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女たちの遠い夏/カズオ・イシグロ、小野寺健(訳)





初の #カズオイシグロ さん。
著者の処女作である『 #女たちの遠い夏 』を拝読📕しました。
翻訳は #小野寺健 さん。






戦後の日本を生きた女たちを描いたお話。
『戦後の恐ろしさというより、戦争や原爆のあとで、人びとがどうやって立ち直ろうとしたのか、どんな希望を抱き、そしてどんな幻滅を味わったのか』を書きたかったという。
(著者のインタビュー記事を引用した解説を抜粋)


翻訳の仕方もあるのかもしれないですが、良くも悪くも古典文学のような文章という印象でした。
始終、抽象的で著者のメッセージを読み取ることがなかなか難しかったです💧



主人公は、関わってきた人たちと自身を重ね、反省しつつも自分をなぐさめているように思えました。
自分本位な生き方なのか、自分本意な生き方なのかという葛藤、自分が信じていた生き方を大きく覆された時のやるせない想い。
過去を回想し、他人事のように描かれていますが、実際は自分事として回想していたようにも感じます。



戦後の雑多とした世の中で、自分勝手な思い込みでしかないにしろ、{自分の生き方は間違っていない}と自身に言い聞かせながら生きていくしかなかったのかと思うと、読者である私にも苦しみが伝わってくるようでした。



カズオ・イシグロさんは、一作拝読しただけでは作風が自分と合うか合わないかなんとも判断し難い。
次は、最新作の 『 #クララとお日様 』を拝読してみたいと思います。




※本書は、手直しをして新たに #早川書房 より『 #遠い山並みの光 』と改題され再出版されています。








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