マガジンのカバー画像

小説っぽいやつ

5
小説っぽいやつです。
運営しているクリエイター

#私のコレクション

1人には少し広い部屋で、いつの間にか落ち切ってしまった僕。

1人には少し広い部屋で、いつの間にか落ち切ってしまった僕。

コンタクトを変えるタイミングが分からなくなってしまった。
2weekのコンタクトを使っている人の中で、マメに使った日を記録している人は少ないんじゃないかと僕は思う。僕もその1人で、でも前まではなんとなく今日は3日目くらいだな、と感覚でわかったので、「2週間くらい」も分かっていたのに。

なんだかよく分からなくなっていた。

よく分からなくなっていたどころか、もう1ヶ月くらい同じものを使っている気が

もっとみる
僕は雨の日だけ、彼女に会うことができた。

僕は雨の日だけ、彼女に会うことができた。

僕は代々木で総武線に乗り換えて職場に向かっていた。
いつも通り、365日のうちの240日くらいは同じルートをなぞっていた。

いつもと変わらない通勤ルート、満員電車、加齢臭、汗臭さ、数少ない座席の椅子取りゲーム。

違ったのは、今日が雨の日だと言うことだけだった。

雨の日なんて、むしろ不快で最悪。いつもの面積が傘を持っているだけで圧迫されるし、
義務感でセンタープレスをかけてきたスーツも濡れるし

もっとみる
【小説】逃避行

【小説】逃避行

「秋山さんはなんでもできるね。」
「器用だね。」
「頭が良いね。」

そう言われることが多かった。

確かに、某有名私立大学を卒業し、
誰もが知っているような大手商社に新卒で内定して、
客観的な肩書とかステータスみたいなものは、持ち合わせている方なのかもしれない。
そのうえ、誰からも嫌われないように生きているので、
「秋山さんのことを悪く言う人はいない」
とも言われる。

そういう風に生きているん

もっとみる