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2022年2月の記事一覧

伊東ゆう著「万引き 犯人像からみえる社会の陰」/万引きの実態

伊東ゆう著「万引き 犯人像からみえる社会の陰」/万引きの実態

以前、生まれて初めて万引き現場を目撃してしまった事を書きました。

小学生の女の子が、
私の目の前で栄養ドリンクを取ってポケットに入れたのです。
あの時私は、咄嗟に固まってしまい声も出ず、でも気になって追いかけ…
その結果、犯人の保護者らしき人が現れその人が商品を購入した所まで見ました(ーー;)
あの時本当はどうするのが正解だったのだろう?ということが知りたくなり、
この本を読んでみたという訳です

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フランクル著「夜と霧」/それでも人生にYESと言おう

フランクル著「夜と霧」/それでも人生にYESと言おう

フランクルは、1905年 ウィーンに生まれ、アドラーやフロイトの影響を受けて精神ロゴセラピー(実存分析)を提唱し92歳で天寿を全うした心理学者である。(なんと、16才の時フロイトと文通した逸話があるそうです)

1933年1月、
ヒトラーが政権与党となりユダヤ人を迫害する事で世界を統一しようとした。その流れで第二次世界大戦が勃発。(大雑把ですが)

やがてある事件をきっかけにホロコースト(ユダヤ人

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村上春樹著「風の歌を聴け」/Blowin’ in the Windが聴こえる

村上春樹著「風の歌を聴け」/Blowin’ in the Windが聴こえる

たぶん再読なはずなんですが、
内容を全く覚えていませんでした。
村上春樹のデビュー作だそうです。
160ページ程度の中編。

各章ごとが数字で区切られており、
長さがまちまち。数行で終わってしまう章もあり、
何をもってここで区切るのか?と、少々イラつきながら読み始め、「国境の南」ほどにはなかなか入り込めないまま中盤まで読み進めました。

しかし、次第に村上ワールドが
体にじわじわと染み込んでくる。

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村上春樹著「国境の南、太陽の西」/嘘のない心象風景

村上春樹著「国境の南、太陽の西」/嘘のない心象風景

先日、BSプレミアムで、
村上春樹さんの「ノルウェイの森」出版に至った経緯を辿ったドキュメンタリー番組「世界のハルキはこうして生まれた」を観ました。
私は普段、基本的には番組表を見る事はないので、たまたま、です

「ノルウェイの森」は、
「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」に続く初の恋愛小説。
当時出版に関わった大手出版社の担当編集者さんや、ハルキさんの学生時代の同級生、映画版を制作されたト

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藤原和博著「父親になるということ」/自分の呪縛を解く事で子も親も癒されていく

藤原和博著「父親になるということ」/自分の呪縛を解く事で子も親も癒されていく

藤原和博さんは、
東大〜リクルートを経て
中学、高校の校長先生になられた、
少し変わった経歴のお方です。

ご長男の玄さんが4歳の時に渡英。
玄さんが保育所や学校になかなか馴染めなかった事や、
同時期に次のお子さんが生まれ
奥様の体調もなかなか回復しないという中、仕事のストレスも重なって激動の数年を過ごされた。
その数年の間玄さんとの触れ合いを通じて得た学びの記録です。

それまで日本で
ごく普通

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