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あざのあと

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それが間違っていようとも……彼女はどんどん『痛み』という愛にのめり込んでいく。
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あざのあと(完)

あざのあと(完)

バンザーイ。バンザーイ。
最初の1歩とーんだ!

私の体が重力に従って落ちていく。
落ちていく。
遺書は書かなかった。宛てる人が居なかったから。
靴は穿いてきた。お気に入りの靴なの。

地面と当たって相まって、肉片となってしまえばあざのあとなんて、どうでもいい存在になってしまうから。

だから、平気。私はもう平気。

欲しいものなんてなかった。(本当は欲しいものだらけだった。)

なりたいものなん

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あざのあと

あざのあと

ああ。そこ。そこがいい。
気持ちいい。

もっと奥。そう。そこ。

そこをもっと強く、激しく。
もっと。もっと。
壊してしまうぐらい。

強く。強く。強く。

殴って。

金守 景子。

それが私の名前。
中学生時代、みんなからはけいちゃんと呼ばれていた。
小、中と友達は多い方だった。

誰にも特定の1人とされないように、親友と思われないようにしてきた。

距離が近

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あざのあと

あざのあと

何も流れてないイヤホン越しに、テレビで流れているニュースが聞こえてくる。

テレビに背を向け、ベランダの方をぼーっと眺めた。

おばさんから与えられた私の部屋。
狭いベランダには、おばさんの趣味だっただろう花が美しさを失って横たわっている。

ベット1つ、小さな折りたたみテーブル1つ、テレビ1つ。
隅の方に、本棚にも入れられない可哀想な教科書やノートの山。

なんとも無機質の部屋であるが、そんな空

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あざのあと

あざのあと

したい。したい。したい。

痛い。痛い。痛い。

気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。

痛い。痛い。痛い。

おかしい。おかしい。おかしい?

しばらくして、夏のうだるような暑さから開放され、木枯らしがふく季節になった。

少し薄着だと肌寒い。けど、それが妙に心地よくて、このまま風邪でもひいてしまおうかとそんなことを考えてたところに、笑顔がよく似合う1人の少女が。

『そんな格好で寒くないの?』

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あざのあと

あざのあと

2度目の生理の時の生理痛はとてつもなく辛いものだった。
痛みで授業には集中できず、額に脂汗がにじみ、背中は冷や汗で制服のシャツがぐっしょりと濡れて重かった。

机に突っ伏してじっと痛みに耐えていると、親友が声をかけてくれた。

金守 景子(かなもり けいこ)
通称:けいちゃん

光が指すとキラキラと光る肩までのボブに、細身の体型。
笑うと目が細くなってそれがまた可愛らしい。
部活には入っていなかっ

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あざのあと

昔から誰にも愛されずに育ってきた彼女は初めてできた彼氏に暴力を受けたことがきっかけで新しい愛の形を見つける。

それが間違っていようとも……彼女はどんどん『痛み』という愛にのめり込んでいく。

青春の闇を描くストーリー。

⚠︎性的描写や暴力的な表現が含まれます。苦手な方はご遠慮ください。
#小説 #病み #痛み #女子高生 #青春 #恋愛