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お母さんは学校の応援団長

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「愛される学校づくり研究会」のホームページ内に教育コラムとして掲載された原稿をまとめました。2013年4月~2018年3月まで、5年間(60回)連載しました。
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#2015年

【 第33回 】「チーム学校」に想う(1)

【 第33回 】「チーム学校」に想う(1)

◆世界一多忙な先生たち日本の先生たちは、世界中で一番忙しいそうです。
抱えている仕事量が多すぎて、労働時間が長くなっていることが問題になっています。そして、先生に求められる仕事の種類も多岐にわたりますね。
その負担を減らすために、文科省は「チーム学校」という取り組みを進めています。
当教育コラムでは、風岡治さんの「『チーム学校』って何だろう」というコラムの連載が始まりました。
これからの教育界で「

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【 第32回 】子どもをあなどることなかれ(3)

【 第32回 】子どもをあなどることなかれ(3)

◆「みる」教育実践「響の会」会長の角田明先生が、小牧中学校で講演をしてくださったときに学んだことがあります。
それは「『みる』には、いろんな意味がある」ということです。

皆さんは、「みる」と聞いて、いくつ言葉が思い浮かびますか?
まずは「見る」、これは一番よく使う言葉ですね。
他にも、「観る」「診る」「看る」などの言葉があることを教えていただきました。

英語では、それぞれの「みる」は違う単語に

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【 第31回 】子どもをあなどることなかれ(2)

【 第31回 】子どもをあなどることなかれ(2)

◆「思い」は伝わる前回のコラムで、小牧中学校で行われた3年生への「普通救命講習」のお手伝いをしたことを書きました。
その後、生徒たちが書いたアンケートを見せていただく機会があり、246名分の感想を読ませていただきました。
一言二言の感想ではなく、びっしりと書かれているものが多くて驚きました。
私が思っていた以上に、どの子も講習を受ける意義を感じてくれていることがわかる内容で、とても感心しました。

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【 第30回 】子どもをあなどることなかれ(1)

【 第30回 】子どもをあなどることなかれ(1)

◆「助けられる人」から「助ける人」へ4年前の東日本大震災では、中学生が地域の一員として活躍した、という話を多く聞きました。
避難の際に、中学生が小学生の手を引き、また近所の高齢者を連れて逃げ、多くの人の命を救った「釜石の奇跡」を筆頭に、避難所では、たくさんの中学生が自ら率先して手伝い、大人の手の回らない部分をカバーした、という話は皆さんがご存じのことでしょう。

私は、この一連の話題の中で聞いた、

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【 第29回 】「授業力」に想う(2)

【 第29回 】「授業力」に想う(2)

◆「つまらん」というつぶやきが聞こえていますか?「わからない」「つまらない」
子どもたちは、学校の授業について、よくこんな言葉で文句を言います。

「つまらない」には、次のようなパターンがありますね。
 ・「わからない」から、つまらない
 ・「もうわかっている」から、つまらない

学級にはいろいろなレベルの子どもがいて、両方の「つまらない」が混在していると思います。
一人一人に対応していくのは、限

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【 第28回 】「授業力」に想う(1)

【 第28回 】「授業力」に想う(1)

◆経済格差と学力格差「学校の授業はわからない」「塾の授業の方がよくわかる」
子どもたちから、よく聞くセリフです。
こんな風に言われた時、親として、どう答えたらいいものか、本当に困ってしまいます。

学校では、様々な学力の子どもたちがいて、全体がわかるように授業をされていると思います。最近では、教科によっては、習熟度別のクラスに分かれて、子どもたちがより理解できるような授業をしている学校もあります。

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【 第27回 】子どもにつけてほしい力(2)

【 第27回 】子どもにつけてほしい力(2)

◆「生きる力」文部科学省の定義によると、現行の学習指導要領では「子どもたちの『生きる力』をよりいっそう育むことを目指す」ということだそうです。
そして文科省のHPには続けて、「生きる力」とは、知・徳・体のバランスのとれた力のことで、変化の激しいこれからの社会を生きるために、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」をバランスよく育てることが大切だ、と書かれています。

「生きる力」という目新しいキャ

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【 第26回 】子どもにつけてほしい力(1)

【 第26回 】子どもにつけてほしい力(1)

◆子どもに学校で学んでほしいこと子どもは、学校でたくさんのことを学びます。
学校で過ごす時間の大半が「授業」ですから、いろいろな教科を勉強しますね。
学習指導要領では、それぞれの教科において、どのようなことを勉強するか、どのような力をつけさせるのか、ということが決まっていますが、私たち保護者には、そのような難しいことはわかりません。
そこは、教えるプロである先生方にお任せするわけですが、我が子の幸

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【 第25回 】「愛される学校づくりフォーラム」に想う(2)

【 第25回 】「愛される学校づくりフォーラム」に想う(2)

◆フォーラムで学んだこと2月21日(土)に開催された「愛される学校づくりフォーラム2015 in 大阪」で、午前の部の「愛される学校のつくり方」の実践提案をされたのは、すべて校長先生でした。(元校長先生も含まれます)

校長先生であるということは、「学校経営」に主眼を置かれた提案になります。
「愛される学校をつくる」ためには、学校を構成する教職員のこと、子どもたちのこと、そしてその保護者のことに気

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【 第24回 】「愛される学校づくりフォーラム」に想う(1)

【 第24回 】「愛される学校づくりフォーラム」に想う(1)

◆「愛される学校づくりフォーラム2015 in 大阪」開催2月21日(土)快晴の大阪で、「愛される学校づくりフォーラム2015 in 大阪」が開催されました。
全国各地から参加者をお迎えして、会場は満員御礼。熱気あふれる一日となりました。
今回で5回目となる当フォーラムですが、毎回趣向を凝らした内容で、多くの学びが得られるということで、リピーターの参加者も多いそうです。
今回のフォーラムでも「午前

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【 第23回 】所見を恐れないで

【 第23回 】所見を恐れないで

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新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、2020年2月27日に政府から「全国の小中高校の臨時休校の要請」が出されて、3月2日から全国の多くの学校で休校が始まりました。
最終的な休校実施判断は各自治体に委ねられたこともあり、また働く保護者が多いことにも配慮して、休校でありながら、実際には学校で子どもを預かるという、ややこしい運用がされています。
現場は大混乱で、

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【 第22回 】謙虚に学び続ける

【 第22回 】謙虚に学び続ける

◆ほめられるとうれしい

「お子さんがよく育っていますね」
 そう言われて、うれしくない親はいないでしょう。
 子どもがほめられると、まるで親である自分がほめられているような気持ちになります。それは、毎日毎日、子どものためにとがんばっていることを認めてもらえた、という思いになるからです。

先生も同じではないでしょうか?
 「○○先生のクラスは、子どもたちがよく育っているね」と言われれば、先生も自

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