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バリアフリー みんなの教材図鑑

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実践を重ねる中で、何から手をつけて良いかわからない状態から抜け出し支援をスタートするためのきっかけとなったものをまとめました。一緒に勉強する中で子どもたちが教えてくれたことや先輩…
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4-2 スイッチ 「自分でできる」を実現

4-2 スイッチ 「自分でできる」を実現

スイッチ使用の意味や使用することによる可能性の広がりを自分なりに整理し直しました。

■教材名
ジェリービーンスイッチ*
■課題
自分の意思でスイッチを押したり離したりしてON/OFFの操作をする。
■ねらい
・できることを増やす(できることが増えていくと人生の意味を見つけられる)。
・一人で居られる時間を増やす(家族や介護者も自分の時間を持てる)。
・楽しみを見出す。 ・役割を見出す

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13 石蹴り入れ                                                        手首を外へ回す

13 石蹴り入れ   手首を外へ回す

手による外界への探索の土台となる手首を回す動作を引き出す教材です。

作り方はこちら。

程よい大きさと重さのある石蹴りと吸い込まれるように入っていく溝が心地よい教材です。

■ 教材名
石蹴り入れ◎
■ セット内容(大きさmm)
・容器(直径90/高さ120)  
・石蹴り(直径50/厚さ15)  
■ 課題
石蹴りを次々と溝に入れる。
■ 目的
・探索的に手首を使って回転させ方向を合わせて入れ

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2-5 ボコボコチェーン                おもわず引っ張りたくなる心地よい振動

2-5 ボコボコチェーン    おもわず引っ張りたくなる心地よい振動

先につくり方を投稿してしまったボコボコチェーン。最重要アイテムなので、教材図鑑の方にもアップしておきます。

■教材名
ボコボコチェーン◎
■セット内容(大きさmm)
・本体:プラスチック容器(幅130/奥行120/高さ55)
・部品:輪付きチェーン(太さ10φ/長さ100)
■課題
・チェーンを振動が感じられる方向に引っ張る。
・チェーンを容器から抜ききる。
・チェーンを片手でたぐり寄せるように

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2-4 書見台  見やすさ・操作のしやすさを支える

2-4 書見台  見やすさ・操作のしやすさを支える

姿勢づくりや見やすさ、空間認知を支えるための最重要アイテム書見台。作り方も教材作成備忘録にて今後アップしていきます。

■ 教材名
書見台◎
■ セット内容(大きさ)
・台(幅580/奥行き220/高さ48)
・マグネット使用可能ボード(幅660/奥行き420/高さ5)
・ゲージ(幅680/奥行き12/高さ17)
■ ねらい
・操作性を高める。
・操作している手元を見易くする。
・黒背景で領

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2-1 ハンドチャイム・ぬいぐるみ                  外界への気づきを促す

2-1 ハンドチャイム・ぬいぐるみ                  外界への気づきを促す

久々の教材図鑑投稿です。今回からは、目次通り前から投稿していきます。

■ 教材名
・ハンドチャイム* ・ぬいぐるみ*
■セット内容(大きさmm)
・ハンドチャイム(直径75/高さ200)
・ぬいぐるみ(幅180/奥行180/高さ260)
■課題
 口や手を使い直接そのものへ働きかける。
■ねらい
・自らの行為とものからの感覚フィードバックの中で口や手を使う(感覚遊び)。
・なんだろう?(外

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4-1 VOCA       活動の主導権を握る

4-1 VOCA       活動の主導権を握る

■ 教材名
VOCA(Voice Output Communication Aids;音声出力会話補助装置)*
■ セット内容(大きさmm)
・本体(幅152/奥行き178/高さ50)  
■ 課題
 スイッチを押して録音された音声を再生する。
■ ねらい
・外界への気づきを引き出す。
・因果関係を理解する。
・意思を表出する。
・やりとりを体験する。
・活動に参加する。
・活動の主導権を握る。

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3-1 スケジュール提示版                          日常生活を自ら組み立てる基礎に

3-1 スケジュール提示版                          日常生活を自ら組み立てる基礎に

目次通りではないですが、まず最初に揃えたいものから紹介します。

■教材名
スケジュール提示版◎
■ セット内容(大きさmm)
・提示台(幅450/奥行き60/高さ60)  ・半実物カード(幅100/奥行き100/高さ10)  
■ 課題
 半実物カードを見たり触ったり

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1-3 教材を使う

1-3 教材を使う

学習をスタートさせるためには教材を用意することが大前提ですが、その教材を十分に生かせるかどうかは、課題設定、提示の仕方、それらの修正、達成の共感といった、支援者の、教材を介した子どもとのやりとりの質にかかっています。支援者の提示が未熟であっても子どもの力に助けられ学習が成立する場合も確かにあります。しかし、障がいが重く取り組みへの制約が大きい場合には特に、やりとりの質を高めることが鍵となって、子

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1-2 教材が備えるべき要素

1-2 教材が備えるべき要素

適切な教材は、捉えにくい外の世界をその子どもに合った形で伝え、働きかけた結果を明確にフィードバックしてくれます。ここでは、教材が備えるべき要素について述べます。
■シンプルさ
・教材そのものが、何をすれば良いのか課題を明確に示している。
・子どもが自分自身で取り組みながら新しい事柄を発見していけるように、それぞれのねらいが特化されている。
→単純で捉えやすいことが重要です。
■手ざわり
・表面がツ

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目次作りました!

目次作りました!

「バリアフリーみんなの教材図鑑」の目次を作りました。週1ペースで本編アップしていく予定です。

バリアフリーみんなの教材図鑑-はじめに-

バリアフリーみんなの教材図鑑-はじめに-

 実践を重ねる中で、何から手をつけて良いかわからない状態から抜け出し支援をスタートするためのきっかけとなったものをまとめました。一緒に勉強する中で子どもたちが教えてくれたことや先輩たちの知見がもとになっています。仕事の大半は教材準備であるため、教材紹介という形をとりました。
学ぶということは、外の世界と自己とのやりとりの中で、新しい知を発見していくプロセスです。自分自身が何か外の世界に興味を持って

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