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【コミックエッセイ】カルマティックあげるよ(時系列まとめ)

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くだらない話・不思議な話・ホラーな話を集めたコミックエッセイ。みょうちきりんな話が多いのでたぶん閲覧注意!
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2017年7月の記事一覧

練乳は何に使われたのか?(カルマティックあげるよ ♯156)

練乳は何に使われたのか?(カルマティックあげるよ ♯156)

卒業式も過ぎると、家電や雑貨が大学に集まる。
引っ越し前、家庭の不用品を後輩などに譲渡するために、皆が持ち寄るのだ。
粗大ゴミみたいなものもあれば、お宝もあった。
この日も新たに実習室の黒板前の机に紙袋が並んでいた。
なんだろう?と中身を覗くと、調味料や雑貨がぎっしりと紙袋に詰まっていた。
とそれらを眺めていると、キナコが後ろから話しかけてきた。

「私、引っ越し決まったんだよ!だからもう使わな

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歯医者の異常な愛情 その1(カルマティックあげるよ ♯8)

歯医者の異常な愛情 その1(カルマティックあげるよ ♯8)

社会で生きていると、数えきれないほど多くの人々との出会いがある。

親友になる人との出会い、恋人となる人との出会い、仕事上での重要なお客との出会い、自分の子供との出会い、孫との出会い。
人生という道は素敵な出会いで溢れている。
しかし、中には自分が望まない、恐ろしい思いをする出会いだって時にはある。

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それは北京オリンピック開催を数年後に控えたある年

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歯医者の異常な愛情 その2
(カルマティックあげるよ ♯9)

歯医者の異常な愛情 その2 (カルマティックあげるよ ♯9)

かかりつけの歯医者さんとお茶の約束をした私。

約束当日、のどかな日曜の昼下がり、バイクをふかせて待ち合わせ場所の店へと辿り着く。
昭和の時代からありそうな、古く懐かしい雰囲気が漂う洋食屋である。
今まで前を通ったことは幾度となくあるが、中に入ったことはない。
店の開拓も含めてお茶会が楽しみだ。

待ち合わせ時間の14時になった。
店の前でぼんやり待っていると、道の向こうから中年の男性が歩いて近づ

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霊界ラジオ(カルマティックあげるよ ♯129)

霊界ラジオ(カルマティックあげるよ ♯129)

ボソボソッ、ボソボソッ…。
人の喋り声が聞こえる。
喋り声とわかっても内容は聞き取れないほどのボリューム。

今日は珍しく隣が騒がしい。
いや、小声だから騒がしいわけではないか。
このはっきりしない篭った話声。
いずいというか、なんというか。
でも、気にも止めるまでもないかもしれない。
隣の部屋がヤンキーの溜まり場となって、毎日騒音に悩まされたあの日々を思い出せばたかがしれていたし、おそらく一過性

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ささやかなポルターガイスト(カルマティックあげるよ ♯131)

ささやかなポルターガイスト(カルマティックあげるよ ♯131)

ちょっと蒸し暑い深夜のこと。
数日後に控える行事で配布するための冊子作成の作業を同僚たちと遂行していた。

それにしても日をまたぐことになるとはなー。
と机の上で保管用の書類の原本を手に揃えているときだった。
焦点があいまいな左目ギリギリ視界に黒い動くものあり。

まさかゴキブリか?

と思って息をのみながら咄嗟に目を向ける。

スススー…

なんと机の上で書類などをまとめる黒いダブルクリップが右

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