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西の魔女が死んだ/梨木香歩





本と写真オプチャ4月の課題本1冊目、
梨木香歩さんの小説「西の魔女が死んだ」を拝読しました📖´-
(2022,4,12 読了)







母棚に文庫本と作品集の単行本が揃っていたので、どちらも拝読してみることにしました。
作品集は併録作のみ。
作品集は25年の時を経て刊行されたものです。




本作は映画化もされ、ロングベストセラーとなっているので拝読された方も多いと思いますが、私は映画だけ視聴していて原作は今回が初読でした。
と言っても映画もとても素敵だったし、梨木香歩さんの作品なので拝読する前から良い作品だと言う確信はあったのですが、いざ拝読してみると予想以上でした。




大人の階段を昇り始めた主人公の少女は日々に生きづらさを感じていました。
そんな少女を心配した両親は、自然に囲まれた祖母のお家に少女を預けることにします。
そして、少女が自分らしく生きていくための術を身に付けるべく、祖母に教わりながら魔女修行をしていくというお話です。
魔女とは、人々が先祖から語り伝えられてきた身体を癒す草木に対する知識、荒々しい自然と共存する知恵、予想される困難をかわしたり、耐え抜く力などの知識にとりわけ詳しい人たちのことです。




祖母の言葉と、生活の知恵が素晴らしいんです。
決して否定はせず、でも過ちはしっかり正してくれて温かい言葉で包み込んでくれて。
大人の私にも身に染みる言葉がばかり。
そして、自然と上手に共存している生活スタイルも素敵。シンプルで無駄や無理することがなくて。
本作を拝読していると、いかに自分の周りが無駄や無理していることだらけなのがわかります。


いちばん大事なことは自分で見ようとしたり、聞こうとする意志の力ですよ。
自分でみようともしないのに何かが見えたり、聞こうとするのはとても危険ですし、不快なことですし、一流の魔女にあるまじきことです。





文庫本、作品集それぞれに表題作に関連する短編が併録されています。
そちらも素敵な作品ばかりなのと、文庫本の早川司寿乃さんの解説、単行本の著者あとがきは秀逸なので、できることならどちらも目を通されることをおすすめします。



30年近く経っても色褪せることのない本作は、これから先も折に触れて再読することでしょう。
現代にもこんなに素晴らしい作品があることを私は誇りに思います。



















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