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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト)

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2022年6月の記事一覧

錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):8

 夜の闇が空を覆い始めると、繁華街は猥雑な喧噪で溢れ返る。出会いを求めて賑わう酒場、露出…

matthew
2年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):7

「それにしても、誰から俺のことを?」  事務所を出た楼亜は、後方の錬金術師にふと疑問を投…

matthew
2年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):6

 と――その時だった。再びの来客は。 「お取込み中のところ、邪魔するぜ」  扉を開けてやっ…

matthew
2年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):5

 弓魅が勤めている風俗店『エマ』。その看板には人気店という以外にもう一つ重要な側面がある…

matthew
2年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):4

「お願いしますっ!彼、あんなことするマキナじゃないんです!」  とりあえず与太に促されて…

matthew
2年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):3

 ――昔々、まだマキナが一般に普及し始めて間もなかった頃の話だ。  ある戦争大好きな国の…

matthew
2年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):2

「俺の仕事はメンテだ。検死は専門外なんだが」  安置室に足を踏み入れた錬金術師が、フードの奥で顔をしかめてそう毒づく。先導していた与太がその言葉に振り向くと、面白くなさそうな顔をしているのは彼も同じだった。 「だからお前に頼むのは嫌だって言ったんだ。文句があるなら覚理に言えよ」 「後輩クンかよ。ま、だったら別にいいか」 「いや人を選ぶのかよそこで!」  敢えて与太の反応を弄ぶようなセリフを吐くのはわざとだ。とにかく感情表現が豊かな彼の相手をしていると、その部分だけはいつまでも

錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):1

 ――三日月が、頭上で輝いている。  その真下、街では今日も凶行が繰り広げられていた。 …

matthew
2年前
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