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夢中

少し前に仔猫を育てていた話をnoteに書いたが、今日は先住猫の話をする。
先住猫は2021年秋に譲渡していただいた保護猫(雄)・当時3歳。猫には好意的な優しい性格だけど、繊細で撫で撫でなどの人間との触れ合いは苦手だった。最初こそ積極的なアプローチを試みたが、それが彼のストレスになっているようだったので、以後は無理に触れ合おうとせずマイペースに暮らしてもらうことにした。

家猫っぽくはないけれど、一緒に暮らしている静かな同居人という感じで、同じ空間を共にしていた猫。慣れてくると、寝る前に寝室に来てわたしの就寝確認をしたり、同じ寝室の窓辺で寝てくれたり…リビングで作業していると「おやつください」の澄まし顔でテーブルの下から現れたり、革製のおもちゃやちょっと高い爪研ぎにハマるというブルジョワな一面を見せたりと、彼ならではの個性や素敵な顔も見せるようになっていった。

そんな猫が先日5/10に5歳になった。無事年を重ねられたことはもちろん嬉しかったのだけど、実はその後の2日間でとても嬉しい変化を目の当たりにすることができたのだ。
5/11の夜、「おやつください」顔で現れた猫を、わたしは孫の手でガシガシ撫でていた。手で直接撫でられるのは苦手だけど、孫の手で撫でるのはギリギリOKだという発見をしたのは去年だったろうか。それから時折孫の手を使って彼を撫でているのだけど、その日はとても気持ちよさそうにしていたので、頭だけでなく背中や胸、顎の下などあらゆる場所を撫でていた。

すると、「ゴロゴロゴロ…」と喉を鳴らす小さな音が聞こえてくるではないか……。

それは、彼がうちに来て初めて発する「ゴロゴロ」だった。いつかゴロゴロを聞けたらいいな、くらいにしか思っていなかったので、これはあまりに嬉しい驚き。ほどなくしてその音はなくなったけれど、誕生日の翌日、猫が少しだけ心を開いてくれたという嬉しい出来事だった。

さらにその翌日の5/12夜、その日もガシガシと猫を孫の手で撫でる。もちろん、またゴロゴロが聞けたらいいな…という期待を込めて。
この日も猫は気持ちよさそうに孫の手からの刺激を受けていた。その可愛らしい丸い頭に緊張はなく、わたしはさり気なさを装って、孫の手の代わりに自分の手を伸ばした。

そして見事、猫の丸い頭を、直で、撫で撫でできたのだ……!

普段の猫は、頭を撫でようとすると避けるし、撫でられたとしても驚いて逃げてしまう。それが、嫌がりもせずわたしの撫で撫でを享受していた。昨日のゴロゴロに続いて、こんなに嬉しい出来事が起きるなんて、奇跡に近かった。
そのあと猫が、ヤメテクレという素振りを見せたので、再び孫の手にチェンジ。それからもう一度、直撫でにも成功したけれど「今日はここまでだよ」と指を甘噛みされたので、その日の孫の手チャレンジは終わった。

彼を撫でられるようになるのはもっと先だと思っていただけに(むしろ、撫で撫でが苦手なら触らなくても仕方ないかなとも思っていた)、2日連続でこのような嬉しい変化に立ち会えて心底感激した。
そうしてわたしは、この猫にますます夢中になってしまうのだった。

うちに来ですぐの頃の猫
最近の一枚

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