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言葉に宿ったリーダーの価値観!その言葉遣いが知らないうちに部下の心を遠ざけているかも・・・

「言葉には、その人の価値観が表れる」

それを実感することが、多々あります。
「言霊」って本当にあるな、と。

だから、言葉選びはすごく大切。

私達コーチは、クライアントと一対一で密接に、かつ長時間にわたり話すことも多い!

その影響ははかりしれません。

私がコーチ向けのセミナーや講座で話すとき、とりわけ意識しているのは主語。

「私は」ではなく、「私達は」と言うようにしています。

「私は」という言葉で自分と相手とを区別してしまうと、「教える側」と「教えられる側」という関係性を作ってしまう。

でも、私達は本来、そういう関係性ではなく、コーチとして同じ方向を見ている、「同志」なはず。

そうありたいという願いを、言葉に込めてお伝えしています。

もちろん言葉の影響を受けるのは、コーチやクライアントだけではありません。

ビジネスの現場でリーダーシップを発揮する経営者・マネジャー達の放つ言葉も大きな影響力を持っています。

AさんとBさんの言葉選びの違い

言葉選びについて考えていると、必ず思い出す2つのやりとりがあります。

1つ目は、今も継続してくださっているクライアントAさんとのちょっとした会話のなかでのこと。

「僕と一緒に仕事をしてくれた人がね・・・」

Aさんが何気なく口にされたこの言葉に大きな感動を受けました。

だって、「僕と一緒に仕事をしてくれた人」って、誰のことだと思います?
Aさんの部下のことなんです。

Aさんが部下をいかに大切に思っているか、すごくよく伝わってきますよね。

「Aさん、その表現、素晴らしいですよ! 私が上司から言われたら嬉しいし、その上司のために頑張ろうって思います!」

と、感動とともにフィードバックした私。

でも、ご本人は、その素晴らしさにまったく気づいていませんでした。
それほどまでにAさんにとってはこの表現は普通のことで、部下へのリスペクトの気持ちが溢れていたのです。

2つ目は、Aさんとは真逆の例。

普段から、部下について話すとき、否定的で上から目線な表現の多いクライアントBさん。

私も話を聞いていてちょっと苦しくなることがありました。
口癖は、「◯◯”させる”」。

Bさんからしてみたら、事実を述べているだけなのかもしれない。
けれど、部下が聞いていたら、どう感じると思いますか?

私なら、苦しい。しょんぼりしてしまうと思います。
このことについて、私は率直にフィードバックしました。

「Bさん、『誰々に◯◯させる』って表現、この30分で5回くらい使ってますよ」
「『誰々が◯◯できない』っていう否定的な表現が多いですよね」

このフィードバックのあと、長い沈黙が流れました。

Bさんもやはり、気づいていなかったのです。
ご自分が相手を傷つけるシャープな言葉選びをしていることに。

それ以来、Bさんから「◯◯させる」という言葉を聞いたことはありません。

相手のできていないことをどう伝えればいいか、よく考えて話されるようになりました。

フィードバックは、コーチの大切な役目

AさんやBさんのように、言葉選びに価値観が滲み出ていることに気づかない人は多い

だからこそ、鏡のようにフィードバックするのが、コーチの大切な役目の一つなのではないでしょうか。

かくいう私も、以前こんなフィードバックを受けたことがあります。

「中井さん、『◯◯してあげる』って表現が多いですよね」

私のセミナーを聞いていたコーチからの指摘。

正直、ハッとしました。
AさんやBさんと同じで、指摘されるまで全然気づいていなかったから。

相手の方のために・・・という思いで使っていた「◯◯してあげる」という表現。

けれど、それが上から目線のようなニュアンスで伝わっていたなんて・・・。

気づかせてもらって、本当によかった・・・。

私の例のように、言葉の伝わり方が意図するものと違ってしまう場合もある。

受け取り方は人それぞれなので、自分の意図が100%伝わる表現なんてないのかもしれない。
けれど、一人でも多くの人に伝わってほしい。

本当に伝えたいことを、相手に伝えるためのチューニングをするのが、コーチや、そしてビジネスの現場でのリーダーの役割なのではないでしょうか。

\ 最後まで読んでいただき、ありがとうございます!/


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