第9回 欠けない月はわが瞳のせい?:文字文化の始まりと糖尿病と藤原道長
藤原道長(966〜1028)
日本の歴史のなかで必ず勉強する平安時代の有名人,藤原道長。彼は現存する資料から最古の糖尿病患者であると考えられている。
平安時代(794〜1185年)初めはちょうど日本語のひらがな,カタカナが作られた頃である。漢字から非常に読み書きしやすい文字になり,なおかつこれより100年ほど前に紙の作り方が日本に伝えられたため,紙に文字を書いて表現するという行為が平安貴族のなかでも特に女性に広がったとされる。清少納言の『枕草子』や紫式部の『源氏物語』など