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街の平和を守った英雄

今朝は「こうちゃんが泣いてるよー」と叫ぶ兄の声で起きた。どうしたどうした。弟のもとへ飛んで行くと、確かに布団の中で涙を流していた。

「どうしたの?お兄ちゃんに何かされた?(←犯人呼ばわりヒドイ)」

「こわいゆめみたの…グスッ」。

遅起きの夫の布団に連れていき、私はお弁当づくりに取り掛かるためキッチンへ向かった。それから30分後、夫と一緒にグッスリ眠った弟が起きてきた。「おはよー」の声は元気そう。

「こわいゆめ、どんなゆめだったの?」

ここから、まさかの冒険物語の幕が上がった。

◇◆◇

ある日、弟は夫と一緒に釣りに出かけた。海に突き出た堤防で、竿をたらして待っていると、突然、巨大クジラが出現。夫をひと飲みにしてしまった!

おどろく弟。父の仇をとらねばと、クジラに矢を放つと(なぜ釣りに弓矢を持参しているんだ…?)、見事命中。クジラをやっつけた!(すごいね)

しかし、そのクジラ、実は悪い人間に操縦されていたのであった。その悪党ふたりが、やっつけたクジラから逃げ出し、上陸していたことを新聞で知る(新聞が読める設定になってる…笑)。

記事を読み、急いで街へ向かった弟。お店で大きな虫あみと小さな虫あみを購入する。そのあみを担いで岸壁へと走ると、そこにいたのは例の悪党たち。弟は2本の虫あみをエイッと振り落とし、悪党たちを捕らえた!

こうして街の平和は、弟の手によって守られた(かっこ良すぎだなぁ)。

出だしこそ緊迫のシーンだったが、最後は拍手喝采、素晴らしい終わりじゃないか。何に泣いていたのだろう。やはりお父さんがひと飲みにされたのはショックだったのかな。そう思いながら尋ねてみると、「クジラのめつきがさ、すっごいこわかったから…」との回答。夫は隣でズッコケた。

夢の街の英雄のおかげで、今日も我が家は和やかです。




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