【800字 ショートショート】#53夢を叶える少年
昔々、あるところに大きな夢を持った少年が住んでいました。
少年の家は裕福ではありませんでしたが貧乏でもありませんでした。
時間が経つと少年は青年となり、やがて成人しました。
成人してからというもの、かつての夢ではないことをやりつつ生活をしていました。
それは自分の生活を守るため、自身が幸せになるため、そして変わってしまった未来のために働きました。
やがて結婚をして奥さんが出来て、そのうちに子供が誕生しました。
彼は子供たちのためにより一層働きました。
そしてやはり同じように今度はそれなりに長い時間が経つとようやく彼の勤めも終わりを迎えました。定年退職です。
結果的に彼は一人の奥さんと娘と息子。合計4人の家族の幸せがいつまでもあるように、困らないように行動していきました。
そして定年から20年が経ちました。
彼の体は限界を迎え、もうすぐ家族、孫やひ孫がいる前で息を引き取ろうとしていました。
そんな時、彼の頭の中出てきた言葉がありました。
「こんな人生のはずではなかった」
彼はそう呟くと静かに息を引き取りました。
おしまい。
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