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雨の中のブランコ
毎週水曜日、年長は休園日だ。なので今週は、まさかの5連休である。しかし、兄は祝日返上で登校するので、通常の土日休み。夫はカレンダーどおり明日から4連休。家族の足並みがまったく揃わない。よって、弟がGW並の大型連休であっても特別なことはできず、都知事に移動の自粛を要請されずとも、普段通りに過ごそうと思っている。
とはいえ、「5つもおやすみ」というのは、弟にとってワクワクすることであるようだ。朝から「ぼくはきょうから5つもおやすみだからねー」と兄に自慢していたので、そんなに幼稚園に行きたくないのか、と気になり、質問してみる。
「幼稚園と家にいるの、どっちが好き?」「いえ」「何で?ずっと家にいるのヒマじゃない?」「うん、でもいえならすきなことがいろいろできるからねー」「幼稚園はつまらないの?」「たのしいよ、いろいろつくれるし、ともだちともあそべるし」。
ふーん。特段行きたくないとかではないようなので、まぁいいか。5歳にして、連休そのものにワクワクするなんて、大人になったらどうなるんだか。5日間、存分に羽を伸ばしてください。
朝から不安定な天気だったので、雨の合間をぬって、家から一番近い公園へ連れていった。見慣れた景色、見慣れた遊具、新鮮さはない。せっかくの大型連休にごめんよ。3分で到着すると、嬉々としてブランコに乗った。グングン漕ぐ。とっても気持ちよさそう。しばらくして雨がシャワーのように降り出したが、お構いなしに漕ぎ続ける。私はけやきの木の下にいたので、雨は気にならない。でも雨足は次第に強くなっていった。
「あめのおとがどんどんおおきくなって、おもしろーい!」
ブランコを漕ぐスピードは、一向に落ちない。むしろパワフルになっていく。パワーを生み出す張本人は、空に飛び出す浮遊感と、速くなる雨のリズムの中で楽しそうにしている。どんな気分なのだろう。自分も体験してみたいなと思いながら、大人は大人らしく、木の下でじっと子どもを見守った。
雨の中、20分もブランコを漕ぎ続けた弟。満足そうな笑顔で「おなかへったからかえろう」と言った。連休は好スタートを切った。
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