見出し画像

個人事業主のデメリット

女性がひとりで起業する場合、個人事業主か?法人か?のテーマについて3回目となる今回は、個人事業主のデメリットについてお話します。

1.社会的な信用度が低い

個人事業は法人のように登記を必要とせず、簡単にすぐに事業を開始できる反面、信用という面では法人に低い点は、デメリットのひとつです。

大規模なプロジェクトの場合、個人とは契約できない場合があるのは、この信用の問題が大きく関わっています。

信用度が問題になってくるかどうかは、仕事の内容や、対象とするプロジェクトの規模、クライアントのタイプによりますので、事業の内容によっては注意した方がいいでしょう。

2.融資を受けにくい

個人事業は法人に比べて金融機関からの融資を受けにくいとされます。

法人は個人と別人格で会計も別であるのに対し、個人事業主の場合は一体なので、事業資金と個人の生活費の境目があいまいになりがちです。その分、運転資金の融資の審査は厳しくなる傾向にあります。

個人事業主を対象とした融資の制度もあります。代表的なのは、日本政府金融公庫です。事業を始めたばかりの際は、創業計画書が必要となりますが、その書き方についても、日本政府金融公庫のサイトでは、親切に解説しています。

・日本政府金融公庫

また、地方公共団体等が個人事業主や中小企業向けに、融資について相談できる窓口を開設している場合もあります。ご自身の住む地域、法人であれば登記している地域で相談することができます。

・東京都渋谷区 中小企業事業資金融資あっせん制度

この他にも、東京都には起業する方向けの支援を行っている「TOKYO創業ステーション」があります。起業プランが、まだ明確にはなっておらず、迷っている段階でも相談に乗ってもらえる他、資金調達の相談窓口もあります。

・TOKYO創業ステーション

私もフリーランスになったばかりの時に、こちらのプランコンサルティングを利用して、法人化した後の事業計画書を作成しました。

この事業計画書の承認を得ることで、東京都が主催する「創業助成金」に応募することができます。

私も応募しましたが、残念ながら「創業助成金」の対象とはなりませんでした。

・東京都中小企業振興公社 創業助成事業

TOKYO創業ステーションのプランコンサルティングでは、コンサルタントの方がとても親切に対応してくださり、客観的なアドバイスを受けながら事業計画書を完成させることができました。しかも無料で、とてもありがたかったです。

事業計画書を完成させると、融資にも有利になりますが、私のようなコンサルティング事業を行っている場合、そもそも融資の対象にならないと、TOKYO創業ステーションで、アドバイスがありました。

投資が必要なことが、客観的に認められる事業でないと、融資は受けられないということです。

製品の製造や店舗の開店など、資金を調達することを前提とし、そこに合理性のある事業もあります。

このような事業を始める場合は、法人化し、事業計画を立てて進めた方が、融資を受けられる可能性が高くなる点に、留意することが必要です。

3.人材採用が難しい

人材採用については、信用の面からも個人事業主は、法人と比較して、不利になります。

法人の場合は、厚生年金や健康保険といった社会保険への加入が義務となっており、その半額が法人の負担となります。採用されるスタッフの立場からすると、社会保険が完備されていることに越したことはありません。

社員を雇用する予定がある事業においては、法人の方が採用はしやすいと言えます。

一方、個人事業主の場合、スタッフとして雇用するよりも、フリーランスの人同志が、業務委託で仕事を依頼するケースがあります。

この場合は、社会保険の問題はありませんので、有機的な人的ネットワークの中で仕事を分担して、進めていくのも、ひとつの方法です。

ずっとひとりできる仕事なのか、組織を広げて行く場合、どのようにしてゆきたいのかを想定して、決めてゆく必要があります。

4.利益が大きいと税負担が重い

所得税の税率は、累進課税ですので、所得が上がるほど、税率が高くなる方式です。個人事業主の所得は、売上から経費を引いた利益に該当する部分です。

所得(利益)が増えると税額は法人よりも多くなる場合が多いです。所得税は累進課税で、所得金額が増えるごとに税率は上がります。

・国税庁 所得税率

また、売上が増えると、個人事業税の対象となってきます。最大290万円の事業主控除が認められています。税率は業種により異なります。

・東京都主税局 個人事業税

法人税の場合は、個人の所得税率に比べると、利益の金額による税率の区分が二段階となり、個人の所得税率ほど細かく設定されていません。

・国税庁 法人税率

個人事業主で、大きな利益が出るようになった場合、法人化した方が税制面で有利な場合があります。

以上が、私自身がフリーランスとして独立し、個人事業主になり、その後法人成りした際に調べて感じた、個人事業主のデメリットとなります。

利益の金額を含めた事業規模と、事業内容の計画により、個人事業主のメリット・デメリットは異なります。

みなさまの、事業に合った選択をするのがいいと思います。

次回は、法人のメリットについてお話します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?