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マルチバーティカル戦略における、事業開発の重要性とやりがい

株式会社Resilireで事業開発に携わる三人に、Resilireにおける事業開発の重要性や難しさ、今後目指していく組織体制などのお話を伺いました。

左から順に小寺、中野、津田

Resilireが事業開発に注力する背景

― 初めに、それぞれから今の役割と簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか。

津田:Resilire 代表の津田です。元々はWeb系のデザイナーや新規開拓営業を経験をしていました。今は主に導入事例が少ないセグメントでの初期顧客の開拓や、プロダクトオーナーとしてプロダクト開発の方針を決めたり、その他幅広くやっています。

小寺:私は2023年の11月に入社し、ちょうど半年経ちました。直近はフィールドセールスに軸足を置きつつ、事業開発的な目線でも動いているという現状になります。
前職は株式会社LegalOn Technologiesというリーガルテックの会社に勤務していて、法律事務所やSMBからミドルマーケット向けの営業部門長、新規事業開発などを経験しました。伸び悩んでいるセグメントにおいて、セールスの立場で開拓していく方法を模索し、業界団体とアライアンスを組んだり、さまざまな施策を打つなどを経験しました。
今回転職するにあたり、よりプロダクトサイドとも連携しつつ、お客様と一体となって課題解決にあたれるような場を探しており、Resilireに入社を決めたという背景になります。詳細は入社エントリーで熱めに語っているので、こちらもぜひ見てみてほしいです。

中野:今日で入社して約1か月になるのですが、Resilireでは事業開発とカスタマーサクセスを担当しています。 私は新卒でリクルートに入社し、プロダクトマネージャーや事業開発を主に担当していました。当時は宿泊施設向けのSaaSを起案して事業化を主導し、リリース後は合計3つのプロダクトの責任者としてグロースを推進しました。その後起業するためにリクルートを退社し、独立系のVCが運営しているスタートアップスタジオのプログラム内で投資を受けて、ウェブサイトのパーソナライズを支援するSaaSの事業立ち上げを推進していました。一定の成果を出すことはできたものの、爆発的な成長には限界を感じ、事業撤退を決意しました。
その後のネクストステップとして、より事業ポテンシャルがあり、かつ自分の人生をかけてコミット出来るような事業を探していたなかでResilireと出会い、入社するに至りました。(入社エントリはこちら
 
― ありがとうございます。新たなメンバーも加わり、現在事業開発に代表含め3人配置されているという状況になりますが、アーリーステージの今のタイミングで事業開発に注力している背景を教えてください。

津田:当社は製造企業向けに、サプライチェーンデータを外部と連携しながらリスク管理を推進していくSaaSを提供しています。特定の業界に特化するのではなく、製造業のあらゆる業界を対象としています。業界毎にサプライチェーンの課題や特性が異なるため、業界毎にPMFを積み重ねていく必要があります。また、Resilireは一社で利用するのではなく、業界の複数企業を巻き込み活用するサービス特性があり、利用する企業が増えれば増える程付加価値が大きくなります。そのため、業界全体に早く波及させる必要があり、そのためには事業開発の役割が極めて重要です。それぞれの業界の特性をキャッチしながら新たな提供価値を生み出していく必要があり、それが事業開発に注力している背景です。

― 現状三人の役割はどのように分担していますか。

津田:当社では、事業開発を二つに分けて考えています。一つ目は、新規の業界・顧客での成功事例を切り開いていくことです。これが私と小寺さんが担っている役割で、セールスを軸とした新規の事業開発になります。
二つ目は、既存顧客からインサイトを得て、大きな付加価値を生み出していくことです。当社製品を導入したお客様は、Resilireを通して今まで見えてなかったサプライチェーンデータを可視化していきます。リスク管理から始まりますが、今後そのデータからサプライチェーン上の幅広い課題を解決していきたいと考えています。顧客の想像を超えるワクワクする未来を一緒に考え、事業開発を推進していく。これが中野さんが担っている役割で、CSを軸とした事業開発です。

― ありがとうございます。津田さんは当社の事業開発においてどのような関わり方をされていますか。

津田:新規商談や既存顧客へのヒアリングで生の声を拾いつつ、事業開発の二人やプロダクトチームと、高頻度にディスカッションをしています。顧客のニーズを分析し、生み出すべき価値とその機能要件が何か言語化し、優先順位づけをしています。直近では小寺さんと組み立て産業で急拡大させるために必要な機能要素を整理したり、中野さんとサプライチェーンの潜在リスクの分析・評価ロジックの検討を行ったりしていました。

事業開発の現場での取り組み

― ありがとうございます。では具体的にどのような取り組みをしているか、小寺さんと中野さんのお二人から聞かせてください。まずはセールス軸とした事業開発について、お願いします。

小寺:最も重要なのは「お客様と会って話す」ことです。各業界や企業が抱えている課題と、それに対して今の私たちがどういう価値を提供できているのか・いないのかを正確に捉え、足りないピースはなにか、引けるレバーはどこかを探索し、事業計画に照らして必要なアクションを決定しています。セールスとして「製品を売る」という行為と、お客様からのフィードバックや潜在的な課題を適切に分析するという二つのバランスを取りながら事業開発に携わっているというのが、いまの私の動きになっています。 私たちの事業は利用企業が増えれば増えるほど付加価値が高くなります。これは、もしかしたら今後出てくるかもしれない競合に対する高い参入障壁になり、各業界におけるPMFを最短ルートで獲得していくことが事業開発上とても重要です。「売り切る」「トップライン伸ばす」というのもセールス起点の事業開発だと思っているので、新しいセグメントの探索に限らず、目の前のお客様に当社のプロダクトが売れるきっかけがないか、常にアンテナを張っています。0→1の事業開発の手段は顧客からインサイトを得て新しいプロダクトや機能を作るだけではなく、たとえば既存のプロダクトの見せ方やアプローチ先、プライシングを変えてみるなど、あらゆる手段のなかで適切な選択肢を選びながら進めているといった状況になります。

ー ありがとうございます。ではカスタマーサクセス起点の事業開発における具体的な業務内容を教えてください。

中野:私はカスタマーサクセスを起点として顧客にディープダイブし、要望を吸い上げ、精査した課題をもとに事業開発をしていくという役割を軸としています。 また直近では、サプライチェーン上の潜在的なリスクに向き合う新機能の立ち上げも検討しています。現状当社のプロダクトは、自然災害などの有事が発生した際の影響調査を効率化し、そこで起き得る機会損失を防ぐところがコアの提供価値なのですが、新機能では有事が発生したときのみならず、平時から潜在的なリスクに向き合い、リスクマネジメントをより高度化していくという試みに着手しています。

ー ありがとうございます。潜在的なリスクに向き合い、より高度なリスクマネジメントを実践していくという取り組みというのは、現状お客様のニーズとしてはどの程度あるのでしょうか。

中野:お客様としても実践を試みているケースも多く、その過程で非効率性や低品質性といった課題も見えてきている段階なので、新機能の価値を訴求できるのではないかと考えています。 一方で、それらの課題に対してお客様自身でなんとか解決しようとする行動が見られるかというと必ずしもそうではないケースもあるので、本質的なニーズなのかをしっかりと見極めていく必要があると思っています。お客様からいただくフィードバックの内容をもとに慎重に判断していきたいです。

ーありがとうございます。ヒアリングを重ねるなかで客観的な事実を捉え、本質的なニーズを見極めることが重要ということですね。

事業開発の難しさと、やりがい

ー では続いて、Resilireにおける事業開発の難しさがあればぜひ教えてください。

小寺:二点あります。一点目は、自分自身のリソースをどのように配分すべきかの見極めが難しいと感じています。限られた時間と幅広い裁量のなかで、どういったリソース配分が最も事業の立ち上げに有効であるのかを考え、適切な意思決定をしていくことの難しさがあります。もっとも、これは事業開発に限らずスタートアップに共通する難しさです。
二点目は、正しい顧客理解と、それを齟齬のないよう社内に共有することの難しさです。製造業と一言で言っても実態は多岐に渡っていて、会社の規模や取引形態、購買や調達に関わってくる周辺部署なども各社で異なる状況において、「だれが」「どこに」課題を感じているのかを見極め、それらを正しく社内にインプットし、各部門に期待するアウトプットを引き出すするというのが、非常に重要かつ難しい点だと感じています。浮かび上がってきた課題のなかから事業立ち上げに繋がる可能性のあるテーマを設定し、プロダクトサイドとも連携しながら社内を動かし、足りないリソースは採用していくところまでが、Resilireの事業開発に期待されていることだと思っています。

ー ありがとうございます。まさにマルチバーティカルの難しさを言語化していただいたと思うのですが、現状はResilireの目指す方向性と照らし合わせながら、事業開発としての動き方を見極めているという状況でしょうか。

小寺:そうですね。私がこれまで携わってきた事業開発というのは、すでに別のプロダクトで事業基盤がある前提だったため、新しいプロダクトがトライ&エラーするある程度の余地がありました。一方でResilireは直近シリーズAを迎え、今後シリーズBやCを見据えるなかで、成長の蓋然性を確実にステークホルダーに示していく必要があると考えています。そういった緊張感のもと、日々自分の業務の優先順位付けや、事業に着手する順番やスピード感などを、慎重に見極めながら進めているという状況です。

ー アーリーステージならではの難しさもあり、責任重大ですね。

今度はカスタマーサクセス起点の事業開発についてお話を伺いたいのですが、起業のご経験などもあるなかで、Resilireならではの事業開発の難しさというのはありますでしょうか。

中野:そうですね。入社して一ヶ月という短期間でも多様な要望や課題が聞こえてきていて、またそれらに紐づくプロダクトの機能も多数想定されるなかで、どの課題に焦点を当てていくかという見極めに難しさを感じています。 当社は事業の特性上、いわゆるエンタープライズ企業に向き合うケースが多いのですが、エンタープライズ企業は個社性が非常に高く、要件も広範に及ぶため、課題設定の難易度が格段に高いと実感しています。 課題の見極めについては、各社フィードバックから共通項を見出していくという方法を取りつつも、共通項に固執するとミニマムになりすぎて各社の要望を満たせないという状況になり得ますし、逆にニーズの低いものまで拾ってしまうと開発も運用も逼迫してしまうので、どこを切り取ったら顧客の理想に近づき、また事業最大化に繋がるのかといったところの見極めに奥深さを感じています。

ー ありがとうございます。共通項を見出しつつ、個社のニーズを可能なかぎり満たしていくというバランスは非常に難しそうですね。

中野:そうですね。エンタープライズ企業は要件が広いからこそ、オールインワンのプロダクトだったり、既に成熟したプロダクトを導入したがる傾向があると思うんですが、そんななかでも既存のお客様はResilireのビジョンに共感していただいていて、「一緒に理想的なプロダクトを作っていこう」という姿勢でいてくださるんですね。これは良い意味でエンタープライズ企業のイメージと違って、衝撃を受けました。こういったお客様との関係性は、カスタマーサクセスを起点とした事業開発において非常に良い環境だと思いますし、やりがいを感じる部分ですね。

ー ありがとうございます。お客様側の積極的な姿勢というのは、サプライチェーンのリスク管理というテーマに起因しているのでしょうか。

小寺:そう思いますね。Resilireがどこの会社も解決できてこなかった重要な課題に取り組んでいて、且つResilire以外では解決ができないブルーオーシャンな領域であるということが大きいと思います。他の選択肢がないテーマに取り組んでいるからこそ、お客様に積極的に関わって頂けて、そしてフィードバックが貰いやすいのではないかと感じています。
例えば、商談を通して業界全体がデータで繋がることの重要性をお話させていただくと、「じゃあうちが業界全体に声掛けるから、他社も連携してやろうよ」「調達部門の集まりにResilireも呼ぶから、みんなで使ってもらえるようにこういう説明をしたら良いんじゃないか」などといった提案をお客様側からいただくことがあるんですね。テーマの重要性に加えて、サプライチェーン全体でデータ連携することでより価値を発揮するプロダクトだからこそ、お客様が一体となって協力してくださるという状況があると感じています。お客様と共に未来を向くことができる、非常に貴重な環境だと思います。

中野:「業界全体でResilireを使っていこう」といった雰囲気が随所で見られて、テーマの重要性を感じるとともに、頑張れば業界全体を変えていける可能性があるといったところに、やりがいを感じますね。

ー 共通のテーマに対して、各企業が連携して解決していこうという気運は非常に興味深いですし、それだけ重要な課題に向き合えているということですね。

今後の体制づくりと、新しいメンバーに期待すること

ー それでは、今後目指す取り組みや体制づくりなどがあれば教えてください。

小寺:事業開発の体制を鑑みて、もっとセールス、カスタマーサクセスを起点に事業開発視点を持った人を増やしていきたいと思っています。先ほどお話したとおり、業界や企業ごとの立ち位置が多岐に渡る状況なので、お客様からのフィードバックを精査して事業の成長スピードに合わせて展開していくというサイクルを回すことが、現状の限られたリソースでは難しいと感じる場面もあります。適切に責任と権限を委譲したり分掌するなどして、もっと個々が担当する業界にフォーカスできるような体制づくりを推進していきたいと思っています。

中野:Resilireは「データでサプライチェーンをアップデートしていく」というミッションのもとにコンパウンドスタートアップ戦略を取っていて、今後ますますデータネットワークを拡大していくことを見据えると、単純なマルチプロダクトを出すだけでは十分ではなく、より強い相互連携のもとに提供価値が相乗的に高まるようなプロダクトを生み出していく必要があると考えています。その実現に向けて、あらゆることを同時並行で推進していく体制が必要なので、そこにコミットできる優秀な事業開発メンバーと、そしてそのメンバーを活かしていく組織体制の構築が肝要だと考えています。

津田:業界毎に一人専任をおき、業界毎の特性理解やベストプラクティスの創出が最短で実現していける体制をつくりたいと考えています。
そして最終的には業界を横断した形でモノづくりバリューチェーン上の全ての企業が繋がり、データをもとにあるべき意思決定に導かれていく状態をつくっていきたいと考えています。そのためには、何より人が足りないことが喫緊の課題だと感じています。

ー ありがとうございます。では最後に、今後入社される方に期待したいこと、どういう方に仲間になってほしいかなど、簡単に教えてください。
中野:各自が同時並行で動いていくなかで、自律的にスピード感を持って事業を推進していける方、フットワーク軽く動いていける方が必要かと思います。

小寺:「本当に解決すべき課題は何か」という問いに対して、興味を持って探求できる人とご一緒したいなと思っています。それから、まだ当社は事業開発のフレームワークなどが整備されておらず、まだまだ改善の余地がある状態ではあるのですが、そこを楽しみながらやりがいを感じられる人がフィットするのではないかと思います。

最後に

Resilireでは、全方位で積極的に採用しています!
弊社の事業開発やセールス、カスタマーサクセスについて、もう少し詳しく知りたいという方は、当社採用ページ、採用デックをご覧ください。

※撮影場所:WeWork

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