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兄の成長と切れ味抜群のツッコミ

最近、兄の成長が著しい。見た目にも体が大きくなったし(小4にして、足のサイズが母と一緒になってしまった)、言葉のチョイスや、物分かりの良さ、悩み事の内容などに驚くときがある。


子育てをしているとたびたび訪れる「グッと成長したな」という瞬間。赤ちゃん時代は毎日のように感じるものだが、少しずつ感動スパンが空く代わりに、母の知らぬ間に体得したことを目の当たりにしたときの驚きは、よりインパクトを持って受けとめることになる。

最近の一番の驚きは、私が兄に、つっこまれるようになったことだ。

「それ、ありえないっしょ」

いつものようにグダグダ話をしていると、食い気味に斬られることがある。それを聞く夫も、無言で目を丸くする。お母さん大好きっ子、甘えん坊の兄。基本形は変わらないが(兄は母派、弟は夫派)、いつでも母の肩を持ってくれるかわいい兄に、バッサリやられるこの何とも言えない寂しさったらありゃしない。この間まで、あり得ない話もグダグダ一緒に話していたじゃないか。これが思春期への第一歩なのだろうか。今まであまりにも母にベッタリだったので、将来を憂い、私の中に独り立ちを焦る傾向があった。だが、切れ味のいいツッコミに母心は泣きながらも、大人の階段を上っている気配に安堵する気持ちもあった。

自分自身が姉妹育ちなので、男子の子育ては、常に未知の世界の開拓者たる気分だ。彼のためにも、思春期が訪れたら、母は遠目で見守るよりほかなくなる。必ず来るその日までに、これから兄にバッサバッサ斬られようとも、新たなコミュニケーションを受容し、母子の良い信頼関係を築いていければと思う。私はボケよりツッコミの人が好きなので、ボケになってくれるよりはいいな。

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