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医療 製薬業界|1週間の注目記事(1/17-1/24)

クリニファー株式会社でインターンシップをしている大学院生のオダニと申します。
今回は1/17-1/24の1週間で、私が興味を持った注目記事を共有します。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします!

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サワイグループHD 米国事業から撤退 国内の品質問題解決に集中

ミクスオンライン(2024年1月17日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75958

サワイグループHDは1月17日、米国子会社のSawai America LLCおよびUpsher-Smith Laboratories, LLC(USL)の全株式等を台湾のBora Pharmaceutical Holdings, Inc.に譲渡することを決議し、米国事業からの撤退を決断した。業績が悪化していた米国事業から撤退することで、国内の品質問題の課題解決と需要拡大への対応に経営資源を優先投資していく。

サワイグループHDの傘下である沢井製薬は、2023年10月にテプレノンカプセル50mg「サワイ」の安定性モニタリングの溶出試験においての不正が発覚したことを受け、厚生労働省から総括製造販売責任者の交代を命令する行政処分を受けたことが記憶に新しいです(関連記事)。経営改善や信頼回復に向けて追加投資が必要であり、日本国内に経営資源を集中させるために米国事業を撤退せざるを得ない状況となったと考えられます。
昨年はジェネリック大手企業の不正が相次いで発覚し、ジェネリック医薬品の供給問題や信頼低下が加速してしまいました(関連記事)。ジェネリック医薬品業界全体でその信頼回復のために尽力してほしいと思います。

アルツハイマー治療新薬の開発続々 タウ標的薬など

日刊薬業(2024年1月19日) https://nk.jiho.jp/daily/2024-01-19

アルツハイマー(AD)病治療薬の開発が加速している。日本国内で8月に承認されたエーザイの「レカネマブ」に続き、「レカネマブ」より投与期間を短くできる可能性があるイーライリリーの「ドナネマブ」が現在承認申請中、脳への移行性を高めたロシュの「トロンチネマブ」が開発中である。アミロイドベータ(Aβ)の他にADの発症に関わるタンパク質のタウを標的とした新薬も開発されている。Aβ標的薬とタウ標的薬、抗体と低分子など、
AD治療は多剤併用が基本となる見通しとした。

アルツハイマー(AD)病治療薬の開発が加速していることは大変喜ばしいことです。現在国内で承認されている「レカネマブ」はアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行を抑制する薬であり、アルツハイマー病を治す薬ではありません(関連記事)。しかし、ADの発症に関わるAβの蓄積を抑える薬が開発されたこと自体が革新的であり、今後さらに良い薬が次々と開発されていくと期待しています。すでに「レカネマブ」より短い投与期間で治療が終えられる「ドナネマブ」が承認申請中です。さらに、脳への移行性を高めることで少量の薬剤投与で治療効果が見込める可能性がある「トロンチネマブ」も開発中です。
Aβの沈着が引き金となって蓄積されていくタウたんぱく質を標的とした治療薬も開発段階にあるなど、様々な種類の新薬の開発が続々と始まっており、認知症の克服へと動き出しているのは確かです(タウタンパク質の蓄積は、神経細胞死と深く関係していると考えられています)。
もちろん、これら医薬品は高価である上に多剤併用が基本で、1年以上の服用による金銭的負担が大きいことや、17.3%の脳内出血と12.6%の脳浮腫が見られるといった副作用があるなど課題があることは把握しておく必要があります(エーザイHP)。副作用が全くない治療薬など存在しませんが、副作用を最小限に抑え、十分な治療効果を発揮できる医薬品を開発していくことが非常に重要だと考えています。


国立長寿医療研究センター レカネマブ治療を2月13日から開始

ミクスオンライン(2024年1月24日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75982

国立研究開発法人国立長寿医療研究センターは、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」による治療を2月13日から開始すると公表した。適応患者は「初回のみ1泊入院」で点滴注射し、2回目以降は2週ごと専用治療室で点滴注射するとした。患者の体重が60㎏で、1回あたりの使用薬剤が「200mg×1瓶」の場合の1か月(2回分)の患者負担額(薬剤のみの費用で診療や検査等を除く)は、3割負担で8万176円とした。

国立研究開発法人国立長寿医療研究センターは、昨年12月20日のレカネマブ発売を受け(関連記事)、専用の治療室の整備や必要な検査体制などの準備を行い、それが整ったとして2月13日から治療を開始すると公表しました。薬価収載後2か月という短期間で治療体制の完備を実現させたという点に非常に驚きました。
同院は「レカネマブ」は2週間に1回の投与で原則1年半治療を続ける必要があり、投与開始後は脳の腫れや出血などの副反応が生じる可能性があるため、初回のみ1泊入院し、それ以降は定期的な脳MRI検査を実施するとしています。薬剤投与量は体重や進行具合で変わるため、負担額は患者によって様々ですが、60㎏で、1回あたりの使用薬剤が「200mg×1瓶」の場合の1か月負担額は、薬代のみで約8万円(3割負担の場合)となります。これは1年で96万円と多額の費用となります。また、必ず効果があるという保証もないため、治療を受けるかは慎重に判断する必要があると考えられます。


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