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mediVRカグラの導入施設/検討施設向けの企画を紹介します

mediVRでは、mediVRカグラ導入施設や導入を検討している施設を対象として、「カグラ座談会」「カグラボ(カグラ勉強会)」「カグフェッショナル(導入施設インタビュー)」という企画を開催しています。それぞれ会報誌、YouTube動画、note記事としてアーカイブを残していますが、mediVRをよく知らない方は、「一体何が違うの?」「どれから見たらいいの?」と戸惑うかもしれません。発案者で理学療法士の仲上恭子に、それぞれの企画の違いや詳細を説明してもらいました。

リハセンターで仲間とミーティングをする仲上

仲上恭子(なかうえ・きょうこ):理学療法士(PT)
藍野大学を卒業し、理学療法士免許を取得。リハビリテーション病院の回復期病棟に3年、整形外科クリニックに8年勤めた後、2022年にmediVR入社。mediVRリハビリテーションセンターでの臨床、mediVRカグラの営業と導入施設のサポート、「カグラ座談会」「カグラボ」「カグフェッショナル」の企画を担当する。2020年に立命館大学大学院人間科学研究科修士課程修了。

mediVRカグラ導入施設が交流し情報交換を行う「カグラ座談会」

座談会会報誌

カグラ座談会はZoomを使って開催し、レポートをホームページに掲載しています。

――カグラ座談会を企画した背景を教えてください。

mediVRカグラ導入施設の理学療法士や作業療法士のみなさんから、「ほかの施設の事例を聞きたい」と言われることが多かったんです。mediVRカグラを使うスタッフは数人に絞っているのか、教育はどうしているのか、患者さんに使用する際の判断はどう行なっているのか。運用体制は施設によって異なりますが、mediVRカグラは新しい医療機器なのでまだ導入している施設が少なく、自力で相談相手を見つけるのは難しい状況かと思います。そこで、導入施設の先生同士でお互いに相談しあったり、情報交換をしたりできるといいのではと考え、カグラ座談会を企画しました。毎回Zoomを使って開催しています。

――開催してみていかがでしたか?

慢性期の方への治療効果、小児リハビリでの活用、急性期病院での運用、各施設のスキルアップ術、学会での症例報告など毎回さまざまな話題が出て、参加者のみなさんからも「参考になる」「刺激を受けた」と好評をいただいています。それまでつながりのなかった施設同士の交流も生まれていて、たとえば昨年VRリハビリ入院を始めた長野市民病院様を岐阜県の岩砂病院様が視察し、今年から岩砂病院様でもVRリハビリ入院が始まりました。

私たちとしても、「VRリハビリを目的に2時間かけて通ってくださる方がいる」「担当していた患者さんがこんなによくなった」といったエピソードをじっくり聞けるのでありがたいです。

座談会会報誌vol.2

――座談会の参加者はどのように募っているのですか?

最初はmediVRカグラを上手に活用してくださっている先生、カグラのファンだと言ってくださっている先生にお声かけしました。回を重ねるなかで、「この施設の取り組みはこの施設の参考になるんじゃないか」といった具合に組み合わせも考えるようになりました。あまり大人数になると発言しづらくなるので大々的にお声かけはしていないのですが、もし参加したい方がいらっしゃったらご連絡いただけると嬉しいです。

mediVRカグラの使い方を伝える「カグラボ」

カグラボはZoomででライブ配信を行い、YouTubeでアーカイブを公開しています。

――カグラボを企画した背景を教えてください。

mediVRカグラの使い方を学べる教科書のようなコンテンツを作りたかったんです。mediVRでは導入施設に対しオンラインサポートを提供していますが、あまりサポートを利用されない施設もあります。導入施設の先生がご自身のタイミング・ペースで参考にできるコンテンツがあるといいのではないかと考えました。全10回を予定していて、症状・疾患別にVRリハビリのコツやポイントをまとめています。

――リアルタイムで視聴している方はどれくらいいらっしゃいますか?

毎回10〜15施設の方が参加してくださっています。1施設5〜6人いらっしゃるので、それなりの人数になりますね。みなさん、クイズを出すと回答してくださっています。

――反響はいかがですか?

先日、しばらくやりとりのなかった導入施設の先生から「VRリハビリについて学び直したいのでレクチャーしてほしい」とご相談をいただいたのですが、久しぶりだったので依頼するのに勇気が必要だったそうです。でも、カグラボで私の顔をよく見ていたから、話しやすくて安心したと言ってくださいました。カグラボはmediVRスタッフに親しみを持っていただく機会にもなるので、できるだけ多くのスタッフを登場させたいと思っています。

また、第2回「片麻痺」の回で、片麻痺患者さんの手にコントローラーを装着する「鳥飼巻き(とりかいまき)」の手法を紹介したのですが、その後導入施設のみなさんが結構鳥飼巻きを実践してくださっているようで、紹介してよかったと思いました。

鳥飼巻きの写真
mediVRリハビリテーションセンター東京スタッフの理学療法士、鳥飼(とりかい)が考案した巻き方。指を離してもコントローラーが落ちず、麻痺のある患者さん、把持力が弱い患者さんも安心してリーチング動作を行うことができます

――全10回が終わった後はどうする予定ですか?

まだ構想段階ですが、導入施設のみなさまから症例動画を送っていただき、詳しく検討していくことができないかなと思っています。形を変えて続けていきたいですね。

mediVRカグラ導入施設にオンラインでインタビューを行う「カグフェッショナル」

カグフェッショナルイメージ画像

カグフェッショナルはPeatixで参加者を募集し、Zoomを使って開催。YouTubeでショート動画を、noteでレポートを公開しています。

――カグフェッショナルを企画した背景を教えてください。

mediVRカグラの導入を検討している施設のセラピストさんとやりとりしていると、「自分は導入したいと思っているけれど、経営陣が首を縦に振ってくれない」「上手く使いこなせる自信がない」「本当にこんなゲームみたいなもので患者さんは良くなるの?」と言われることがあります。そうした疑問に対してmediVRスタッフが言葉を尽くして説明するよりも、すでに使っていただいている導入施設のみなさんから事例を語っていただいた方が、検討されている施設の方の参考になるのではないかと考えました。

――開催してみていかがですか?

第1回の杵築市立山香病院様も第2回の長野市民病院様も、導入までの経緯や導入後の運用体制・反響などをとても詳しく教えてくださり、参加者のみなさんからも好評でした。また、最初は導入施設の先生の参加が大半だろうと思っていたのですが、導入を検討してくださっている施設の先生が予想よりも多く参加してくださっていて、手応えを感じています。

「カグラ座談会」「カグラボ」「カグフェッショナル」の使い分け

――別の施設で働くセラピスト同士が交流し情報交換する意義やメリットは感じていますか?

私自身、複数のコミュニティを行き来することが好きなんです。ひとつのコミュニティにだけ所属していると視野が狭まるし、そこでうまくいかないことがあると行き詰まってしまいがちです。でも、ほかのコミュニティを持っていたらいろんな価値観や考えを知ることができるし、幅広い知識を得られる。そうすると、何かあったときの解決策や選択肢も増えるんじゃないかなと。セラピストが施設を超えて交流するのは大事なことだと思っているので、今後も続けていきたいです。

――今後の展望はありますか?

カグラ座談会を始めて1年が経ったので、これまでどんな施設が参加してくれてどんな効果があったのかを検証し、ブラッシュアップの方向性を考えたいと思っています。先日、アル・ゴア元米副大統領がノーベル平和賞授賞式典の演説で引用し、有名になった「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」というアフリカの諺がとても心に響きました。これまでは「まずはとにかく形にしよう」と私ひとりで進めていましたが、これからはチームで取り組み、もっと企画の幅を広げていきたいですね。

――最後に、mediVRカグラ導入施設や導入を検討してくださっている施設のセラピストのみなさんに向けてメッセージをお願いします。

mediVRカグラの他施設における具体的な運用方法を知りたい方はカグラ座談会の会報誌を、VRリハビリの疾患・症状別のコツを勉強したい方はカグラボのYouTube動画を、病院上層部を説得してmediVRカグラの導入を目指している方はカグフェッショナルのnote記事をご覧いただきたいです。

カグラボは「脳性麻痺」「パーキンソン病」「歩行/バランス障害」など症状・疾患別にまとめているので、ご自身が担当されている患者さんに合わせてお使いいただけたら。また、どこの施設も高齢の患者さんが多いと思うので、高齢者へのmediVRカグラ使用時のコツについてディスカッションしたカグラ座談会Vol.4もおすすめです。導入施設や導入を検討している施設のみなさんにとって、それぞれの企画が少しでも参考になれば幸いです。何かリクエストがあればぜひお気軽にご連絡ください。

リハセンターでmediVRマスコットキャラクターのぬいぐるみを腕に抱いて笑う仲上

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<イベントのご案内>
mediVRカグラのスイーツセミナー&機器体験会を渋谷ヒカリエカンファレンス11階で開催予定です(2024年6月13日〜6月16日)。詳細はPeatixをご覧ください。

(撮影:山中陽平 取材・文:飛田恵美子)

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