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『最強姉妹の末っ子』第18話

「ウガアアアアア!!!」
 巨大なオークの魔機が私に向かって棍棒を振り下ろしていた。
 スッと華麗に交わすと、がら空きになった脇腹に一発蹴りをお見舞いした。
「ウグッ?!」
 オークはうめき声を上げたが、まだ大丈夫といった様子で、棍棒を横にして振ってきた。
 私は両手でそれを受け取めたが、相手の力も強いのか、若干後退してしまった。
 が、相手に衝撃を与えるには十分だったらしくて、「ウゴォ?!」と驚いたような声を上げた。
「ちょっと借りるわよ」
 私は無理やり引っ張ってオークから棍棒を奪い取った。
「おっとと……わっとと……」
 だけど、身長よりも大きな棍棒を持った事がなかったので、あまりの重さにあっちこっちとフラフラしてしまった。
 力のポーションみたいなのも貰っておくべきだった。
「ウゴッ! ウゴゴゴッ!」
 オークが嘲るように指を差していたので、私は棍棒は諦めて、普通に腹に一発殴った。
「ウガッブグギュォッ?!」
 会心の一撃だったのか、体をくの字にしたまま暫くはジッと動かなかった。
 やがて、ゆっくりと後ろに倒れていった。
 念のため登って確認してみると、光っていた眼が暗くなったので、事切れたと確信した。
 だが、休んでいる暇はない。
 オークの体をよじ登るようにゴブリンの魔機がワラワラとやってきた。
 私は一体一体蹴落としたり殴ったりしながら周囲の状況を確認した。
 ティーロは銃弾何発身体に仕込んでいるんだいと思うほど乱射し、ティーマスはタワーになったスライムを一匹ずつ剣で斬りつけていった。
 その周辺にあるテーブルや機材は戦闘の被害を直接こうむる事になり、道具は地面に落ちるは、凄い精密に作られてそうな機材が魔機一体の直接ダイブによりグチャグチャになるはで、なんかもう凄まじかった。
 職人達の姿はどこにもいなかった。
 チラッとガラス窓の方を見ると、ロリンとティーナが立っていた。
 その近くにはさっきまで作業をしていた職人達が不安そうな顔でこっちを見ていた。
 ロリンが頭の上で大きな丸を作っていた。
『成功したよ!』と言っているのだろうか。
 私は『先に行ってて』と人差し指を物置きの方に指差して伝えた。
 ロリンは伝わったのか、何度も頭を頷くと、両手で彼らを誘導させた。
 ゾロゾロと移動しているのを確認した頃には、這い上がってくるゴブリンは一匹もいなかった。
「これでようわわわっ?!」
 しかし、ワイバーンの上空からの奇襲に気づかなかった。
 奴は奇声を上げながら私の両肩を掴むと、天井スレスレまで運ばれてしまった。
「このっ! このっ! 離しな……いや、今はやめて」
 私は奴に攻撃をしようと試みるが、宙ぶらりんになっているため、どうにもできない。
 それにここから落とされたら、たまったものじゃない。
 しかし、ワイバーンは分かっているのか、パッと離した。
「うひゃああああああ!!!」
 たちまち絶叫する私。
 ふと落下途中でまだポーションのストックがある事を思い出した。
 まだ地面に着地するまで数秒ぐらいあるから、その前に口の中に入れて……と。
 うん、動いたからか、チョコがちょっと溶けている。
 なんて事を思っているうちに、地面に激突した。
 間一髪、全く痛くなかった。
「ふぅ、危ない、危ない……」
 ゆっくりと立ち上がって、ワイバーンを見た。
 私がまだピンピンしている事に驚いているのか、「アギャーー?!」と変な声を上げていた。
 私は近くに落ちている機材の破片をぶん投げた。
 しかし、遠すぎて命中しなかった。
「じゃあ、これならどう?」
 私はもう一度破片を持つと、今度は全力で走ってみた。
「うりゃっ!」
 助走を付けて投げたおかげか、翼にあたった。
 翼から火花が出て、バランスを崩し、ヒュルヒュルと落ちていった。
 私は地面に落ちる前に蹴った。
 ポーンと飛んでいき、壁に激突した。
 今度はワイバーンが2、3匹私に向かっていったが、ティーロの銃弾により撃沈した。
 スライムがピョンピョン飛び跳ねながら襲ってきたので、一匹一匹殴りつけた。
 ふとムーニーがいない事に気づいた。
 あいつ、いつの間に姿を消したんだ。
 私が奴を探していると、うめき声が聞こえた。
 バッとその方を見ると、黒い騎士がティーマスの腕を刺していた。
 彼は剣を落として、苦しそうな顔をしていた。
「野郎!」
 ティーロが発砲するが、黒い騎士はすぐさま剣士の腕から剣を抜いて、銃弾を弾いた。
 その弾は近くにいたゴブリンの顔に当たり、バタンと倒れた。
 目に見えないほど早いのにそれを弾き返すなんて……相当の剣の使い手と見た。
「アーハハハハハッ!!!」
 背後から憎たらしい笑い声が聞こえたかと思えば、頭からつま先まで痺れてしまった。
「アビビビビビ!!!」
 私は変な声を上げてしまい、地面に倒れたまま動けなくなってしまった。
 ズシンズシンと地響きが聞こえ、振動が身体の半分から伝わっていく。
 どうにか視線だけでもアイツの姿を捉えようとするが、鋭い爪をした巨大な足しか見えなかった。
 けど、それが何か分かった。
「行け、ドラゴンちゃん! 他の奴らも蹴散らせぇええええ!!!!」
 ムーニーがそう叫ぶと、ボォオオと熱風がしたかと思えば、ヒュォオオと冷気が鋼鉄の肌でも感じた。
 その直後に二人の悲鳴が上がった。
「アハハハ!! アーハーーー!!! ザーコ、ザーーコ、ザーコどもーーー!! お前らみたいなバカヘナチョコが、天才の私が作った可愛い魔機達に勝てる訳ないでしょ!」
 ムーニーはこれでもかと言うほど私達を馬鹿にしながらわらっていた。
 クソッ、一発お見舞いしたけど、身体が痺れて動けない。
「ムーニー様、こいつらをどうしますか?」
 黒騎士がそう聞くと、ムーニーは「そうね。地下の牢獄に閉じ込めておいて。他のみんなはロリンお姉ちゃんと王女を探して!」と命じた。
 私は屈強な牛頭の魔機に肩に担がれて運ばれていった。
 私のお尻が牛頭の近くにあるのが物凄く嫌だ。
 屈辱的な思いを抱きながら顔を上げると、三ツ頭みつがしらの胴体が目に入った。
 クソッ、きっとその上に乗っているムーニーは腹を抱えて笑っているだろうな。
 事実その通り、頭の上から「アハハハハ! アーハー! アハ、アハハハ、アハッハッハ……はぁ、はは、あぁ、ぐるじぃ……」と呼吸する暇もないほど抱腹絶倒していた。
 クソッ、そのまま窒息死すればいいのに。

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どうも……うっく、ひっく……みかさん……うっ……ジュビダンですぅ……。

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本当だったら半年ぐらい休みたかったのですが、仕事はしっかりやらないといけないのです……グスン。

もう、あの……勝手に応援とか、コメントとかしてください。

感想も勝手につぶやいてください。

あぁ、マジだりぃ。

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彼が芸能界を引退するって事はただの一般人になるってことだよね?

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