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#ライフスタイル
極秘スパイスはレシピにはないものだった【モロッコ風串焼き肉】(レシピエッセイ)
じつに2ヶ月ぶりに友人のカルメンがご主人と経営する豚肉専門店に立ち寄った。
開店時間直後で、店内ではマスクにフェイスシールドを着用し、さらに肘まである手袋にキャップをした彼女が忙しそうにショーケースの中をディスプレイしていた。
正直に言うと、自粛中の客足が影響し、商品が回転しなくて大変なのではないかと心配だった。けれども、店は商品の品揃えも鮮度も以前の状態をちゃんと維持していた。
ホッとする
秋だ!そうだ、ブドウ収穫祭に行こう!
『ブドウ、踏みに来る?』
9月最後の週末、ブドウの収穫祭のお誘いを受けた。2週間程前にバレンシア南部や首都マドリード周辺では大きな雨の被害が出たので、カステジョンで小さなワイナリーを営むビセンテに「ワイナリーは大丈夫だった?」とメッセージを送ったら、戻ってきたのが収穫祭のお誘いだった。
もちろん即答でオッケーした。ワインの醸造工場はいくつも見ているけれど、実際に自分で踏むのは初めてで、キノコ採
あなたとまた手を繋ぐ
久しぶりの外食。子どもたちが成人してからというもの、夫婦二人だけでの食事が多くなってきた。
「いつものでええか」
『イカの鉄板焼き』これが夫の“いつもの”。スペインバルでは比較的どこにでもあって、調理が簡単だからこそ素材の良さやシェフの腕前がよく分かる一品。この料理にお店のオリジナル料理やら本日のお薦め品が追加されていく。
「久しぶりやね、二人で来るのん」
「やっと二人で来れるようになった
いつも小瓶をポケットに入れて
25年も前の話になる。人口8000人のバレンシアの片田舎で、私の外国人嫁としての苦難は予告なしにスタートした。
標準の日本語しか知らない外国人が、いきなり東北弁や沖縄弁でしか存在しない世界に飛び込んだ時を想像してほしい。大学や語学スクールで勉強したのは文法中心の標準スペイン語のみ。公的機関での標準語としてのスペイン語はもちろん存在しても、村での共通語はあくまでもバレンシアの地方言語。
パ
切る。焼く。食べる。秋の味覚を丸ごと楽しむバレンシアの風物詩【焼きカボチャ】
夏が去り、広葉樹の葉が緑から黄色へと移り変わり、美しい色遊びを楽しませてくれる季節。
この時期になると決まって、小さなガレージの扉を潜り抜ける。お世辞にも清潔感があるとは言えない薄暗いガレージの奥から、ロリおばさんの「ハーイ!ちょっと待って!」という声と、左後足の短い老犬チワワの甲高い吼え声が一緒になって私を迎えてくれる。
この店ときたら、営業日も定休日も決まっていなくて、昨日、来たらお休みだ