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シリーズA 6.2億円調達の裏側。PR不在の中、全員で調達リリースを乗り越えた話

こんにちは。Resilire(レジリア)でHRBPを担当している伊弉末(いさまつ)です。
前回、noteを書いてからあっという間に半年が経過してしまいました。そして今月の6月末でResilireに入社してから丸2年となります。組織も徐々に増え、約20名になりました。

そんなResilireは、2024年4月18日にシリーズAで6.2億円の資金調達を発表しました👏

私個人としては、前職含め何度か資金調達を経験しましたが、正社員のPR担当が不在の中、資金調達を迎えるのは初めての経験です。

本記事では、PRの専門性を持った社員がいない中、全員の力を合わせて、調達リリースを乗り越えた話についてまとめています。一連の取り組みを通して、改善点も見えたので、今後のシリーズB以降の調達では、より良い発信ができるようにここに残しておきたいと思います。
また、シリーズAというタイミングは、多くのスタートアップがPR担当不在の中、迎えることになると思います。同じフェーズのスタートアップの方々にとって少しでも参考になれば幸いです。


PJ発足の背景

資金調達が正式に公開されるタイミングが決まったのは約1ヶ月前でしたが、3〜4ヶ月くらい前から資金調達に動いていることや目的、金額感等は代表やファイナンスメンバーから聞いていました。
当時はPR担当もマーケティング担当もいない状況でしたが、注目が集まるこの機会に何もしないのは勿体無いと感じ、PJを発足しました。

ありがたいことに業務委託でPRに知見がある方やVCのPRの方に相談できる環境はあったので、まずは目的の整理を行いました。

調達リリースに向けた整理

PJを発足するにあたり、初めに下記を整理しました。

1️⃣ 資金調達の目的、ニュースバリュー
2️⃣ 現状の採用課題
3️⃣ 誰をターゲットに発信するか
4️⃣ 何を伝えるか

1️⃣ 資金調達の目的、ニュースバリュー

今回の資金調達の目的は、採用です。そのため発信内容は、採用に繋げることにフォーカスしました。

ニュースバリューは、昨今のスタートアップの資金調達額の相場を考えると「6.2億円」という金額自体に大きなニュース性はありませんでした。そのため同タイミングで打ち出せるものを検討し、PJとして動いたコーポレートブランドの刷新と一緒に発信することにしました。

それでもニュースバリューが大きいとはいえないため、一度のリリースで会社名を覚えてもらうことは諦め、何度も目にすることで「最近よく見かけるな、勢いあるな」と認知してもらえるように取り組むことを決めました。発信期間は、調達リリースの前後1ヶ月と捉え、約3ヶ月間でResilireを見かける頻度を圧倒的に増やすことにしました。

2️⃣ 採用課題

Resilireの採用課題は、会社の認知が低いことです。シリーズAの多くの会社が同じ課題感を持っているのではないでしょうか。Resilireの場合、代表や社員の中でSNS発信を得意としている人がいないこともあり、認知獲得は特に苦手分野だと思います。笑

Resilireは、「課題設定も大きく、社会意義があり、マーケットポテンシャルが高いこと」や「優秀なメンバーが多く集まっていること」が魅力ですが、なかなか伝えられていないという課題感も強くありました。

3️⃣ 誰をターゲットにするか

採用を加速させるには、採用候補者となる人に知ってもらうことが一番の近道です。一方で、社員が20名にも満たない会社が自分たちのターゲットとなる採用候補者に直接アプローチすることは難易度が高いと感じていました。
そのため採用候補者はターゲットにしつつも、スタートアップに日頃からアンテナを張っているHRパートナー(人材紹介エージェント)やVCの方々をターゲットに含めることにしました。口コミで「Resilireという勢いのある会社がある」という認知の広がりを作り、最終的により多くの候補者の方へ知ってもらえるようにしようと決めました。

4️⃣ 何を伝えるか

ターゲットが決まったところで、どんな情報があるとResilireが魅力的な会社と感じてもらえるか訴求軸を整理しました。日頃からコミュニケーションを取らせてもらう中で、重視されているポイントを洗い出し、下記に整理することができました。

① 事業ポテンシャル
 マーケットサイズ、事業拡張性、競合の有無
② 事業成長のファクト
 売上実績、組織拡大
③ 組織・カルチャー
 優秀なメンバー、良いカルチャー

これらのほとんどは、Resilire社員の入社理由とも重なり、自分たちが発信したい内容ともズレがないことから、上記を中心に発信を強めることに定めました。

次のSTEPは、具体的にどんな施策を打つのか整理しています。

訴求軸 × ファネル別の具体的な施策

施策は、マーケティングファネルごとに訴求したい内容が網羅されるように意識して考えました。
具体的に取り組んだ施策をファネルと訴求軸で分けると下記のような整理にできそうです。

全ての施策に触れたいところですが、数が多いので、7つに絞って取り上げようと思います。

メディア掲載

調達リリースの公開予定日付近で各メディアに掲載いただけるように公開予定日の約1ヶ月ほど前から業務委託のPRやVCのPRの方とも相談させてもらいました。「どこにアプローチするのか」「誰が担当するのか」を整理し進めていきました。メディアとのリレーションは完全におんぶに抱っこ状態です笑

発信したい内容としては、マーケットサイズや事業拡張性などを通して、①事業ポテンシャルを感じてもらえるような内容を中心に発信しています。

結果として、日本経済新聞社含めた5つのメディアに取り上げていただきました。ニュースバリューが高くない中、取り上げていただけたのは、Resilireの向き合うテーマが社会でも注目度の高いテーマだからだと感じています。

日本経済新聞社

KEPPLE

FASTGROW

週刊BCN「ERA」

日経ビジネス

プレスリリース

今回のプレスリリースは、①事業ポテンシャルと②事業成長のファクトを打ち出したいと考えていました。

調達リリースの公開前後では、タイミングよく出せる導入事例等のリリースがなかったため、過去の導入事例インタビューや導入企業のロゴを掲載し、事業成長のファクトを伝えるようにしています。事業ポテンシャルについては、VCの方から今後の期待についてコメントをいただきました。

コーポレートブランディング刷新については、調達リリースの内容から外しました。元々は一緒に盛り込むことを想定していましたが、あまりに内容が多くなってしまい肝心なことが伝わらない恐れがあったので今回は別で発信しています。

プレスリリースの作成は主に業務委託のPRの方にリードいただき、事業や顧客解像度の高い営業の浦山にレビューをもらいながら、スピーディーに連携して進めることができました。

オフィス移転

4月1日に五反田WeWorkから浜松町WeWorkへオフィス移転しました。前のオフィスは、7月末までの契約だったので、このタイミングでのオフィス移転は考えていなかったですが、「調達リリースが4月中旬に決まったこと」「オフィスの席数が限界を迎えていたこと」「WeWork間での移転は違約金なしで前倒し移転が可能なこと」等の理由から注目されるタイミングで、人員拡大していることが伝わるように急遽前倒してオフィス移転を実行しました。

オフィス移転については、私の方でリードしつつ、総務の方にサポートいただきました。急なスケジュールの前倒しにも柔軟に対応いただけたおかげで無事にトラブルなく終えることができました。


新オフィスの様子
卓球で白熱するエンジニアメンバー

投資家対談記事

現在、Resilireの事業に強くポテンシャルを感じていただいているのは、シリーズAのリード投資家であるDNX Venturesの倉林さんなはずです。
プレスリリースのコメントだけでは、出資いただくまでの経緯や二人の関係性などが伝えきれないため、別途対談という形式でお話しいただきました。
本記事は、代表の津田主導で進めてくれました。

津田から倉林さんにインタビューさせていただいた内容を記事にしています。二人の関係性が出て、Resilireに期待いただけた理由やDNXさんの投資家に寄り添うスタンスが前面に出ていて非常に良い記事になっています。

ブランド刷新に伴う採用関連のアップデート

コーポレートブランドの刷新をリードしてくれたのは、デザイナーの村田です。
デザイン刷新をしている3月前半に「4月に資金調達のリリースがあるので、コーポレートサイト・採用サイトもアップデートしたいな〜」と無理なお願いをしたところ快諾してくれ、結果的に1ヶ月ほどでのブランド刷新の完了、コーポレートサイト・採用サイト・CompanyDeckのアップデート、ブランド刷新についてのnote執筆まで対応してくれました。異常なスピード!!頭が上がらない、、。

新ロゴTシャツで撮影(左:セールス浦山、右:for Startups.吉野さん)

HRパートナー感謝祭

いつも採用で支えていただいているHRパートナー(エージェント)の方々に日頃の感謝の気持ちをお伝えするため、イベントを企画しました。
結果的に約25名のHRパートナーの方々にご参加いただき、普段伝えきれないResilireの事業展望やプロダクト、メンバーを知っていただく場を作ることができました。

お忙しい中、時間を作っていただいたHRパートナーの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。そして本イベントには、Resilireの全社員が参加してくれました。イベントを開催することを伝えて、前向きに取り組んでくれるメンバーにも感謝です。

HRパートナー & Resilireメンバー

最後は、新ロゴを用いたノベルティをお配りしました。
ノベルティかっこいい😎

イベント終了後のアンケートでは、ポジティブな声が多く、開催できて良かったです!(※一部抜粋)

  • 津田様の人柄に触れる事ができました。今までは、社会問題解決を頑張っている、プロダクトが強く、磨いている という案内でしたが、津田さんが他社で役員級を担っていた方を惹きつけている、その結果優秀な方が集まっている、というのがよく分かりました。浦山さんに熱く語っていただいたのがとても印象的でした。

  • スタートアップを経験してきたベテランの方が多くいる印象だったので、常に効率を考えたもっと殺伐とした雰囲気なのかと思っていたら、みなさんとてもフレンドリーで、エンジニアの方も含め沢山お話して頂けて、明るい印象を持ちました。

  • エンジニアの方との会話でプロダクトの凄さや開発の難しさなどが知れました。苦労話も聞けて口説きに使っていきたいです。あまりプロダクト観点からご相談者様を口説けていなかったのでよい切り口を頂けました。

  • 今までは大人スタートアップのイメージが強かったが、あえて表現するなら事業に対して(無邪気に)楽しんでいるイメージを持った。

  • 改めてビジネス、開発、マーケ、コーポレートと良いメンバーがそろったチームだなと感じました。よく集まりましたね!また皆さん基本、矢印が外に向いている方ばかりでお話をしていても気持ちよかったです。とりあえず良い会社だから一度会っておいで!という口説きもできそうです(笑)

反省点としては、時間が限られていたため全職種のメンバーとは話してもらうことが難しかったり、各テーブルで自由に話してもらったので人によっては聞きたい内容が全てクリアにできなかったという点がありました。
聞きたい内容をクリアにするための仕掛けとして、各テーブルにトークテーマをいくつか用意し、話したい内容を選んでもらってから話せるとより良い場にできたかもしれません。

メンバーの魅力発信

Resilireメンバーが協力してくれたことで、多くの記事を発信することができました。メンバーの魅力と言っても色々な訴求点がありますが、今回は大きく5つに分けられそうです。

①メンバーの仕事の価値観が分かる記事
ビズリーチ記事掲載(CEO津田 × Sales浦山 ×CS藤原)

Engineer対談記事(Engineer 西田 × 奥村)

Bizdev対談記事(CEO津田 × Sales兼Bizdev小寺 ×CS兼Bizdev中野 )

Salesインタビュー記事(Sales 浦山)

②メンバーの入社理由が分かる記事

③メンバーの経歴やちょっとした人柄が分かるページ

今までは採用サイトに写真があり、入社エントリーが貼ってあるだけだったのですが、Google Analyticsで見るとメンバーページがかなりの頻度で開かれていることがわかったので、各メンバーに4つのクエスションに答えてもらい、一人一人がどんな人か伝わる内容へアップデートしました。

④社内や人の雰囲気がわかる記事、ページ
社内ブログ(PdM / PjM ソヒャン)

また、採用サイトのメンバー写真に統一感がなかったので、みんなの表情がよく見えるようにデザイナー村田が全メンバーを撮り直してくれました。良い表情を引き出してくれたことで、よりResilireのメンバーの雰囲気が伝わりやすくなったと思います。

⑤メンバーの技術への考え方が分かる記事

結果

社内の連携をスムーズに行うことで、短い期間で多くの発信をすることができました!特にメディア掲載については、結果的に5つのメディアで掲載いただくことができ、採用サイトへのアクセス数も過去ない数値まで爆増しました。

採用の実績はこれからですが、過去最大の応募数を4、5月と積み上げることができています。特に4月は通常の応募数の2倍の数値となりました。今回のターゲットでもあったHRパートナー経由でのご紹介も平均と比較しても2倍以上の紹介数に推移しています。今後も継続して発信していくことが重要ですが、調達リリース公開から2ヶ月で一定の成果を実感することができました。

取り組みからの反省点、学び

今回、結果的に良い部分もありましたが、反省点もありました。大きく2つあります。

①コーポレートブランディング刷新の発信方法

  • 同時期に打ち出しましたが、調達リリースとは分けて発信したため、結果的に印象に残りにくい形となってしまいました

  • 今回は、調達リリースを軸に考えていたが、コーポレートブランディング刷新軸でも考えてみるともう少し違った発信ができたかもしれない

②記事の山を作れたが、社内向けに良い発信ができなかった

  • とにかく発信するものが多く、各記事の目的、どの人にシェアしてもらいたいのかを明確に伝えることができていなかった

  • せっかく全メンバーが色々な施策に協力してくれたにも関わらず、全社で盛り上がる空気感を作りきれなかったという反省が大きいです。

次の大きな発信のタイミングでは、今回の反省を活かして取り組んでいきたいと思います。

最後に

今回は、全社員が協力してくれたことで、なんとか乗り越えることができました。協力がなければ、今回の成果は確実に得られなかったです。
また、社内だけではなく、VCやHRパートナーの方々等、改めてResilireを応援してくださっている人たちに支えられていると感じました。
シリーズAの資金調達という新たなスタートを切ったので、より多くのお客さんに価値を届けられるようにこれまで以上に成長していきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

Resilireでは、全方位で採用を積極的に行っています!
今回のシリーズAのような山場がここから数多くやってきます。一つ一つを全社で楽しみながら、世の中に大きな影響を与えていきたいという熱い想いを持った方、ぜひご一緒したいです。
少しでも興味を持っていただけた方は、カジュアルにお話しさせてください!

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