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25歳の私へ

きょうの創作です。
語学留学中の自分に話しかけています。

こんにちは。お久しぶりです。
バンクーバーでの暮らしはどうですか?
お気に入りのカフェが見つかったのは、良かったですね。

新卒で入った某大手小売業を、あなたは一年半で辞めました。あまり賢くない大学出身の同僚が、自分よりずっと仕事ができることに、あなたは耐えられませんでした。2mの脚立に登って壁面のディスプレイを変える作業も、あなたには過酷すぎました。よく転げ落ちなかったものです。

あなたは不器用でどんくさい自分を変えたくて、海外へ行くことにしました。新しい環境が、自分を変えてくれるだろうと期待しました。

語学学校に入ったあなたは、まじめに勉強し、一番上のクラスに在籍するまでになりました。そこでは日本人はあなただけです。めっちゃすごいです。あなたは下のクラスの日本人の子たちを、完全に見下しています。あなたは自分のことを尊敬してくれる、優しい韓国人の子たちとよく遊んでいます。

あなたはいわゆる「白人」や、南米から来た子たちと写真を撮るのが好きですね。自分まで明るくオシャレになったみたいで、気分が良いからですね。でもあなたの内面は、あまり変わっていません。自分の性格や外見を他の子と比較して、相変わらず落ち込んでばかりです。

一番上のクラスまで行ったのに、まだ自分に自信がないのはどうしてでしょうね?理想が高すぎるのかもしれません。あるいは自分を好きになるための条件が、多すぎるのかもしれません。

実は私は今日「全部諦めて、そのままの自分を受け入れろ」というお説教をするつもりでした。ですがここまで喋ってみて、私にはそんなことを言う資格はないと気づきました。意見することであなたを楽にしてあげたいと思っていましたが、傲慢でした。

無条件で自分を愛するのって、難しいですね。特にあなたのように、自分の弱さを ”絶対的に悪い” と信じてずっと生きている場合、清く正しく美しいものを追いかけるのは当然のことです。

あなたはその時々でベストを尽くしています。それでいいです。何の許可やねんって話ですね。すみません。あなたの暗くてネガティブなところも私は大好き、っていうことと、迷いながらも生き続けてくれてありがとうっていう、お話でした。

それでは残りの留学生活、楽しんで下さい。

ごきげんよう!

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