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プレミア付きおもちゃを幼児番組でCMするのは、ご遠慮願えないでしょうか

サンタがあわてないよう、子どもたちからのサンタへの手紙は、12月の一週目に締め切らせていただいた。

「つぎのクリスマスはなんのプレゼントにしようかなぁ」と、去年のクリスマスが終わった途端に言い始めた弟は、あれやこれやと一年間、プレゼントに思いを巡らしてきた。

3歳、4歳、5歳は、迷わずシンカリオン であった。プラレールが変形してロボになるおもちゃで、電車好きの小学生がシンカリオンを操縦し、悪を倒すアニメも人気だった(現在は終了)。

電車好き、ロボ好き、アニメ好きをすべて取り込む間口の広さで、大人にもファンが多く、新作グッズは売り切れ続出。昨年、ロボとともに弟からオーダーがあった清州リュウジくんの腕時計は、映画公開直後で日本中のシンカリオン熱が高まっていたであろうこともあり、ネットでなかなか見つからず、夫にTBSショップに走ってもらったのが懐かしい。

兎にも角にも、何かしらプレミアのあるおもちゃを選ばれると、何のコネもない我が家のサンタはキツイ。

昨年の6月、シンカリオンのアニメ最終シリーズが終了し、12月には映画が公開され、華々しいフィナーレを迎えた。そして2020年になると、気持ちに踏ん切りがついたのか、弟はすっかりシンカリオンで遊ばなくなった。プレゼントの腕時計も、寝ても覚めても身につけていたら、プラスチックの留め金が割れてしまい、そのまま引き出しの奥底へと埋没していった。

さようなら、シンカリオン 。3年も飽きずに遊ばせてもらい、1人遊びには欠かせない相棒だった。家事のときには相当助かったよ。感謝です。今は甥っ子と楽しく遊べる日が来ることを願いながら、押入れの奥で眠っている。

それからというもの、弟は3年ぶりに、シンカリオン以外の新たなプレゼント探しを始めた。

ベイブレードゾイドギガストリーム。興味はどんどん変わっていく。次々と新しいおもちゃの名前が挙がるので、その情報は一体、どこで仕入れて来るのかと探ってみると、クレヨンしんちゃんにたどり着いた。

シンカリオン も、ベイブレードも、ゾイドも、ギガストリームも、彼の有名なタカラトミーのおもちゃである。弟はタカラトミー好きだとぼんやりは思っていて、「さすが老舗、子ども心をくすぐるツボがわかっていらっしゃる!」と、賛辞を送っていたくらいなのだが、どうやら、クレヨンしんちゃんにCMを出しているようなのだ。

しんちゃんは2本立てなので、ストーリーの合間にガッツリCMタイムがある。さすがは国民的幼児番組。タカラトミーさんは、そこで今一番の推しを紹介する。毎週、クレヨンしんちゃんを視聴している弟は、その情報に見事に翻弄され、次々に欲しいおもちゃを変えていた、というわけなのである。

少し前まで、長らくギガストリームが紹介されており、今年のクリスマスはギガストリームに内定だなと踏んでいた。しかし、12月に入って突然に、「プレゼントはボトルマンがいいかもなぁ」と言い出した。

10月末に発売された『キャップ革命ボトルマン』は、発売前にアニメも始まり、鳴り物入りで登場した新しいおもちゃである。

実は、過去に一世を風靡したというビーダマン(全然知らなくてすんません)を彷彿とさせるおもちゃらしく、発売後、大人が一斉に食いついたとのこと。夫が、日経MJの2020年ヒット商品番付にボトルマンが入っているというので、まさかの展開に目をまあるくした。

そのとき脳裏によぎったのは、弟がボトルマンを手紙に書いてきた場合、「サンタ仕事を完遂できるのか?」ということ。まさか、大人が買い占めていたりしないでしょうね。

あわててAmazonを開くと、すでに定価の2倍になっていた。あわててタカラトミーのオンラインショップを覗くと完売!楽天はどうだ?3倍の価格が付いている!なんてこった!!

この感じだと、家電量販店をうろついても、良い結果が得られる気がしない。夫も在宅が多いため、家電量販店をこっそり覗く役目も任せられない。でも、我々もサンタの端くれ。「ごめんね。お手紙のものは手に入らなくて渡せないんだよ」なんて言いたくない。手紙に書かれたら、すぐにAmazonで手を打とう。定価880円で良かった。2倍ならサンタさんもいけるわ。

渡された手紙には、案の定、ボトルマンがご所望されていた。

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サンタはこの後すぐさま「ポチッとな」。無事にボトルマンコーラマルを手に入れた。そのとき、Amazonの在庫は2個との表示。購入を進める手が震えた。ここでミスったら、楽天の3650円行きになってしまう!

結局、終始、精神的にあわてんぼうのサンタクロースになって、今年のサンタ仕事を終えた。心臓に悪い・・・。

視聴率の高いクレヨンしんちゃんで新商品を大々的にPRしたい気持ちはよくわかる。だが、大人の盛り上がりによって定価以上のプレミアが付いてしまった商品のCMを、幼児番組で続けるのはいかがなものだろう。しかも、子どもたちの目の色が変わるクリスマスの時期に。2倍だから決心したけど、3倍ともなると現実的じゃなかった。

CMを差し替えるのは大変なのだと思うが、ギガストリームに戻すなどできたりしないのかな。プロジェクトの費用対効果とか、営業利益的にうんちゃらとか、しがらみはあるのだろうけど。メーカーさんの内情に詳しくないので、とんでもないことを言っていたらすみません。

でも、小さい子に渡すプレゼントは、子どもにとって身近なものであってほしい。希少価値の高さなんて、まだわからないだろう。商品価値をわかる年齢になってからでないと、大切にしようという気持ちも芽生えないのではないか。今はズタボロになるまで、繰り返し使ってもらうことが一番の価値なのではないかと思う。

ボトルマンブームは2021年も続くのだろうか。毎年、クリスマスの次の日から、次年度のプレゼントに思いを馳せる弟。ボトルマンが気に入って来年もボトルマンになったら、早々に対策を講じねばならないなぁ。

今年の評価やいかに。

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