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教材作成備忘録

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日々の教材づくりのメモです。細かい作業もここに記録していきたいと思います。
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玉おとし教材~心地よい抵抗の付け方~

玉おとし教材~心地よい抵抗の付け方~

筑波大学佐島研究室開発の玉おとし教材は、教育相談に無くてはならない教材の一つです。玉が落ちる時の心地よいフィードバックが面を滑らす手指の動きを導きます。
以下教材の説明です。

■ 教具のセット
(1)枠(内寸286×436×30㎜,外寸314×464×30㎜)
(2)板(縦30mm,横45mm,厚さ4mm)
  ・30㎜課題(穴の間隔が30㎜の同心円状のもの)
  ・50㎜課題(穴の間隔が50㎜

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定番中の定番教材「スライディングブロックスイッチ」の作成

定番中の定番教材「スライディングブロックスイッチ」の作成

今回は、特別支援学校外部専門家 視能訓練士 釣井ひとみ氏(平和眼科)監修、「方向性のある手の動きを引き出す」ための定番中の定番教材スラインディングブロックにスイッチをつけたものを作ります。スイッチをつけることによりブロックを終点まで動かした時のフィードバックを音、光、振動など対象の方のニーズに合わせて色々に変えることができます。

釣井氏は、それまでPT・OT・STが主だった特別支援学校の外部専門

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ひもスイッチの作成<常につながっていることが分かりやすい手がかりになる>

ひもスイッチの作成<常につながっていることが分かりやすい手がかりになる>

スイッチの定番、引っ張ることで操作するひもスイッチ。常につながっていることが分かりやすい手がかりになること、そして、大きな動きで操作できることが特徴です。思い起こせば17年前、当時の勤務校で行われた夏季スイッチ講習会で先輩教員からつくり方を初めて教わりました。以来、ニーズも多くたくさん作ってきましたが、今回はどっちもクリップにもはさめる薄型ひもスイッチの作り方を紹介します。

では行きます。

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ボコボコ棒

ボコボコ棒

今回は心地よい固有覚フィードバックのあるボコボコチェーンシリーズ「ボコボコ棒」の作成です。チェーンは形がないので大きな動きで操作できる反面、チェーンを抜くためにどの方向に動かせば良いのか、分かりにくいという特徴があります。これは、形がある紙より形がフニャフニャ変わる布の方がたたむのが難しいことと同じです。服を折りたたむ練習に形のある板を蝶番で折れるようにして使う場合があります。折る方向を明確に伝え

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ボコボコチェーンミニの作成

ボコボコチェーンミニの作成

ボコボコチェーンシリーズ第2弾。グリップが細く思わず握ってしまうボコボコチェーンミニ。麻痺がある方の手にゴムバンドでグリップを固定し、反対側の手でチェーンを引っ張ることが可能で、今まで両手の協応の経験を諦めていた方にも使えます。もちろん、支援者がグリップを握って、ご本人に片手で引っ張ってもらうボコボコチェーンのような使い方も可能です。

では行きます!

■ 材料

・二重リング

・4mmチェー

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石けり入れの作成〜手首を回す動作を引き出す教材〜

石けり入れの作成〜手首を回す動作を引き出す教材〜

手による外界への探索の土台となる手首を回す動作を引き出す教材です。

詳しくはこちら。

程よい大きさと重さのある石けりと吸い込まれるように入っていく溝が心地よい教材です。作り方はいたってシンプルですが、くれぐれも手を切らないように注意して下さい。

今回は、彫刻刀やホットカッターなど、いろいろな切り方を試した中でもっとも簡単だった方法をお伝えします。

■ 材料

・石けり

→ なかなか売って

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書見台作成②〜上面ボード〜

書見台作成②〜上面ボード〜

 書見台は、姿勢作りや見ること、空間認知を支えるための最重要アイテムです(詳しくはこちら)。先にゲージ(提示物のストッパー、上写真の棒の部分)の作り方と書見台ベース部分を投稿しましたが、今回の上面ボードで完結です。どのようにマグネット対応にするか悩んだ末、辿り着いたコスパの良い方法もご紹介しますので最後までご覧ください。

では、早速始めます。

■ 材料

・ホワイトボード(写真はダイソーのもの

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書見台作成①〜ベース部分〜

書見台作成①〜ベース部分〜

書見台は、姿勢作りや見ること、空間認知を支えるための最重要アイテムです(詳しくはこちら)。先にゲージ(提示物のストッパー、上写真の棒の部分)の作り方を投稿しましたが、いよいよ書見台本体の作り方です。子どもたちと使う中で、市販の書見台では「ちょっと使い勝手が・・・・」と思う部分を改良しホームセンターやネットで手に入る部品、道具で工夫して作成したものです。すでにいくつかのご家庭に納品し、使いやすいと大

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ボコボコチェーン

ボコボコチェーン

 今回は、簡単に作れて使用頻度が高いボコボコチェーンの作り方を紹介します。おもわず引っ張りたくなる心地よい振動。特別支援教育の現場では昔から使われてきた定番中の定番。片手で引っ張る、両手で交互に手たぐり寄せるなど様々な課題設定ができます。

では、いつも通り、材料から。

■ 材料

・タッパー(100均のものでも良いですが、少し高いものの方が素材に粘りがあり長持ちします。また、チェーンを引いた時

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書見台用ゲージ

書見台用ゲージ

今回紹介するのは書見台用グッズです。書見台は、姿勢作りや見ること、空間認知を支えるための最重要アイテムです(詳しくはこちら)。使い勝手をより良くするためのゲージ(提示物のストッパー、上写真の棒の部分)の作り方を解説します。お手元の書見台や市販のものにも合わせても作れますので最後までご覧下さい。

■ 材料

・角パイプBJ 16角用(以下、「コの字金具」と呼びます)

・木ネジ(写真の物が使いやす

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まわすオルゴール

まわすオルゴール

今回は、まわすオルゴールの作成です。手回しの動きで音の出るちょうど良いものが見つからなかったので、5年前ぐらいに初めて作成しました。大変好評で何個か作ってお渡ししていました。机上での学習に気持ちがのれない方も、このオルゴールは、座って取り組むことができたと嬉しい報告もありました。

久しぶりに注文があり、作成方法よりシンプルにしたのでつくり方をご紹介します。

■ 材料

・オルゴールカー/グリー

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棒スイッチ(フレキシブルスイッチ)

棒スイッチ(フレキシブルスイッチ)

先日、就学前の方のお子さんとの「SHJ学びサポート」でのセッションの時、写真のような棒型のスイッチが大活躍しました(詳しくはこちら)。

写真のスイッチはジェリービーンスイッチに吸盤を付けてスポンジ棒をたてに取り付けたもの。スポンジ棒を立てる吸盤は、100圴の卓球ネットを張る棒です。これは奈良県の特別支援学校教員の方から教えてもらったアイデアです。簡易的で、土台も薄くて使い勝手は良いです。

目の

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教材作成備忘録 “文字盤”

教材作成備忘録 “文字盤”

「SHJ学びサポート」の生徒さんに以前から枠付きの指でポインティングできる文字盤を作成していましたが、今回は車椅子をリニューアルするのに伴い文字盤もリニューアルすることになりました。この方は、やり取りするのに主に「指差し文字盤」とトーキングエイドを使用しています。
今まで納品してきた歴代文字盤は以下の通りです。枠により「ここ」という場所が明確になり空間が捉えやすくなります。具体的には、目標場所が

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