第153話 宇宙戦争と航海士
そしてその日の夜までに、さらに色んなことがわかってきた。
男の子の名前はリト。お母さんと生き別れた当時の年齢はたった五歳だった。そしてまた、十七歳だというリトの別レイヤーも現れた。
十七歳のリトは言う。
「戦争は、あんな田舎町の人たちの生活にまで影響していた。だから早く大人になりたかった。
僕はあれから頑張って、航海士になったんだ。
今さらそうしたところで母は帰ってこないけどね。
……でもね、十七で航海士になれるって、もの凄いことだったんだよ。本当にとても、努力したんだ。」
今のあきらと殆ど年齢が変わらないというのに、すべての言葉の端々からは、どこか厭世的な、淋しさのようなものが伝わってきた。
宇宙戦争は、美しい片田舎の風景の元に暮らす人々の心ですら灰色に染めてしまっていた。
「私は、あなたに出会えてよかったと思ってる。あなたのことを誇りに思うよ。お母さんには絶対に、ちゃんと伝わってると思う。
リト……。あなたを愛してる。」
「ありがとう。」
「……ねぇ、あなたからは、私のことが誰だかわかるの?」
「?」
「そっか、あのね、私はあなたの未来世だよ。“地球”という星に転生しているの。
地球にも戦争はあるけれど、少なくとも今、あなたがいた世界よりはとても平和な国で落ち着いている。
リトが悲しみの中にあることが、私の悲しみでもあるの。
私ね、だからあなたを未来から、こうして探しに来たんだよ。」
「!!
それって……。そうなんだね。いつか僕も、平和なところに生まれ変わるんだね。」
……
それから丸二日ばかりを五歳のリトと一緒に過ごすと、少しずつ彼の悲しみが癒え始まったのを感じた。私に対しての警戒心もだいぶ薄れ、懐いてくれたことを心から嬉しく思った。
宇宙子さんからは、「シリウスの美しい景色をトリガーに浄化を続けてみてください」とのアドバイスをもらっていた。私がうっすら視た草原だけでなく、なんとなく彼女が言いたかったのは空が地球と違うのだろうという感覚があったので、こんな風に聞いてみた。
「ねぇリト。リトは何色のお空が好き?
水色?黄色?それとも紫?」
「むらさい色のぉ・・・お・い・も!」
「ええー?」
この子、“私”なんだよねと思いながらもずっこけてしまった。
だけどそんな彼と一緒になって、「おいも、おいも」と連呼するおいもダンスを二人で歌い切ると、自然と嬉しくなって涙が出た。自分の過去世であるこの五歳の小さな男の子が、可愛くて可愛くて仕方がなかった。
「リトおいで。抱っこしよう。」
ギューっと抱きしめると、それでもこの子の内側に、“お母さんとおじいちゃんへの複雑な悲しみ”がまだまだ深く根を張っているのが伝わってくる。
ふっとそれを思い出してしまうと一気に闇が押し寄せて、私の視界も漆黒に飲まれる。
「悲しかったんだよね。悲しかったんだよね。」
オリオンの過去世は意外だったけど、私には他にもプレアデスへの郷愁もある。シリウス、プレアデス、オリオン、地球……。泣いても泣いてもとどまらず、私がこれらを転生し続けているその間(かん)の、“時間の存在しない悠久の時”を、この子はずっとこの状態で過ごしてきたんだと思うと胸が痛くて仕方がなかった。
……
夕ご飯には天ぷらを作った。
シリウスのお芋が甘いのかどうかわからなかったけど、じゃがいもと、さつまいもとを両方揚げると紫色の空を想って半泣きで食べた。
written by ひみ
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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
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新年明けましておめでとうございます。2022!!
いきなりタイトルから内容から申し訳ですが、ハイヤーセルフ的には今日これを載せることがオッケーなんだそうです。
(日付けと内容、ずっとずれてる気がしなくないんだけどね。これで良いみたい。)
去年8月、meetooで遠隔の企画をした時には色んな次元のせめぎ合いがありました。
その時はライオンズゲートヒーリングのために、けーこと二人、関東某所に出かけたとお知らせしていました。
その時臨んだ場所の一つが富士山でした。
実はその日、富士山に繋がり、その理知的で生命力のある男性エネルギーの富士山からメッセージを受け取っていました。
ヒーリングの特典にする予定でしたが調整があり、どこにも届けられずにおりました。
ライオンズゲート、そして冬至前の内容ではありますが、今回再び掲載許可をいただいたので、こちらにご紹介しますね。
『エネルギーが大きく変化する時。
今までの選択の答えが明るみとなって、
現実に出てきます。
目に見える世界だけではなく
目に見えない世界との共存が
鍵となっていきます。』
とのことでした。
何度となく出てきていますが、「自分軸の確立如何」によって現実がその答え合わせになると富士山も言っています。
すでに答えは出始まってきていますが、それでもこのお正月休みを利用して、けーこの過去記事、私の小説、何度も復習してください。
耳の痛いことばかり書いてありますが、その代わり今まで、どんな荒波にも耐え得る自分軸確立の航路を取ってきました。
昨日すでに、「あなたが高次元」だと言われました。
これからの高次元はこちらから何とかしようと出向きません。自ら這い上がってくる方の育成に尽力していきます。どこの世界にいたいのか、答え合わせが始まりますよ。
meetoo ship航海士 ひみ&リト 2022.1.1 11:11
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←今までのお話はこちら
→第154話 光の彼と三種の神器
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