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鼻ムズムズな季節は、鼻うがいでスッキリしましょう

こんにちは

この時期は花粉症に悩む方が多いと思います

そのうえ、感染症予防ということで
うがい・手洗いを習慣化していることに加え、
鼻うがいも実践している方も多いと思います

鼻をかむだけではスッキリしない時に鼻うがいは有効です

今回は以前もお話しした鼻うがいについて説明いたします


鼻のはたらき

鼻の役割は、においを嗅ぐという働きのほかに、
温度や湿度を適度に調整し
吸い込んだ空気に含まれる異物を取り除く
働きをしています


・鼻粘膜

鼻粘膜には、線毛という細く短い毛が
びっしりと生えています

線毛の上に粘液が充満しており
鼻の入り口を通過した
空気中の小さなホコリ、チリ、細菌などは
粘液に付着し、ベルトコンベヤーのように
奥に運び、喉へと送り出されます

・副鼻腔

顔の骨には4つに空洞が存在しています

この副鼻腔の内壁も、
鼻粘膜と同じ種類の粘膜でおおわれています

副鼻腔の粘膜にも線毛が生えていて、
副鼻腔に入ったゴミを
その上の粘液層でとられて外に出しています


手洗い・うがい・鼻うがいのススメ

普通のうがいでは
十分に雑菌やウイルスなどの異物をを洗い流せないため
感染予防としてはあまり効果的ではありません

また、アレルギー性鼻炎などで
鼻をかんでもスッキリしない場合、
鼻の奥にある上咽頭を洗浄できる
鼻うがいをしてみましょう

鼻や喉の粘膜に付着したウイルスや細菌などの
異物が毎日洗い流され
感染症からのリスクを予防できますし、

鼻うがいをおこなうことで
ホコリや花粉やウイルスなどの異物を体外に流し出し、
鼻腔の環境を整える効果が期待できます

鼻うがいについては賛否両論があるようですが
正しい方法でおこなえば、とても効果的です


鼻うがいの効果について


・鼻の不快感の解消

鼻をかんでも出にくい粘り気のある鼻水も
スッキリさせることができます

・ホコリやウイルスなどを洗い流す

鼻をかむと、鼻水と一緒にホコリやウイルスなどの異物を
取り除くことができますが、
全てを取り除くことは出来ません

鼻うがいを実践することで
普通に鼻をかんだだけでは排出できない
ホコリやウイルスなどの異物を洗い流せます

風邪やインフルエンザなどの感染症の原因になる
ウイルスが付着する鼻粘膜を洗うことは、
感染症対策として日々の健康維持に大変有効です


・花粉症の症状を和らげる

花粉症で悩まされている方は、
かなり多くいらっしゃると思います

花粉症の症状は、鼻の粘膜に
花粉が付着することで起こるアレルギー反応です

鼻毛や鼻粘膜にアレルギー物質が付着した
鼻腔を丸洗いすることで、
くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を
緩和することができます


・副鼻腔炎の改善に役立つ

副鼻腔炎(蓄膿症)とは、
細菌感染やアレルギー反応などにより
鼻と副鼻腔を繋いでいる自然口という通路が
粘膜の腫瘍により閉じられ、
鼻の周りにある副鼻腔という空洞に膿がたまる病気です

感染した鼻粘膜を洗い流し
清潔な状態を保つことは、鼻の機能維持に重要です

副鼻腔炎で鼻が詰まっている方の症状改善に役立ちます

ただし、副鼻腔炎の方が鼻うがいをする場合は、
正しい方法で行わないと
かえって症状を悪化させてしまう場合もありますので
かかりつけ医に相談してから
実践するようにした方が良いでしょう


鼻うがいは痛くない

"鼻うがいは痛そうで怖い…"
私も実践するまではそう思っていましたが
一度やってみると、その不安は払拭できます

鼻に水が入った時、ツンと痛くなるのは
水と鼻水の浸透圧が違うから
、なのだそうです

水道水をそのまま鼻に注入すると、
鼻の粘膜が傷ついてしまいます

ちなみに、鼻水では痛くならないですよね?

鼻の洗浄液を鼻水と同じような塩分濃度にすれば
まったく痛くないのです


人の体液に近づければ痛くない

人間の体液は塩分濃度0.9%、
鼻水も涙も塩分濃度0.9%です

これと同じにすれば良いので、とても簡単です

生理食塩水は、人の体液とほぼ等張に
調製された塩化ナトリウムの水溶液で
日本薬局方・処方箋医薬品では、
塩化ナトリウムを0.9 w/v%含有する食塩水を
生理食塩液と定義しています

この生理食塩水は市販されていますが、
簡単に作ることもできます
100ccの水に0.9gの塩を入れるだけです
ちょっとなめてみるとかすかに塩っぱいかな?
という感じがする程度です
これを洗浄液として使うのです
また、人間の体温と同じくらいか、
少し温かい36~38℃程にしたぬるま湯
が良いです


鼻うがいのやり方

水は水道水ではなく
精製水やミネラルウォーター、
一度沸騰させてカルキを抜き
冷ました状態のもの
を使ってください

真水は痛みを生じるため、使用しないようにしましょう

また作り置きなどをせず
その都度調整して作る
ようにしてください

鼻うがいでは重曹を加えた方が
線毛の働きが落ちないとされているそうなので
少し重曹を入れても良いでしょう

【水と食塩の配分例】
水 1リットル→食塩9g、重曹0.5g
水 100cc→食塩0.9g、重曹0.05g

500mlのペットボトルで洗浄液を作る場合は、
ペットボトルをきれいに洗い
食塩4.5g(小さじ1杯)と
水を容器の9割位(約500mL)まで入れ
ふたをして、塩が溶けるまでよく振ります

ちなみに私は生理食塩水に、ハッカ油を一滴垂らし
爽快感をUPさせています

ご自分で生理食塩水を使って実践する方法もありますが
鼻うがいは意外とやり方が難しいので、
最初は上手くできないかもしれません

現在は専用の器具や専用の洗浄液も
販売されておりますので、
これらを利用すると上手くいきますし
キットを使う方が安全でお手軽なので続けやすいでしょう


『あー』とか『えー』と声を出しながら
洗浄液を鼻に入れると
水を注入した反対の鼻から水が出てきます


1回の鼻うがいでは2~3度繰り返し、
ヌルヌルした感じがなくなるまで行います

慣れてきたら、片方の鼻から水を出す他に
喉から出すこともできるようになり
喉の異物も洗い流せるようになります

後述しますが、鼻うがいに慣れてくると
スッキリして気持ちがいいのですが、
1日2・3回程度にしましょう
(1回は200ml程度で十分です)


やりすぎに注意しましょう

鼻の中の汚れを落とすために
1日に何度も鼻うがいをすると
鼻水中のムチンなどの
大切な保湿成分まで洗い流してしまったり
鼻の粘膜を傷つけてしまい
逆効果となってしまう場合があります

多くても1日に3回ぐらいまでにしておきましょう

また、鼻やのどに急性炎症がある場合は、
鼻うがいによってかえって悪化する可能性もあります

その場合は耳鼻科専門医を受診して、
急性の炎症に対する治療を
優先したほうがよいでしょう


鼻うがいは入り口近くをすすぐ程度でも大丈夫

鼻は微粒子を濾し取る機能に優れており、
鼻の中だけでほとんどの花粉を濾していると
言われているそうです

口呼吸では、この機能がありませんから
汚れた空気をそのまま肺に送り込んでしまうのです

鼻は自動洗浄機能まで持っているそうですが
黄砂、PM2.5やマイクロプラスチックなどの
微粒子も飛び交う現状では、
鼻に負担をかけ過ぎないよう、
小さなゴミやチリを定期的に洗い流すことも大切です

PM2.5くらい小さな粒子になってしまうと
鼻で全てを漉す取ることが
出来なくなってしまうためです
鼻は、鼻の穴の近くが一番汚れます
空気の出入り口である外気に一番近いためです

このあたりだけ鼻うがいして、
奥まで洗浄液を入れなくてもよい場合もあります
鼻の入り口をすすぐ程度でも充分だと
主張する医師もいるそうです

鼻うがいが怖かったり、抵抗があれば
入り口を洗うだけでもOKです

鼻うがいをしちゃダメな人

鼻うがいの禁忌疾患は、

* 急性中耳炎
* 浸出性中耳炎
* 声帯麻痺
* 誤嚥を起こしやすい人
* 膿性鼻汁の多い人

などです
これらの方で、どうしても鼻うがいをしたい場合
鼻の入り口だけ洗うようにした方がいいそうです

かかりつけ医師に相談したら
”やっちゃダメ”と言われてしまった場合、
先述したとおり、鼻の入り口付近だけを洗い流し
強く洗浄液を鼻の中へ注入しなければ
まずは心配ないそうです


注意点

間違った方法で鼻うがいをすると
痛みを生じたり、
中耳炎になったりする危険があります

1.水道水を使ってはいけない

鼻うがいは0.9%の食塩水または
専用の洗浄液を使いましょう
真水を使うと痛みが生じてしまいます


2.顔を上に向けてはいけない

あごを上げた状態で鼻うがいをすると
耳に洗浄液が流れこみ、
中耳炎が起こる原因になります
前かがみの状態で、
顔はあまり上に向けないようにしましょう

3.鼻で水を吸い込んでいるときに、つばを飲み込まない

水を吸い込んでいる時に
つばや洗浄液を飲み込もうとすると
耳に洗浄液が入る恐れがあります

4.両鼻から吸い込むのはNG

両鼻から同時に吸い込むとむせてしまいますので
面倒でも必ず片鼻ずつ行いましょう


5.鼻うがいの後、鼻を強くかみすぎない

これは鼻うがいでもっとも注意すべきポイントです
鼻を洗い終わったら、
前かがみのまま頭を左右に傾けるなどして、
食塩水をすべて出すようにし、
その後軽く鼻をかむのはかまいませんが
鼻うがいをした直後に鼻を強くかむと、
洗浄液が耳に入り中耳炎になってしまう恐れがあります


6.鼻づまりがひどいとき、のどに痛みがあるとき、鼻水がのどに流れてしまうときはしない

鼻に炎症があって鼻づまりがひどいときや、
のどに炎症があるときは
鼻うがいは行わないようにしたほうが良いそうです

また鼻水がのどに流れる後鼻漏のときも、
食塩水が残りやすくなりますから
行わないほうが良さそうです


7.鼻血が出た日は鼻うがいはしない

傷口が開き、また鼻血が出てしまう可能性があるため
鼻血が出た日は鼻うがいを控えましょう


8.子どもは専用の器具を購入するか、耳鼻咽喉科でしてもらう

鼻うがいを間違った方法で行うと、
中耳炎など別の病気を招く恐れがあります
子どもは上記の方法では行わないほうがよいでしょう
どうしても鼻うがいを行いたいときは、
子どもでもできる市販の器具を購入するか
耳鼻咽喉科で鼻洗浄をしてもらいましょう


まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます
今回は、また鼻うがいについてのお話をさせていただきました

鼻うがいが習慣化すると、
歯磨きと一緒で『しなきゃ気持ち悪い』
状態になっています

長くなってしまいましたので、簡単にまとめると

【鼻うがいのメリット】
・洗浄することで鼻腔内を清潔に保つことができる
・鼻粘膜を良い状態にすることで
 免疫機能を保持・向上させる
・結果、鼻づまり・鼻閉・後鼻漏
(鼻がのどの流れ込む)などを軽減できる

【鼻うがいのデメリット】
・温度・濃度が適切でないと、
 かえって炎症を起こしてしまう
・圧力が強すぎると中耳炎を起こすことがある
・洗浄後にキチンと鼻をかまないと
 耳・鼻・副鼻腔の炎症を起こすことがある
・鼻をキチンとかめない人には無理

上記の注意点をしっかり守り、
喉のうがい手洗いに加えて日頃のケアに鼻うがいを
取り入れていただけたら幸いです

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