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保育園、退園の危機!オンライン留学はフルタイム就学の認定外だった【乗り越え方】

アラフォー夫が仕事を辞め、イギリスの大学にオンライン留学して早3ヶ月。卒業予定まで2年半、家計は妻の私が担う。ゴールは、無事卒業を果たし、その道の専門分野で仕事を得ること!そこに至るまでは、山あり谷ありが想像される。今日は一つ目の壁について。

そう、東京23区住まいの私たちの最初の関門は、保育園だった!
それは前職の退職日(2022/1/25)と、最初の授業が始まる(2022/2/7)までの2週間の間に訪れた。まだ入学もしていないのに、既に問題発生、早過ぎる。

「通学」と「オンライン」で線引き

私たち夫婦は共働きだったため、息子は0歳から保育園に通っている。両親ともにフルタイム勤務のため、保育時間が長い標準時間認定だ。標準時間認定だと、例えば8–18時と、勤務時間と前後の通勤時間を合わせた計10時間前後、保育園を頼ることができる。他のパターンとして短時間認定があり、これは9–17時など計7、8時間が通常。会社員で時短勤務の方や、アルバイト・パートの方などが利用されている。

保育園は、親の職業形態や勤務時間に合わせて、預けられる時間や保育料が各家庭個別に定められている。転職や雇用形態の変更があれば、その都度、市区町村に届けなけれなばらない。ちなみに私たちの居住は豊島区だ。自治体によって細部は異なるが、大枠の制度設計は似通っているだろう。

私たちの目論見としては、夫は会社を辞めるわけだし、学業一本で1日8時間以上めいっぱい時間を使うので、「フルタイム勤務の妻+フルタイム就学の夫=標準時間認定が引き継がれる」と踏んでいた。夫は事前に区役所に問い合わせて、提出書類のラインナップの確認を済ませていた(入学許可証、時間割)。その際、意図して「オンライン」とは明示していなかった。リアルな通学とオンライン通学で役所的に線引きがあるなんて、発想がわかなかった。

「フルタイム就労×2人」の場合、「20×2人=40」が世帯の指数。「フルタイム勤務×1人+フルタイム就学×1人」の指数の減少幅をいかに抑えるか、が既存の保育園を退園しないで済むか、生命線。「就学」は「就労」時間を準用して−1点とあるため、単純に「39」に抑えられるのでは、と踏んでいた(出典:豊島区の「保育園入園・転園・延長保育のしおり」令和4年版)

今回、夫の職業が「会社員」から「学生」に切り替わったので、その申請に区の保育課に出向いたら、「オンライン通学はフルタイムの学生として認められません」とあっさり言われてしまったのだ。嘘でしょ・・。

理由は、こうだ。

  • 通学型の大学であれば授業時間が固定されるためフルタイムとして認定可能(例えば、月曜日の9時〜A教室で1限、など)

  • オンラインの場合、特定の時間や場所に拘束されないためフルタイムとして認定できない(自宅にいるんでしょ?勉強はいつでもいいんでしょ?というニュアンス)

標準時間認定のため区役所が提示した条件

これに私はびっくり。え、これからどうすんのよ?と。
続いてこう申し渡された。

  • 就学では「保育の必要性」を認められない。

  • 就業で「保育の必要性」の認定を取得するほか道はない。そのため、最低就労基準を満たす仕事に就くこと

  • 就労基準の最低レンジ(月16日未満、72時間未満)だと、獲得指数は「9」。ただ就学時間のエビデンスを提出することでフルタイム勤務と同等扱いとする

  • それまでは「求職者」扱いになるため、翌月から9−17時の短時間保育に変更(え、来週から?!)

  • 3ヶ月間で仕事が決まらなければ、退園(申請時で1月末のため、2022年4月いっぱい)

<最低就労基準の条件(令和4年度基準)>
①月12日以上
②月48時間以上
③月収47,000円以上
上記条件を一つでも満たせないと、就労のために保育が必要とは認められず「求職活動」扱いになります。

豊島区の保育園入園・転園・延長保育のしおり(令和4年)

もう衝撃だ。突っ込みたいことが色々あり過ぎるが、覆らない。区の職員さんも懇切丁寧に対応してくれたらしい(夫曰く)。世界中がコロナ禍に巻き込まれ始めたのが2020年3、4月頃だった。リモートワークにオンライン学習、ライブ配信などなど、至る所でオンライン化が普及したのが2021年〜だった。学びのオンライン化がものすごい勢いで一般化したが、行政サービスの認可対象としては実績に乏しく、今は過渡期なのだろう、と思わざるを得ない。

「保育が必要な理由」を伝える材料、全部

そこで私たちは、区が規定する標準時間認定の定義に合致するように、作戦を練った。やったことはこれだ。

  • 大学が推奨する自学自習時間のエビデンスの提出
    (入学許可証の原本と和訳版、カリキュラムの英語原本と和訳版)

  • 区の最低就労基準に沿ったアルバイト探し

  • 月〜金曜までの時間割の提出(毎日6時間学習に当て、週3日各4時間就業)

日本の大学は「受験が山場。入ったら遊べる」が、欧米の大学は「入ってからが大変(勉強量が)」というのは有名な話。夫が選んだ大学も、授業以外に「推奨自習時間」を設けており、その旨を伝えるべく区役所に提出した資料
大学配布の原本。これを元に夫が手ずから作成した。PDFをWordに変換するソフト等を使い、元のデザインフォーマットを生かしながら、翻訳。和訳する際も、一語一語悩み抜いて言語化していた。見比べるとなかなかのクオリティ

結果的には、アルバイトが4月に決まり、退園リミットのギリギリで標準時間認定が受理された。5月〜無事、保育時間が8−18時に戻り、事無きを得ることが出来た。書けば一言だが、この3ヶ月は超スリリングだった。退園になれば、毎日子供が家にいる。夫が看ることになるだろうし、勉強どころではない。在宅勤務の私も、度々呼び出されて落ち着いて仕事どころではないだろう。

バイト探し侮るなかれ 苦戦も苦戦、大苦戦

え、4月?と思われた方いらっしゃるだろう。バイト探しは想像以上に難航した。求人はあるのに、とことん決まらない。区の条件を最低限クリアする勤務形態を希望すると、雇用主側からすると扱いにくいのか、端から断られる日々だった。予定外に、月を跨ぎ、もう後がない、というところで、やっと一件掴み取った。3、4月は仕事内容を選り好みする余裕はほぼなかった。

応募数は15件ほどで、書類選考を突破するのも難しく、面接に行けたのはやっと5件。それでも通過せず、一から探し直し。意外と少ない…?なぜなら、区の条件を最低限満たす条件に合致する案件がなかなかないのだ。そりゃそうだ、そんな細切れの働き方されるより、長時間、頻繁にシフト入ってくれる方が良い。

大学入ったのにバイトも並走…これどうなの?

もう一つエクスキューズすると、夫はタイプ的に選ばなかったが、保育園や介護の求人は結構あったそうなので、これを対象にできればすっと決まった可能性はある。最終月は、退園になるシナリオを頭にチラつかせながら過ごした。

そんな訳で、保育園の退園を免れ、標準時間認定を勝ち取ったが、本来の主旨を忘れてはならない。夫にはしっかり勉強して欲しいのに、保育園を標準時間で預けるために、週3日×4時間+通勤4時間=週16時間をアルバイトに割いている。これは本来どうなのか。モヤモヤは残る。

保育園の定員に余裕のある市区町村に越せば、オンライン留学でも保育園に標準時間で預けられ、フルタイムで勉強にコミットする環境を作れるだろうか?宿題が私たちに残された。


夫が大学生になった経緯はこちらからお読みいただけます。


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