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読書日記㉘うちの父が運転をやめません/垣谷美雨

こんにちは。
先日植えた大葉の芽がまだ出ません。
毎日2回水やりして、日光もしっかり当たるところに置いているのに。種を深く埋めすぎたのだろうか・・・。種余ってるし、もう一回埋め直そうかな。

うちの父が運転をやめません/角川書店/垣谷美雨

都会で息子と共働きの妻と暮らす雅志。高齢者ドライバーの運転事故を見るたびに、不安が止まらない。遠く離れた田舎の父親は、まだ現役ドライバーなのだ。運転をしないようほのめかしても、父は機嫌を悪くするばかり。実際問題、田舎では車なしでは生活していけない。息子とともに田舎に帰ると、息子は田舎を気に入っているようだ。そして、田舎の父に快適に暮らしてもらうため、試行錯誤するがー。

またまた垣谷先生の本です。時世をとらえ、目を逸らしたい現実問題を突きつけてくるこのタイトル。垣谷先生は、タイトルのつけ方が天才的に上手いと思います。

最近は免許返納する人増えましたね。しかし、特に地方では車は必需品。そして徒歩や公共交通機関を使うのは、車よりもずっと体力がいります。そう考えると、車を手放すのは簡単な問題ではないです。80代の私の祖母も、一昨年免許を返納しました。今は母と叔母が交代で買い出し等をしていますが、日帰りできる距離に住んでいるからできること。私も両親と離れて暮らしているから、いつかは自分にも降ってくる問題だよなぁ。

ネタバレの為詳細控えますが、この本の解決策を取れる人は中々いないと思います。だけれども、自分も納得した形で、両親や家族が幸せに暮らせる解決策を模索する姿は良かったです。また、車がないことで辛いのは”自由に家の外に出られないこと”なんですね。他人と話すことなく夫婦二人きりで過ごすのは、息が詰まってくる。車を運転しなくなっても、助手席に乗せるだけでも喜んでもらえた姿は印象的でした。

そして、メインでは扱われないけど、主人公の息子、息吹(いぶき)の変化していく様子も魅力的でした。高校生の息吹は勉強にも無気力で、家では覇気もなく暗い。でも田舎で祖父母と暮らすことで、彼はいきいきしだします。人にはそれぞれ合う・合わない場所がある。親が良いと思うことと、子どもが良いと思うことって違うんだな。この視点はこれからも覚えておきたい。

先日の読書日記㉖で紹介した「向田理髪店/奥田英朗」に続き、田舎をテーマにした作品でした。

今は都会暮らしだけど、田舎から上京してきた人、また帰省しようかなという気持ちになると思うのでお勧めです。


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