おるすばんはサメの用心棒とともに

今日は夫の出社日。兄は朝から学校へ行っていて、弟は午後登園だった。昼食が必要なのは私と弟だけなので、マクドナルドにしてしまおうとなった。

外出自粛期間中から、マックには何度もお世話になっている。モバイルオーダーのおかげで、店舗では商品を受け取るだけで事が済むようになった。スーパーやコンビニより圧倒的に滞在時間が短く済むし、商品以外のものに触れる必要もないので、安心して受け取ることができる。マックの食べ過ぎには健康不安があるので、以前の利用は月1回以下だったが、サービスに対する安心感が不安を乗り越えてきた。履歴を見たら、3か月で6回も注文している。今は何より、コロナ対策における安心・安全サービスが、消費者の心を一番に掴むということだ。

宅配まで頼むとコスト増なので、受け取りには行く。自宅からマックまで往復10分程度。弟に一人で留守番をさせる良い機会だと思い、大好きなおしりたんていの録画を見せて、待たせることにした。念のため、いざというときの行動は確認しておく。

「もし地震が来たら、テーブルの下に隠れて待っていてね。お母さん大急ぎで帰ってくるから」。

「でも、あのおとがこわいんだよなぁ(緊急地震速報の音)」。

「大丈夫、録画だから鳴らないよ」。

「それならだいじょうぶだね。でも、ちょっとしんぱいだなぁ…。だけど、ウチにはサメもいるし、まぁ、だいじょうぶか!」

「サメ?サメのぬいぐるみのこと?」

「うん。そうだ、となりにおいておこうっと」。

IKEAで購入したサメのぬいぐるみは、弟の大のお気に入りである。毎晩サメを自分の隣において、一緒にタオルケットをかけて寝るほどの間柄だ。

元々恐竜が好きなのだが、最近は海の大きな生物にも興味を寄せている。カブトムシやクワガタが好きであることにも共通するが、とにかく強いものが好きなのだ。それは自分では敵わない強さへの畏敬の念だと思うが、兄にはそうした傾向がちっともなかったので、個性だなぁと思っている(兄のベッドには、任天堂のかわいいキャラクターたちが所狭しと転がっている)。

弟は、黙々と寝室からサメを引きずりおろし、自分の隣にピッタリ置いて、おしりたんていを見始めた。もはやリラックスさえしている。「サメを用心棒にすれば安心だ」という、サメへの絶対的な信頼感を目の当たりにした。毎晩、サメと一緒に寝るのはそういうことか。自分を守ってくれる安心感があるのか。サメの逆サイドには兄が寝ているし、弟は毎晩、大きな安心に包まれて眠りについているということがよくわかった。

10分後。帰宅すると、弟はニコニコ顔でサメと一緒におしりたんていを視聴していた。サメの用心棒さん、お役目ご苦労さまでした。


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