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DAY 5|菫色の実験室vol.7

《MAUVE STREET|モーヴ街》とは、霧とリボンが運営するオンライン上のストリート。各noteを美術ギャラリーや図書館、アトリエや百貨店などの建物に見立て、多彩な文化発信と作品の展示販売を行うアート・プロジェクトです。現在建物は全部で10棟。あちこち寄り道しながら、モーヴ街のお散歩をお楽しみください。

Text|霧とリボン

 5日間に渡りお届けしてきたモーヴ街開通2周年記念イベント《菫色の実験室vol.7〜菫色×都市》。本日最終日を迎え、無事閉幕致しました。
 空模様も変わり続けた初夏のひととき、モーヴ街のオンライン散歩をお楽しみ下さいました皆様に深く御礼申し上げます。

 パンデミックの混乱の渦中、オンラインに活路を見出してスタートしたモーヴ街もお陰様で二周年を迎えました。2020年4月の企画展からオンライン開催に切り替え今日まで、開催してきた企画展は【14】イベント&フェアは【7】——
 配信した記事数を数えたところ、なんと【542本】
 菫色のストリートを夢中で駆け抜けてきた記録には、そのひとつひとつにアーティスト達の密度高い時空間が流れ、散歩者の足跡が刻まれています。

 皆様に支えられ、活動を継続してきて改めて思ったのは、「いつからでも、どんなかたちでも、新しくはじめられる」ということ。
 二年前、悲観する状況から抜け出し、希望を形に変えてゆくことを支えてくれたのは、「好きなことをとことんやり尽くしたい」というオタク魂。どんな状況でも「好きなことを止められない」のがオタクの身上です。
 パンデミック禍では「不要不急」と言われようとも、文学、アート、モードを愛することはどうしたって止められない。安心安全な形で、大好きな世界を伝えられないだろうか——

 そうして、ふと、毎年六月に必ず再読する書物——ヴァージニア・ウルフの短編「ボンド街のダロウェイ夫人」と長編『ダロウェイ夫人』——をいつもよりも早い花冷えの頃に紐解いたことがきっかけで、ここ「モーヴ街」の構想が生まれました(モーヴ街誕生の経緯は当時の以下の記事に綴っています)。

 アイデアの源泉、閃きの泉の底には「好き」が粟粒となって煌めいています。あっちの「好き」とこっちの「好き」が絶妙なタイミングで出会い、アイデアが生まれる、そんな不思議がしばしば起こります。
 なぜあの時ふとウルフの書物を手に取ったのか——あの時手に取っていなかったらきっと、モーヴ街のアイデアは思いつかなかったかもしれません。活動の最初期からオマージュを捧げ、ずっと読み続けてきた文学、ウルフの一冊が完璧なタイミングで私を新しい道へといざなってくれました。

Paper Bar〜ダロウェイ夫人風味(霧とリボン)

 モーヴ街はアーティスト達の「好き」で構成されたストリート。
 お散歩して見つけた「好き」が、いつかどこかのタイミングで皆様の中で瞬き、新しい一歩を踏み出すきっかけとなりますように。

 モーヴ街から皆様へ——
 「いつからでも、どんなかたちでも、新しくはじめられる」

 それでは、最終日DAY 5の記録をお届け致します。
 一日の最後に配信される本まとめ記事をご覧になれば、その日の配信情報を全てチェックできる仕組みになっています。ぜひご活用くださいませ。

菫色の実験室vol.7〜菫色×都市
★ DAY 5 ★



6番地
—— ブライオニー荘 ——

香りの印象を言葉で綴る「ムエットエッセイスト」としてのご才能を華やかに開花させるヨネヤマヤヤコ様。菫色都市に選んだ香りはゲラン「イマジン」。語られる香りの馥郁、幼い頃の記憶、ロンドンへの憧れ——「香水もひと吹きで別世界に連れて行ってくれる装置」というヨネヤマ様ならではの、香水の豊かな詩情を伝えてくれる一篇。


4番地
—— レミーのアトリエ ——

おしゃれが大好きなレミーちゃんのアトリエからは、親友のくまのぬいぐるみ・クィンクの大いなる冒険活劇が届きました。タイムマシンでベル・エポックのパリへ! スマートになってお澄まししたクィンクが一目惚れした相手とは? ハラハラドキドキの展開に、遠く離れた現代のモーヴ街から、声援を送りたいと思います。


8番地
—— ヴィヴィアンズ百貨店 ——

質感やニュアンスの異なる多彩な上質素材を使い分けて、可憐な中にベル・エポックの洗練を注いだBelle des Poupee様のヘッドドレス。菫色やスミレ花が咲き乱れるヴィヴィアンズ百貨店の一角から、裳裾を揺らす往時の女性たちの気配が漂ってきます。布花舞う作品から詩を咲かせた維月 楓さまのエッセイと共にひとときお過ごし下さい。


10番地
—— ロマラン ——

「小さなお話屋〜ロマラン」のグランドオープンを記念し、マダム・ロマランの素敵を目一杯詰め込んだ「絵本とポプリのセット」を発表。軽妙洒脱な筆致で温かな物語を綴るフランスガム様の絵本、絵本にちなんだステーショナリー類、そしてDu Vert au Violetが調香した絵本に登場するポプリが封入された特別なセットです。10番地への扉はいつでも開かれています。


 初夏のモーヴ街のお散歩、お楽しみ頂けましたでしょうか。咲き乱れた菫色の幻想都市から、お気に入りを見つけて頂けましたら嬉しいです。
 この度はありがとうございました。
 皆様、次のモーヴ街イベントにて、またお会いしましょう!


菫色都市の断片《5》

 ミストレス・ノールのアルバムより、これまで訪れた菫色都市の思い出をお届け致します。

雨上がり、菫色の雲が過ぎるホワイトヘブンマンション
「名探偵ポワロ」の舞台です(2019年・ロンドン)
美しいアールデコスタイルの意匠
(2019年・ロンドン)


いよいよあさって5/22〜作品販売スタート!
全作品掲載中です

★作品販売期間★
5月22日(日)23時〜5月24日(火)23時

↓モーヴ街MAPへ飛べます↓

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