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【アジア横断&中東縦断の旅 2004】 第11話 インド バラナシ

2004年7月6日 旅立ちから、現在 185 日目

約2週間滞在したインド西海岸のゴアを後にして、インド 中部、パキスタン国境近くの砂漠地帯、首都デリーなどを訪れた後、内陸部にあるタージマハルなどの世界文化遺産を巡った。
インドは州によって文化が大きく違うため常に新鮮な驚きや発見があり飽きることはなかった。

ムンバイ駅 雑魚寝で始発を待つ人々
アジャンタ
エローラ カイラサナータ寺院
ジャイサルメール
砂漠の水汲み
吟遊詩人とラクダ
ラクダで砂漠を行く
ジョードプルの宮殿
ニューデリー駅前のメインバザール
宿の屋上からタージ・マハルを望む


インド入国から2ヶ月近く経った頃、ヒンドゥー教の大聖地であるバラナシという町にたどり着いた。

この旅の数年前、まだ学生だった頃にも一度この町へ来たことがあったが、細い道が迷路のように複雑に入り組んだ旧市街の埃っぽい風景はその頃と何も変わっていなかった。
きっと100年前も100年後も同じ風景なのだろう。
そう感じさせる圧倒的な個性がこの町にはあった。

バラナシの狭い路地


さまようように旧市街を歩いていると、細い道の先にふと視界が開けた。

そこにはガンジス河が流れていた。

ガンジス河


こちら岸の混沌とした猥雑さに対し、対岸には何も無い殺風景な風景が広がっている。
その極端な対比は、まさにインド世界の縮図だと思った。

沐浴する人々
牛も沐浴をしている 対岸には何も無い


ガンジス河はインド中の聖なるもの邪なるもの全てを包み込むかのように流れる大河だった。
初めてこの河の畔に立った時から、私はこの河にすっかり魅了されてしまった。
この聖なる河の悠大な流れを眺めていると、今まで自分が犯してきた全ての過ちを赦してもらえるような、そんな錯覚に陥りそうになった。

時に強く激しく、時に優しく緩やかに流れるこの河の流れは、まるで波乱万丈で起伏に富んだ人生のようにも思えた。
私の旅も、そして人生も、どこに流れ着くかまだわからないが、この河の流れのように強く優しく生きていきたいと思った。



聖地バラナシで数日間過ごした後、いよいよ次の国ネパールへ向かうことにした。
早朝、満席の長距離バスに乗り込んでバラナシを後にした。
北へ向かうにつれ、土っぽい風景の中に東南アジアのような田畑や木々が目立つようになってきた。
デコボコ道に揺られつつ、ゆっくりと移り変わる風景を眺めながら丸一日かけてネパールとの国境に到着した。

結局インドには丸2ヵ月滞在した。

インドにはもう二度と来たくないと言う旅人もいるようだが、私はまたいつか必ず来たいと思った。
確かに旅をしていて腹立たしいことも疲れることも多かったが、インドには旅人を引きつける不思議な魅力が満ち溢れていた。


続く
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