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今、いじめられているあなたへ

昨今、いじめを発端とした悲しいニュースが絶えません。

いじめを受けて苦しむ人を、一人でも減らしたい。被害を受けた人が、泣き寝入りせず、加害者にきちんと責任を取らせることができるようにしたい。

これは学校生活のなかでのクラスメイトからのいじめや、家族からのモラルハラスメント、職場でのパワーハラスメント・セクシャルハラスメントなど、さまざまな被害を経験してきた私自身だからこそ、強く願っていることです。

これまでの経験を通して、「いじめ」に対する私なりの考えと、いじめられている人へのメッセージを、この記事にまとめました。

この記事を読んだ方が、一人でも多く自分は悪くないことに気づき、告発する勇気を持ち、また当事者が問題意識をもてるようになることを願っています。

(この記事は、過去記事『モラルハラスメントを受けた私の備忘録』より、いじめ被害を受けている方へ向けたメッセージ部分を抜粋・編集したものです。)



今、いじめられているあなたへ

いじめ・ハラスメントは『絶対に』してはいけないこと

いじめ・ハラスメントは、絶対にしてはいけない。

この「絶対」は、「例外なく、本当に絶対に」という、極めて重い意味です。

どんな理由があろうと、何があろうと、してはならない、許されないことなのです。

そしていじめ・ハラスメントは不法行為であり、犯罪です。人権侵害です。

ですがいじめをする人は、これをいじめだと思っていません。
思い通りに動いてくれない相手に対し、自分を傷つけた奴へ正義の鉄槌を下している、と思っているからです。そういうことをさせられた自分が被害者だ、させるアイツが悪い、と本気で思っているからです。

あいつがさせるようなことをしたから。
される側にも悪かったところがある。
俺に逆らったらどうなるかわからせてやる。

しかしこれらはすべて、いじめ・ハラスメントをする理由にはなりません。なり得ません。

なぜなら、加害したくて理由を作っているのは、加害者だからです。
加害者が理由をつけて加害しなければ、加害は起こらないからです。
加害をするのは、加害者の問題だからです。加害者が加害をしたくてしているからです。

ですが、間違った対処をする人が後を絶ちません。加害者の言葉を鵜吞みにし「お互い様だから」と場を収めようとして、被害者に二次加害する人もいます。

そして被害者は、「私にも悪いところがあったのかもしれない…」と罪悪感に苦しみ、被害を訴えられなかったり、嫌だと言えなかったり、被害を過小評価されて傷ついたりします。

ですが、いじめ・ハラスメントはするほうが100%悪いのです。たとえ理由があろうと、いじめていい理由にはならないからです。


「自分は悪くない」を、心のお守りに

もし、いじめられている、ハラスメントを受けているあなたが、検索してこの記事に辿り着いたのだとしたら、ここに書かれていることを、ぜひ、心のお守りにしてほしいのです。

いじめられているあなたは、絶対に悪くない。
あなたは悪くありません。

すぐにはそう思えないかもしれませんが、そうなのです。
あなたは加害者から、不要な罪悪感を押し付けられているだけなのです。
だから、繰り返しこのページを読んで、心を軽くしてください。
不要な罪悪感を手放してください。
相手の加害は、どんな理由があろうと、相手の問題です。

加害者の悪意を、受け取る必要はありません。それは、あなたのものではないからです。
それらは間違ったメッセージであり、加害者の自己紹介でもあります。受け取らなければ、加害者から受けた悪意や不当な評価は、やがて加害者に返っていきます。

このページを見せて、相手や周りの人に訴えてもいい。
周りの人が、被害を把握したり、理解したりするきっかけにもなります。
あなたがどんなに辛いか、そして加害者がどんなにあなたを追い詰めたり、周囲を巻き込んであなたを孤立させたりしているか。

そして、自分の心、本心と向き合い、自分のしたいことに目を向けてください。
あなたの人生に加害者は必要ありません。
一時的に逃げてもいい。あなたの心身を守り、被害を最小にすることを考えてください。
そのあと、やりたいことをしてください。
周囲は、やりたいことをさせてあげてください。被害者が自分の人生を取り戻そうとしているところだからです。
あなたの人生を生きること、人生を楽しむことが、一番加害者の癪に障る、最大の復讐です。


自分を大切にしてくれない人を大切にしなくていい

「それでも、あの人とは楽しい思い出もある」「優しくしてくれたこともある」「よくしてもらったし…」と思ってしまうこともあるかもしれません。

でも、故意に人を傷つけてくるような人は、決していい人ではありません。
普通の人は、あなたを〝傷つけるため〟の言動を取ったりしないのです。
人の気持ちも考えず、または傷つけるために考えて行動するような人は、そもそもそうすることに抵抗がない、〝そういう人〟、なのです。
良心があればやらないことをやれてしまう人です。そういう人はこの先も同じことをします


あなたが被害を訴えることで、相手はそういうつもりじゃなかった、とか、こんなによくしてやったのに、と言うかもしれません。もう過去のことなのに、とか、こんなことを表沙汰にされては困る、と言われたり、そういう態度を取られたりするかもしれません。

ですが、よく考えてみてください。明るみにされては困るようなことを、実行することを選択したのは加害者自身なのです。そして何度も言うように、加害は加害者の問題で、加害者が原因です。あなたが負い目を感じる必要はありません。

恩も義理も感じる必要はありません。遠慮なく被害を告発してください。遠慮なく縁を切ってください。


加害者へ~あなたは絶対に許されないことをしました~


次に、このページを読んだ、加害者となった人へ。
いじめやハラスメントは、するほうが100%悪いです。

あなたが考えるその『いじめる理由』は、理由にはなりません。
そして、許されません。
謝っても必ず許されることではありません。
あなたのいっときの精神的快楽が、他者に一生の心の傷を残します。
さらに、嫌がるとわかっていてわざと嫌がらせをしたり、被害者を装って本当の被害者を攻撃したりすることは、最も姑息で卑怯な手段です。
たとえ無意識に相手に自分の問題を擦りつけていたのならなおさら悪いです。
自分がいじめをしている自覚はありますか?
無意識に自分の問題を相手に擦り付けていることを自覚していますか?
いいですか、あなたの加害は、あなたの問題です。相手のせいではありません。

そして、いじめはれっきとした犯罪行為です。
いじめとは、行為の総称にすぎません。
暴行、窃盗、横領、器物損壊、脅迫、恐喝、身体的虐待、性的虐待、精神的虐待、名誉棄損…
個別に行為を分けてみれば、すべて刑事的に裁かれる犯罪です。
今はこうした行為を受けたら、学校内からでも警察に通報してよいことになっています。

自分自身は何のストレスもないし、社会的制裁も受けていないからいい、ですか?
でも、お天道様は見ています。貴方の罪に応じて地獄へ堕ちます。

悪い行いをした人はその行いを倶生神(くしょうじん)という神様によって記録され、閻魔大王に包み隠さず報告されます。
つまり、いじめをして反省もしない人は、死後地獄行きであることがすでに確定しているのです。

すこし神道的、仏教的な話をしました。
私はそういうものごとを信じるほうです。


そんなことあるわけない、と笑いますか?

ですが、気づいていないだけで、周りの人はあなたのそんな人となりを見抜いています。気づいた人は、指摘することなくあなたから離れていきます。
平気で人を傷つける人間は、それを悪いことと自覚できないため、人前で無意識にしてしまうからです。
もし自覚できたなら、今すぐやめてください。
そして、一刻も早く、心の底から被害者に謝ってください。
謝ったからと言って、許してもらえるとは思わないでください。
それだけのことをあなたはしたのです。
許されなくても、拒絶されても、それを逆恨みする資格は貴方にはありません。

そして口だけではなく、考え方や態度、行動を全て改めてください。
人間の本質は、何を言ったかではなく、何をしたかです。
今のあなたの評価は、「いじめ加害者、いじめをした人」です。
「実際にいじめをしていたのだから、今後もいじめをするかもしれない人」です。
真摯な反省の姿勢を絶えず見せ続けない限り、その評価は更新されません。

時間が経てば許してもらえる、そんな甘い考え方も今すぐ捨ててください。
した方は一瞬で忘れても、された側はいつまでも、何年、何十年経っても被害を昨日のことのように、生々しく覚えています。また、普段は記憶にふたをして忘れていても、ふとしたきっかけで、冷凍保存していたものが解凍されるように、まざまざと思いだしてしまうのです。

自分が悪いことをしたと自覚できないのなら、いずれあなたの人生の評価が、周囲の人の反応や、因果応報な結果によって表れるでしょう。
あるいは、あの世で閻魔大王様の前に立って、ようやく目が覚めるのかもしれません。
その時に後悔しても、もう遅いと思ってください。

周囲の方へ~被害者を見極め、適切な対応を~


いじめが起こった周囲の人へ。
いじめられた側の口を噤ませないでください。それは〝二次加害〟です。

被害者が被害を訴えることは悪いことではありません。
むしろ、よく言ってくれた、よく勇気を出してがんばったね、とねぎらわなければならない場面です。
何度も何度も言うように、悪いのは加害者です。

ですが、喧嘩両成敗な対処をする人や、いじめた側の言葉を信じる人が、あまりにも多いです。
先に被害者を装うことで、本当の被害者を陥れる人もいます。
このページを見せられたということは、今、目の前で被害を訴えているその人は、加害者に仕立て上げられているのかもしれません。

いじめをする側の言動は、都合のいいことだけを伝えようとするため、簡潔かつ大仰になります。少ない言動で、余計な行間を察するように仕向け、被害者を加害者に仕立てます。

しかし被害者は、事実を伝えようとするため、内容や時系列が複雑になります。すべて伝えようとすると時間が掛かります。これまでの被害がフラッシュバックし、途中で言葉に詰まったり、泣いてしまったりして話し続けられないこともあります。

報復を恐れていたり、打ち明けたくても相手を信用できなかったりして、うまく話せないこともあります。

そのため、いじめをする側の主張のほうが、耳障りがいいことがあります。

それを踏まえて、慎重に訴えを精査してください。根気強く、被害者の言葉に耳を傾けてください。

本当の被害者が誰かは、慎重に、慎重に見極める必要があります。
いじめをする側の主張は、よく聴けば必ずおかしいところがあります。それをきちんと見極めてください。


そして、いじめの存在がわかったら。
いじめられた側に注意やアドバイスするのではなく、必ずいじめた側に責任を取らせてください。
そして、被害者には絶対に味方だと、何があっても守ると約束し、実行してください。


いいですか。被害者は悪くありません。悪いのは、加害者です。加害者が責任を取る必要があります。

いじめをすれば大事(おおごと)になるのだと、加害者に分からせなければなりません。
学生であれば出席停止、親子であれば一定期間の権利のはく奪、社会組織であれば懲戒処分
など、適切な罰則・対応をとってください。

たとえば海外(フランスなど)では、たとえ義務教育中の学生であろうと、いじめがあれば通報され、警察官が駆け付け、授業中でも逮捕されることがあるそうです。いじめとは、本来それほどまでに重大な犯罪行為なのだと、加害者に責任を取らせる側も、肝に銘じておく必要があります。

おわりに

いじめ・ハラスメントについて様々なことを書かせていただきましたが、一番言いたいことは、

加害は、加害者の問題である。

ということです。
これは、いじめられている人が罪悪感をなくし、いじめている人が加害を自覚し、周囲の人が問題を認識するための、最も重要な視点だと思っています。

加害者が理由をつけ、実際に行為に及ばなければ、加害は発生しないからです。

被害者は、加害者からの間違ったメッセージを受け取らない。
加害者は、自身の問題を他者に押し付けない。
周囲は、加害は加害者の問題だときちんと認識する。加害者には相応の罰則をきちんと与える。

これを誰もが意識し、少しでもいじめ・ハラスメントがなくなれば、過去のいち被害者としてこんなに喜ばしいことはありません。



【関連書籍やリンク】

モラルハラスメントについて理解を深める一冊

心がしんどい時にいつも読んでいる本

私の座右の銘の一冊

イラストレーター・松峰(まつみね)の活動

私の絵のメイキングを掲載して頂いた技法書

トークに和みと癒やしを、LINEスタンプ『もふもふ秋田犬スタンプ』



追記

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身に着けたり、飾ったりすることで、「いじめをしない・させない・見逃さない」という意思表示をすることができます。ぜひお役立てください。


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