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医療 製薬業界|9月の注目記事

クリニファー株式会社でインターンシップをしている大学院生のオダニと申します。
今回は9月の1か月間で、私が興味を持った注目記事を共有します。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします!

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住友ファーマ パテントクリフ克服に向け、再生・細胞医薬事業を拡大

日刊薬業(2023年9月6日) https://nk.jiho.jp/article/183657

住友ファーマは、非定型抗精神病薬「ラツーダ」の特許切れによる業績低迷に直面している。同社は、業績回復に向けて再生・細胞医薬事業の拡大を進める方針を明らかにした。同社はすでに、小児先天性無胸腺症の免疫再構築に効果がある他家培養胸腺組織「リサイミック」を米国で販売しており、売上高は急増している。

大規模なパテントクリフを克服するため、住友ファーマは再生・細胞医療やDX推進に力を注いでいます(関連記事はこちら)。しかし、再生・細胞医薬事業やDX化の成果はすぐに出るものではないと考えられるため、業績回復や同社のさらなる成長にはまだ時間がかかると思いました。

第一三共 新型コロナワクチン「ダイチロナ」 オミクロン株対応で申請

ミクスOnline(2023年9月8日) https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75310

第一三共は新型コロナワクチン「ダイチロナ」について、オミクロン株XBB.1.5 系統対応1価ワクチンを一変申請したと発表した。年内供給を目指して生産準備を進めている。

第一三共は新型コロナ従来株に対応した「ダイチロナ筋注」について承認を取得しており、(関連記事はこちら)オミクロン株対応ワクチンについても承認されれば国内初となります。
「ダイチロナ」はmRNAワクチンです。mRNAワクチンといえば、今年のノーベル生理学・医学賞は、カタリン・カリコ氏とドリュー・ワイスマン氏が新型コロナウイルス感染症に対するmRNAワクチンへの貢献が評価され、授与されました。
このようにmRNAワクチンは現在脚光を浴びており、更に開発が進むことが予想されます。

エーザイ 認知症早期発見の実現に向け、新会社を設立

日刊薬業(2023年9月12日) https://nk.jiho.jp/article/183825

エーザイは12日、認知症エコシステム構築を目的としたデジタル事業会社「テオリア テクノロジーズ」を設立したと発表した。2024年4月から事業を開始する予定で、軽度認知障害(MCI)・認知症の早期発見に向けた発症リスク予測アルゴリズムに関するサービスの提供を開始する計画。

アルツハイマー治療薬「レカネマブ」は8月に国内で承認されました。しかし、「レカネマブ」は早期のアルツハイマー病患者に適応される薬であることから、アルツハイマーの早期発見技術の確立が必要でした(関連記事はこちら)。そこで、エーザイが新たに設立したテオリアが早期発見技術の開発を行い、認知症プラットフォームの中核を担わせる方針のようです。今後は「レカネマブ」の薬価をどのように設定するのかが論点になりそうです。

塩野義製薬 ワクチン製剤棟の建設へ 経産省補助金で

ミクスOnline(2023年9月22日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75356

塩野義グループで生産関連機能を担うシオノギファーマは9月21日、経済産業省が推進する「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等設備事業」の「製剤化・充填拠点の設備事業」に採択された。塩野義製薬は、同事業の補助金を活用して新たなワクチン製剤棟を建設する計画。

新型コロナウイルスの流行が収束し、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられて5か月がたちます。インフルエンザと同様に毎年のワクチン接種で予防していく形をとるには、国内で新型コロナウイルスワクチンを生産できるようにする必要があり、日本政府は国内のワクチン開発の推進に力を入れているようです。塩野義製薬のほかに、Meiji Seika ファルマやバイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO)サービスを展開している富士フイルムも同事業に採択されました(関連記事はこちら)。

日本イーライリリー アルツハイマー治療薬ドナネマブの国内申請が完了 24年の承認見込

日刊薬業(2023年9月26日)https://nk.jiho.jp/article/184159

日本イーライリリーは26日、アルツハイマー治療薬「ドナネマブ」について、国内での承認申請を完了したと発表した。同剤の国内承認時期は2024年中の見込み。

エーザイのアルツハイマー治療薬「レカネマブ」に続けて、米国大手イーライリリーからもアルツハイマー治療薬が出てきたことから、認知症の治療が大きく進むと感じました。
「レカネマブ」も「ドナネマブ」も軽度の認知症患者に適応される薬であるため、並行して認知症の診断技術や方法を開発・確立していく必要があると考えます(関連記事はこちら)。その点、「レカネマブ」については、エーザイはアルツハイマーの早期発見技術の開発を行う新会社を設立しました。
また、「レカネマブ」は高額医薬品となることが予想されますが、「レカネマブ」と「ドナネマブ」どちらが安いのか、薬価が気になるところです。

中医協 アルツハイマー治療薬レカネマブを高額薬として特別ルール議論へ

ミクスOnline(2023年9月28日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75382

中医協総会は9月27日、エーザイのアルツハイマー治療薬「レカネマブ」について、年間市場規模1500億円超が見込まれる高額医薬品に該当するとして、薬価算定方法や価格調整のあり方について議論することを了承した。薬価収載は同剤の承認から90日以内(年内)に行えるよう、議論を進めていく方針。

「レカネマブ」の承認を受け、早急に薬価算定の議論がなされています。国民としてはどれくらいの費用で治療を受けられるのか、「レカネマブ」の薬価はいくらになるのか非常に気になるところです。
「レカネマブ」は認知症治療薬として画期的な医薬品であることは間違いないのですが、日本は超・超高齢社会になりつつあり、国民皆保険を持続させるためには今のところ、医療費を削減せざるを得ません。以上のことから、低い薬価が設定されそうだと私は感じています。

まとめ

今回は9月の一か月間で特に私が関心を持った記事を紹介しました。
9月は特に、

● 新型コロナウイルスワクチンの開発
● 認知症治療薬「レカネマブ」

の関連記事が多いように感じました。

今後も皆様に医療・医薬品業界のニュースをお届けするため、毎週記事を投稿にして参ります。
今後もご愛読いただけますと幸いです。

7,8月の月間注目記事をまとめたマガジンも掲載します。ぜひご覧ください。


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