和泉歌夜(いずみ かや)
今朝の月は特に眩しかった まるで太陽みたいに光り輝き 僕ら地上に降り注いだ しかし、それが月ではなく 巨大な隕石だと知った瞬間 僕らは絶望した ↓今回参加した企画はこちら
次の方、どうぞーー！！ はい、本日はどうされましたか？ うんうん……最近耳の聞こえが悪いと。 ちょっと診てみますね……あー、耳の中が赤いですね。 はい……ほら、横断幕も赤く染まっています。 少し取り出しますね……痛いですけど我慢してくださーい！ はい、出てきました……さてさて、何が書かれて……あー、やっぱりそうですか。 『中耳炎』って書いてありますね。 はい、横断幕にそう書かれているんですから間違いないでしょう。 では、耳垢だけ取り除きますね……はい、オー
さぁ、本日の対戦は……おや？ どうしたのでしょうか。 何かトラブル……なに？！ ボールが盗まれた？！ 犯人は監督ですか……違う。チームのエースの田中なんですか？ かと思いきや、審判の山田さん……と見せかけて、ビールの売り子？ でもなくて……あぁっ！ 誰が犯人か分からないじゃないか！ フフフ、ハハハハ、アーーーハッハッハッ！ 皆さん、まんまと騙されたな！ 球場の球を盗んだ真の真の真の真のしーーーーんの黒幕は……アナウンスの私だーーーー！！！ 「クックックッ……
私はわかっていた。 女の第六感は鋭いとよく聞くけど……まさか身を持って実感するなんて思ってもみなかった。 私がこうして生きていられるのも第六感のおかげ。 キッカケはスプーンを落としたのが始まりだった。 朝のルーティンであるコーヒーを飲もうとして、いつも通りに砂糖を入れて混ぜようとしたら、手から滑り落ちてしまったのだ。 普通の人だったら「ついてないなー」とか言って新しいのと交換するかもしれない。 けど、私は違った。 今日は何か嫌な予感がすると思ったのだ。 いつ
俺の名前は山崎エンドウ。ジャキザキ高校のサッカー部に所属している。 今日はライバル校のメチャマキ高校との対戦だ。 地元の子供達と手を繋いで入場し、子供はえっと……親御さんの元へキチンと返してから試合を開始した。 「はじめーーー！！」 レフリーの笛の合図で、真ん中に置かれたボールはレフリーが蹴っ飛ばした。 ポーンと天まで飛んでいき、まず最初に受け取ったのは……俺だ。 「ヘディングシューーーート！！！」 俺はそう叫んで飛翔し、地上へと落ちていくボールに向かって頭突きし
花火と手鏡 鏡に映る花火は幻想的 私を見ないで花火ばかり そんなあなたに首ったけ 首だけ……。 昨夜、30代男性がマンションの屋上で頭部を損傷した状態で発見されました。 男の情報はポケットにあった身分証明書で判明したそうです。 なお、頭部は現在も捜索中です。 これで、頭部無し死体事件は五件目となりました。 いずれも花火大会が行われた日に起きています。 対象は20代後半から30代前半の独身が対象です。 皆さん、大会にご参加される方はくれぐれもご注意ください。 ↓今回参加した
※1を見ていない方はこちらから ↓本編 あ、そのままでいいよ。 うん、お前だけがお楽しみのところ申し訳ないけど。 え？ どこから入ってきたかって？ まぁ、一階の書斎の窓から石で叩き割って入ってきたんだよ。 さてと……まぁ、そんな話はどうでもいいじゃないか。 問題は今、お前が何をしているかって事だ。 しつけ？ ふーん、そうかい。 君の奥さんと子供をアザだらけになるまで殴るのがしつけかい……へぇ、そうかい。 ふんふん……よく分かったよ。 あー、うるさい。
うちの愛犬はとても優秀だ。 「マロ、板に付いている釘を外して！」 「アウ！」 私が命じると、黒いモフモフのケモノは釘がたくさん付いた板を歯でガジガジと外していった。 大丈夫なのと不安に思うかもしれない。 他の犬だったら絶対に駄目だが、うちの子は違う。 歯がバールみたいになっていて、それをテコの原理でやると釘が外れるのだ。 私が日曜大工が趣味なので、よく間違えたりしたらマロに頼んでいる。 特にマロがご飯やおやつを食べさせた後にやらせるようにしている。 そしたら歯
みんなはゾンビと戦う時、何を使う？ 近距離で有利なナイフ？ それとも連射できるアサルトライフル？ あるいはショットガン、リボルバー、ロケットランチャー……取り上げたらきりがないね。 僕はこれチクワだ。 見た目は完全にチクワだ。 そして、マヨネーズと醤油と七味で合わせたソースを付けて食べたら……うん、美味しい。 でも、こいつはただの食糧になるだけじゃない。 ここに一体のゾンビがいる。 もちろん噛まれたら感染する本物だ。 チクワを奴の頭めがけて……一振り！
夏の雲――入道雲が見える。 ソフトクリームみたい。 だからなんだって話。 これを結婚式のスピーチで行った所、お通夜みたいに静まりかえってしまった。 親戚親族から白い目で見られながら会場を出て、コンビニに寄ってソフトクリームを食べた。 バニラ頼んだのに塩バニラの味がした。 ↓今回参加した企画はこちら
ある日男が歩いていると、赤い封筒が落ちていた。 何だろうと思って拾った瞬間、背後から視線を感じた。 振り返ると、誰もいない。 気味が悪いなと思った男は近くの店に寄る事にした。 買い物をして出ようとしたら、入り口前に誰かが立っていた。 髪の長い女性だったが、誰も彼女に気づいていなかった。 男はあの女性が幽霊で、自分が出てくるのを待ち伏せていると直感した。 男はここで籠城をする事を決めた。 店内に『蛍の光』が流れていた。 女性はまだ立っていた。 店員に早く
カオルちゃんがママになったって クラス一の不良で いつも先生に怒鳴り散らかしていた あの子が二児のママ どうなるか 分かんないね 人生何が起こるか 分かんないね 不良ガールが結婚して 子供ができるなんて 誰が想像つくのかな タカシくんが出世したって クラス一の地味少年 休み時間 うつ伏せになって寝ていた その子が社長さん どうなるか 分かんないね 人生何が起こるか 分かんないね 根暗ボーイが 今や世界一の企業 誰が想像つくのかな ヤマダくんが死んだって クラス一のイケ
村の山の奥にある建物には人を人形にさせてしまう怪物が住んでいる……という噂がある。 その真相を確かめるため村の若い男達が山を登っていくと、確かに建物があった。 が、綺麗だった。 きっと誰かが住んでいるだろうと思った若者達はその建物の住人に挨拶する事にした。 出てきたのはまさかの女性だった。 安心した若者達は女性と親しくなり、家に上がり込み、和気藹々と食事をした。 ある男がトイレを借りようとして廊下に出ると、二階へと続く階段を見つけた。 好奇心に負けて上ってみる
風鈴と鈴が結婚しました。 同じ家の屋根の下で。 縁側の前に吊るされていました。 ある時、風鈴がかき氷に恋をしました。 かき氷もまた彼のきらびやかなガラスのボディに魅了されていました。 鈴はもちろんお見通しでした。 早速風鈴に詰め寄ります。 「浮気しているよね？」 「してねぇよ！」 「嘘おっしゃい！ ちゃんと証拠もあるんですから！」 「はぁ？ お前、いつから探偵になったんだよ！」 「ほらっ！ かき氷と冷蔵庫に入るあなたの写真よ！」 「こいつ……」 「この浮気者！ 離婚よ！ 離婚
こんばんは、皆さん。 さて、あなた方は何故ここにいるのか、お分かりですか？ おや？ 自覚がない？ 離せと訴えても……ちゃんと然るべき事が終われば解放してあげますよ。 早速ですが、左側のあなたから……そうです。 今までの事を振り返って、何か後ろめたい事をした経験はございますか？ 無いですか……変ですね。 この動画をご覧ください。 あなた、ペットを殴ったでしょ？ ほう、これは躾……ですか。 一体いつの時代の話をしているんですか？ まぁ、それはいいとして……
オヒヒンヒンヒヒン――それは太平洋のド真ん中にある島で秘密裏に行われているスポーツである。 会場はビーチ。今日はこの島で一番オヒヒンヒンヒヒンが上手いとされている男と、一番長く遊んでいる老人との一騎打ちだった。 かつてない頂上戦に島民達は熱狂した。 ほぼ全ての島民達が集まっていた。 最強と最長がビーチの上で横並びに立った。 「最強の称号は俺だ」 「馬鹿を言うな青二才。一番経験が豊富なワシこそが優勝に相応しいのよ」 お互い火花を散らしながら煽っていた。 「それでは…
