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まさか、あの子が辞めるなんて・・・

ジュニアアスリート子育て塾 塾長 まつださちこ です。


今年に入ってから、こんな話を聴くことが多くなりました。

この前の全国大会で優秀な成績をおさめた選手が、今年度に入ってから試合に出ていない。

パリ五輪も視野に入れていた選手が、今年度に入ってから試合に出ていない。

これは中・高・大学1年位の選手の話です。特に今年は女子が多いです。

先日、体重管理の話を書きましたが、体重管理が厳しくて、体調を崩した、ということではありません。


原因はその選手1人1人によって異なります。公開で書く内容ではないので、ここには書きません。ただ、最終的に体重が激減してしまい、競技を続けるどころではなくなったという点は同じでした。



周りは「なんで、あの子はあんなに強いのに?」と思うかも知れません。その子を目指して頑張ってきた選手もいるでしょう。

ですが、子どもが選手として体が強くなっていても、心が伴っていないと、心と体がバラバラになってしまいます。伴っていないというのは決して「心が弱い」ということではなく、「心の成長の速度」の問題です。

選手は競技成績が上がれば、心も強くなると思うのは間違い


20歳~49歳の女性スポーツ選手300名の研究で、こんなレポートがあります。

女性スポーツ選手にとって,多くのストレッサーがストレス反応を引き起こす要因となることが示され た。また,ストレッサーの種類によって,喚起されるストレス反応が異なることが明らかとなった。

ストレッサーとストレス反応 との関連を検討するためには,抑うつや不安などの特定のストレス反応のみを測定する 1 次元的な尺度では不都合であり,本研究で使用したような心理面,身体 面,行動面を幅広く測定することが可能な多次元的ストレス反応尺度を用いることの必要性を示唆するもの と言える。

女性スポーツ選手のストレッサーとストレス反応,Female Athlete Triad との関連
ストレス科学研究 28巻

”1次元的な尺度では不都合”

私もそう思います。


このレポートは女性アスリートに起こりやすい症状(女性アスリートの三主徴)に対してのレポートなので、女性の研究ですが、男性でもストレッサーは様々でストレス反応は多数あります。

このストレスは、現代の競技スポーツでは課題とされてきていますが、まだまだ心の成長に対し、現場が積極的に対応しているとは言えません。

ストレッサー(=ストレスの要因)に対して、どのように対処するか、具体的な解決策を見いだすことも、専門家に相談するところまで言っていないのが現状です。これは競技スポーツをしている人だけではなく、世間一般で、まだまだなのではないでしょうか?

競技スポーツで言えば、年代や競技成績に関わらず、様々なストレッサーが周りにあるでしょう。そして、この2年、「まさか」という言葉を多く聞くことになりました。まだまだ今年、来年は、その状態であると考えられます。


既に辞めてしまった、体調を崩してスポーツから一時的に離れてしまった話を聴くと、少しでも解消できる場に足を運んだり、アポイントすることが出来なかったんだなと、残念な気持ちです。

競技スポーツをしていると、心を吐き出す方法を知らない選手もいます。

少しでもそんな選手が少なくなるのが願いです。

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