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2-1 ハンドチャイム・ぬいぐるみ      外界への気づきを促す

久々の教材図鑑投稿です。今回からは、目次通り前から投稿していきます。

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■ 教材名
・ハンドチャイム* ・ぬいぐるみ*
■セット内容(大きさmm)
・ハンドチャイム(直径75/高さ200)
・ぬいぐるみ(幅180/奥行180/高さ260)
■課題
 口や手を使い直接そのものへ働きかける。
■ねらい
・自らの行為とものからの感覚フィードバックの中で口や手を使う(感覚遊び)。
・なんだろう?(外界への気づき)を引き出す。
・能動性を形成する。 
・意図を明確化する。
・外界への手による探索を引き出す。
■特徴
・微細な動きをキャッチできる(ツリーチャイム)。
・働きかけに対してタイムラグがなく応答する(ツリーチャイム)。
・強く揺らすと大きな音、弱く揺らすと小さな音、という風に行為に対して呼応するようなフィードバックを備えている(ツリーチャイム )。
・音質が良く、フィードバックが明確である(ツリーチャイム )。
・思わず触りたくなるような心地よい手触り(ぬいぐるみ)。
・場所によって異なった素材を使い手触りに変化がある(ぬいぐるみ)。

■ ポイント
・今まで握ったまま開かなかった手が、犬の背中に触れた時にゆっくりと開き撫で始めたというエピソードがあります。感覚の制約のため外界からの情報が受け取りにくいと子どもは、自己防衛的になり自分の世界に閉じこもってしまっている場合があります。そうなると手を伸ばして触るという行為自体が、はじめから自発的に起こるものではありません。まずは触りごごちの良い毛皮のようなものを提示し、心地よいので「もっと触りたい」という能動性を引き出すことが重要です。いろいろな感覚に慣れさせようとザラザラした触りごごちに悪いものや学校でよく使われる絵の具やスライムなどベタベタしていて触って気持ちの悪いものを提示すべきではありません。実際にベタベタという触感覚が苦手な子どもも少なくありません。子どもにとって触るのは怖いことかもしれないと想像することが大切です。まずは、安心して触れるものを作るのが重要です。子どもはそれを心の拠り所にしつつ、少しずつ世界を広げていきます。
・安心して触れるものができたら、両手と口で捉えられる大きさのものを提示します。口に持って行って口で確かめてというように、ものへの探索は口から始まります。
・捉えやすい感覚は、触覚(振動)>聴覚>視覚の順です。
・はっきりとした手の運動の始まりは、手を伸ばす・叩く・把持する・振る・ひっかくなど、サイクルの短い運動の繰り返しで方向性を持っていません。
・この段階の能動性、すなわち口・手・足の裏による外の世界への探索活動が生涯の学習の基盤となります。
・見えにくさ聞こえにくさなどの感覚に制約がある子どもの場合、それが欲しいとか、それに触れ音を出したいというような知的好奇心を刺激するためには、ものへ働きかけた時のフィードバックは明確なものでなければなりません。そのため、例えば、おもちゃの楽器よりも音質が良い本物の楽器の方が効果的です。また、
フィードバックが際立つような静かな環境や教材を捉えやすくするため背景整理(黒色など)も必要になります。

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SHJ学びサポート

認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパン

代表ブログ

<掲載している教材には、教材名の後ろに以下のマークがついています>

*: 既製のもの

☆: 筑波大学佐島研究室で開発され、「小さな大工さん」にて販売されているもの

◎: 一緒に勉強している子どもたちや筑波大学佐島研究室教育相談からヒントをもらい自作したもの


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