。しかし、現在、業界では元インフォバーン、元メディアジーンのメンバーが大活躍している状況を見て「会社にいてくれるだけを、良しとしなくていいかな」と思えるように。出ていくメンバーを応援できる気持ちになれたと明かします。

さらに、多くを経験する中で、「パーパス経営はめちゃ大事です。私はメディアで社会をよくしたいと本気で思っているけど、その真剣度をどれだけ共有できるかは大きい。」と組織作りのポイントを語りました。

2人はメンターとメンティの関係

今田さんと金井さんは、EYアクセラレータプログラムにおいて、メンターとメンティーの関係でもあり、2週間に1度、話をしている。

金井さんから相談する、という形ですが実際には今田さんにとっても貴重な時間となっています。経営者に通じる共通の悩み、かつて通ってきた悩みに向き合うことで思考の整理になり、フィードバックを通して自身も前に進めると話します。

若手起業家の中には、先輩経営者に話を聞きにいくのを遠慮してコミュニケーションとりにくいという方も多いと思いますが、実は先輩経営者にとっても有意義な時間になっているというのです。

しかし、どんな起業家であればメンターとして相談に乗りたいと思うのでしょうか?

会社経営で何を成し遂げたいのかが明確だと寄り添いやすいです。それを達成するために途中に起こることは1つ1つ解決すればいいよね、となるので、曖昧さがないのです。私もそういう方が役にたちやすいと思います。」

■女性特有の課題、どのように向き合い、乗り越えているか

次のテーマは「女性特有の課題、どのように向き合い、乗り越えているか」です。

女性ならではの向き合い方について、まず金井さんが答えます。

ポジウィルでは、マネジメント層がほぼ男性ということもあり、女性メンバーのマネジメントにおいてキャッチしきれない部分があるという課題がある中、「(唯一の女性経営層である)私のバリューは何かを常に行動して考えるようにしている」と話します。

また、鈴木さんが少し「突っ込んだ話ですが...」と前置きして聞いたのは金井さん自身のライフイベントについてでした。

子育てと経営、そしてメンバーの働き方

「以前は、上場するまで子供は産まないほうがいいかなと思っていました。しかし、(業務が)手離れした今、時間にも余裕ができ、(前例をつくることで)メンバーのためにも、授かれるなら子供も産みたいと思うようになりました。『芽衣さんがそうなら大丈夫!』という状況を作っていかなければとも思います。」と金井さんは答えました。

今田さんの世代では、起業する女性は非常に少なく、経営者イベントに行っても99%が男性という状況でした。今田さん自身は経営者としてのハンデはあまり感じて来なかったと言いますが、ワンオペ当たり前の時代、子育てをしながら働くのは非常に大変でした。

「今は、メンバーがそうしたことに引け目を感じず、時間短くてもパフォーマンスを上げることができる、安心して働けるようにするのが大事なポイントだと思います。昔はそこまで気を配れなかったのですが、心を入れ替えて今はそうしていきたい。」と語りました。

経営する中で、自身の考えを変えてきた2人。鈴木さんは「思考をアップデートするきっかけ」について聞いていきます。

自分自身の課題と向き合うタイミング

金井さんは「嫌な話ですが、問題が起きるんですよ。今までの自分でいるとダメだから問題がおきる。自分自身の課題が会社に反映された時、考えなければならないタイミングなんだと思うようにしています」と話しました。

今田さんも「失敗から学ぶことが多い」と話しますが、いろんな方の話を聞いたり、メディアを運営する中で得られる海外事例などもインプット。“自分たち”ならどうするべきかを考え、会社にインストールしているということです。

“自分たち”という表現が気になった鈴木さん。

「“自分たち”ということですが、経営者はどこまで判断するのでしょうか?」
「自分の判断も大きいですが、判断の範疇を狭めています。チームのことはチームで考えるようにという感じで。ただ、はずせない大事な部分は時間がかかっても、何度も言います。そして、最初の強い想いは自分からだけど、みんなからのリアクションから方針をアップデートすることもあります。」と今田さん。

■どのように仲間を作り、巻き込み成長していくのか

3つ目のテーマは、「どのように仲間を作り、巻き込み成長していくのか」。経営者の役割について、まず金井さんが話します。

「未来、どういう社会に、会社にしていきたいのかを考えて伝えます。また、信頼できる仲間とお金を集めること。キレイにいうとスタートアップですが、実際はリスクの高い中小企業。あえてここで働きたいと思ってもらうには、『ワンピース』で海賊王を目指すように、未来を具体的にイメージしてもうこと、ついていった先に描く未来を一緒にやりたいと思ってもらえるようにすることですね。」

想いを共有する場として金井さんは、月2回の全社総会を活用しています。今田さんも「心理的安全性を担保しながら、やりたいことをやれる環境を作るのが大事です。それが一番会社は成長するし、私の能力を超えて会社が成長する可能性を作ることができます。」と話しました。

トークセッションの3つのテーマを通して、さまざまな事業フェーズ、組織フェーズごとに、思考や自身の立ち位置も変えていくということを教えていただきました。

採用ではカルチャーフィットを大切に

最後に参加者からの質疑応答がありました。最初の質問は採用の判断基準について。

今田さん「カルチャーフィットですね。そして実際に話して面白いか。どれだけインスパイアされるかが重要。パートナーになることが、しっくりくるかどうかがポイントです。」

金井さん「飲みに行きたいかどうか。条件や経歴でみると会話が続かず組織に馴染まないことがあります。『名古屋の新幹線まで二人で座っていたとしても、居心地が悪くないか』ということも。好きな人はもっと知りたいと思える。そう思わなければミスマッチなのだと思います。」

2つ目の質問は、意思決定のヒントについて。

金井さんの回答
「相談する機会が多くあり、判断軸ができて迷わなくなりました。共有できる人に話して、判断軸を磨いていくともっと楽になると思います。相談する相手は組織、事業、マーケティング、広報など各領域のスペシャリストに、と。内容に応じて分けてはいましたね。」

今田さんの回答
「『アイディアの作り方』という本があります。情報をインプットして整理して寝かしてみる。その後パッと出たものを実際にやってみるという方法で、それをやっています。たくさん考えて優先順位を決める。そういうプロセスをとったものは、揺るがないです。アイディアが降りてくるまで待っている、というのはあると思います」

鈴木さんの回答
日頃から考えていることが、判断に生きる瞬間がある。また、考え始めたばかりのタイミングは、判断スピードが遅いのは当たり前。経験を重ねていくことで判断がソリッドになる瞬間がいつか出てくると思いますので、思考を止めずに歩んでいくのが良いと思います」


■応援メッセージ 「諦めの悪さが大事」

今田さんからのメッセージ:
「人生は短い。やりたいと思ったことがあれば、やってみるのが大事。私の取り柄はしつこいこと。思いが強かったら、それは達成できると思う。しつこくしつこくやっているとなにかの形になることを何度も何度も経験したので、諦めずに頑張ってください!」

金井さんからのメッセージ:
「私は起業以前はずっと自信がなかったんです。でも、縁に恵まれたり、それを得るために行動するとか、周りがなんと言おうと、うまくいくまでやり続ける諦めの悪さは大事。また、女性だからこその感性があって、アイディアを着想し、大事にできる力があると思います。なので私自身、女性を応援したいと思います。大変なことあると思うけど、一緒にがんばっていけたらと思います」

【学びと繋がり】二日間に渡ってご一緒させていただきましたSK-Ⅱ×渋谷区×meetalk主催の女性起業家支援プログラム!「学ぶ」「つながる」「発信する」という3つのアプローチから女性起業家が事業を前進させるスキルアップ支援プログラムの全9コ...

Posted by 鈴木聡子 on Thursday, June 23, 2022


以上、トークセッション「チームで勝ち続ける。成長する企業の仲間を巻き込み挑戦するプロセスの共有」のレポートでした。

他にも続々と、講義・トークセッションのレポートを公開していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

👇meeTalk 女性起業家支援プログラムの記事まとめ
https://note.com/meetalk/m/m552b00b92503

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【開催概要】
女性起業家支援プログラム
#CHANGEDESTINY
主催:SK-II、meeTalk
協力:渋谷区
内容:女性起業家・事業主のビジネスをサポートするための、学びとネットワーキングのためのプログラム
日時:2022年6月22日(水) 〜 6月23日(木)
会場:オンライン配信& オフライン開催 @渋谷TRUNK HOTEL
公式HP:https://meetalk.org/sk2changedestiny/


ライター:eribousan

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