【恋愛小説】ミッドナイトジュエリー-star-[後編]
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溢れる涙に光が乱反射する。
その先に居る貴方の表情が見えない。きっと申し訳なさそうに私を見つめているのだろう。
現に彼の手がそっと私の肩を包みこんでくれた。その優しく乗せられた手は、その優しさ故に貴方の方へ引き寄せられることは無いということが分かってしまって逆に辛かった。
「泣かないで。ね?」
そう言って私の涙を服の袖で拭ってくれる。貴方にしては少し荒っぽいその触れ方すら愛おしく感じられた。
貴方との距離が縮まり、控えめに香る香水の香