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初めての釣りで出会ったお兄ちゃん達


息子には、やりたいことがいっぱいある。

主にアウトドア関係だ。

魚釣り、キャンプ、ツーリング旅(自転車)、登山、等…。

私は、インドア派。

正直、アウトドア関係は興味がなく、わからないし、体力がないし、苦手だ。

息子には父親がいない。

息子(小学2年生)が成長するにつれて、
「ねぇ、連れて行ってよ!」
「やりたいよ!」
「一緒にやろうよ!」
と、要求が激しくなってくる。

その度に、私は、体を奮いたたせる。

『僕には父さんがいない。
だから、アウトドア関係のやりたいことをさせてもらえないし、連れて行ってもくれない。』

って、息子に思われて、息子を寂しい気持ちにさせるのが嫌だから、息子がやりたいアウトドア関係は全て一緒にやってみるって決めている。

最近になって、ようやく、初めての経験(アウトドア)が、意外と新鮮で、学びも多く、楽しいことがわかってきた。

……………………🐟………………🐟🐟🐟🐟🐟🐟🐟🐟……


先週末、息子と初めての魚釣りに行った。

買ったばかりの釣りセットとエサとバケツを持って、息子の目がキラキラしている。

釣れないだろうけど、念のために、車には氷の入ったクーラーボックスを待機させている。

港の波止場には、先着者が2人いた。

小学校高学年らしきお兄ちゃん2人。

お兄ちゃんたちのバケツの中は、アジがいっぱいいた。

私達が着いた時には、もうお兄ちゃん達は帰ろうとしていた。

「僕達、今朝4時半に起きて来たんやで。」

早朝に来れば、たくさん釣れるらしい。

8時半にやって来たのは遅かったんだ。

お兄ちゃん達は、自転車で魚釣りに来ていた。

海辺の近くに住んでいるようだ。

慣れない手つきで、釣り竿を障っている私達を見て、

「初めてなんやね。こうやったらええで。」と言って、釣り竿のセットの仕方やアジの釣り方を教えてくれた。

息子が初めてアジを釣った時には、拍手をしてくれたお兄ちゃん達。

アジ以外によく釣れる背びれに毒を持った魚のことも教えてくれた。

「この魚は背びれに毒を持っているから、背びれに刺されないように針からはずしてリリースして。」

お兄ちゃん達に教えてもらいながら、1時間程一緒に釣りを楽しんだ。

お兄ちゃん達は、どこまでも面倒見が良く、優しかった。

お兄ちゃん達が帰った後、息子が呟いた。

「またお兄ちゃん達と一緒に釣りをしたいな。」


こんなに優しいお兄ちゃん達もいるんだ…。

息子は、最初、お兄ちゃん達に、少し驚いたようだった。

息子の小学校には、魚釣りのお兄ちゃん達のような面倒見が良くて優しい高学年はいないそうだ。

昨年、息子は入学まもない頃に、高学年の男子から暴力を受けた経験から、高学年にあまり良い印象は持っていなかったから。


「またあのお兄ちゃん達に会えるといいね。」

お昼が近づくにつれて、だんだん釣れなくなってきた。

エサがなくなったので終了。

アジが31匹釣れた。

よかった、クーラーボックス持ってきてて。


お兄ちゃん達、ありがとう!!









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