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《フランス「ワ旅」よっかめ》パリの「ワ活」事情

さて、引き続きフランスのワ旅を続けます。

▶いそがしい人は、こちらをどうぞ。フランス「ワ旅」ダイジェスト版。

フランス「ワ旅」いちにちめ
フランス「ワ旅」ふつかめ
フランス「ワ旅」みっかめ

前日ボルドーの町で、滝のようにワイン情報を浴び、滝のように汗を流しながら、無事にパリに到着しました。いやあ、焦った焦った。

翌朝、無事にPCR検査を受けることもでき、ほっとひと安心です。

なぜか病院の前で交互に記念撮影をするわれわれ。

「じゃ、今日の18時以降にメールが届くから。メールアドレスはなに?」と受付で聞かれる夫。

「えっと、僕のパスポートの名前と同じだよ。そのあとは、gmail。」と伝えると「OK!Perfect. じゃ、お疲れさま!」と笑顔で送り出されました。

・・・・ん?大丈夫?あなたのメールアドレス、名前の間に「ドット」がひとつ入るけど?(不安)

一抹の不安を抱きながら、ひとまず病院をあとにします。

・・・・ほんとに大丈夫かな…?


エッフェル塔のたもとでランチ

さて、郊外の病院から、タクシーで一気にパリ中心地へと戻ります。フランスでは『Free now』というタクシーアプリが使えるようです🚙

海外の流しのタクシーは、2014年頃からあまり使わなくなりました。

かつては「交渉も海外旅行の味わい」的な側面がありました。でも、なにかと面倒ごとが起こったときに、英語でいちいち交渉するのもしんどいですし(そしていちいち面倒ごとが起きるんですよ、東南アジアは…)、UberとかGrabといった「カード決済」系のアプリを使ったほうが、「あれ?ちょっと遠回りされた気がする?」みたいな不安がなくてすみます。

むしろ今はこっちのほうが主流なので、「それを選んでいない」流しのタクシーは、やっぱりちょっと乗りづらい。
慣れないうちは多少高くても、事前決済系のタクシー利用がお勧めです。ってめっちゃ旅ブログ感あるなこれ。

「ボルドーでの失敗から、オレは学んだ。オレは、失敗から立ち上がる男なんだ」

と、ここに来てなぜか鼻高々の夫。
夫氏、日本にいるよりも、海外にいるほうが断然生き生きしています。フランス来れて、よかったね。

「今日のオレはインディビジュアルだ」と言い張る夫の後ろ姿。インディビジュアル感はわからないけど、楽しそうで何よりです。

ちょうどお昼を過ぎた時間なので、まずはランチをいただきます。
ツイッターのタイムラインでこんな有益情報をいただいたのですが、

残念ながら、本日はバカンスでお休み。
そこで、近くにあった別のお店に入ってみることにしました。

パリ感あふれた眺めが最高!

それがこちら、その名も『20 Eiffel』さん。

カジュアルなプティコースを選びましたが、これがわりとちゃんとしたフレンチで、よかった~!

これまで、どちらかというとワイガヤな大衆食堂的なところを選んでいましたが、フランスに行ったからには、ちょっと「フランス料理」っぽいことも、したいじゃないですか…!

フレンチっぽい~!
野菜が美味しい!

ランチに合わせたのは、ボージョレの赤です。これもまたすんごい美味しかったです。

ワインはシックな雰囲気のソムリエが注いでくだいました。が、

量よ。

グラス重っ……

「もう少しだけ残ってるから、ついでに注ぎます」みたいな雰囲気で注いだら、意外と入ってたパターン。
シックなソムリエ、ちょっと笑ってもうてるやん。仕方ない、ありがたくいただきます。

とても美味しかったガメイ。これまた今回の旅で3本の指に入る美味しさ!

お腹も、心も、満たされたランチ。美味しいご飯と美味しいワインって、ほんと心を癒しますね~!

パリで唯一のブドウ畑、モンマルトルの丘へ

さて今度はメトロに乗って、パリ18区、モンマルトルの丘へ向かいます。
ここで、どうしても見たいものがあったんです。

モンマルトルの丘に建つ、サクレクール寺院
丘の上からは、パリの街を一望できます。絶景!

モンマルトルの丘は、パリの「下町」にあたります。

19世紀の後半、このモンマルトルには、ルノワールやセザンヌ、モネをはじめとした「印象派」のアーティストたちや、ゴッホやピカソといったその後のアートシーンを牽引した、新進気鋭の若手のアーティストたちが集いました。

ユトリロの「モンマルトルのカフェ」のモデル。絵画そのまま。
ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」で描かれた風車。かつてはダンスホールでしたが、現在はレストランになっています。

お金がなく、人脈もなく、ただ情熱だけを持った若き才能あふれるアーティストたち。彼らはこの地に集い、切磋琢磨し、「外に出よう!」「光を描こう!」と戸外に飛び出していった。そして猛烈な反発にあいながら、アートシーンを鮮烈に塗り替えていった――

そんなエモい歴史が刻まれているのがここ、モンマルトルの地なんです。

そんなモンマルトルには、実は我々ワインスキーにとってもエモい場所が存在しています。

それが、こちら。

じゃーーん

なんとここ、パリで唯一のブドウ畑なんです!

ネットでおおわれていますが、この段々畑でブドウが栽培されています。

実はモンマルトルの丘では、2000年ほど前のローマ時代からからワイン造りが盛んだったんだそう。「クロ・モンマルトル」と呼ばれるモンマルトルワインは、質の高い早飲みワインとして、パリ郊外産のワインの中でも有名だったんだそうです。

ところがモンマルトルがパリに編入されると、都市化の波はモンマルトルにも押し寄せます。「パリ郊外の町」だったモンマルトルは「パリの一部」となり、ついに1920年にはブドウ畑がなくなってしまいました。

しかし1933年、「クロ・モンマルトルの丘を復活させよう」という声が高まり、持ち寄ったブドウの苗木によって、ブドウ畑を復活させたんだって。へ~!知らなかった!

歴史を物語る小さな看板

この畑からは、毎年6000本のワインが生産されいて、比率はガメイ70%、ピノノワール25%。10月には「収穫祭」が行われているそうで、いやこれはいつか飲んでみたいですね~…!

収穫祭の看板があります。10月にパリに行かれる際はぜひ!

モネが『印象 日の出』を描いて画壇を騒然とさせたのが1872年、ルノワールが『ムーラン・ド・ラギャレット』を発表したのが1877年、と考えると、もしかしてモネやルノワールも、このワイン、飲んでたんじゃないかなぁ…!

フェンスの中を必死にのぞく。傘がかけられて実は見えませんが、美味しいワインになりますように!

モンマルトルの丘は、アート好き、そしてワイン好きのハイブリット民としては、エモエモのエモな場所だったのでした。

ちょっと治安はいまいちなので、太陽が出ているうちにぜひどうぞ!

この丘に来ると、絵が描きたくなるのがわかる気がする…!

ワ旅における、ダイジェスト・パリ

この旅は「ワイン」に特化した旅、「ワ旅」ですので、いわゆるフランスらしい観光名所はばっさりスキップしています。

が、それでもいちおうパリに来んだから、ちょっとはパリっぽいことはしたいじゃないですか。人間だもの。
ということで、駆け足ですがパリの観光名所をひととおり写真におさめて来たので、ダイジェストパリとしてお楽しみください。

ナポレオンが戦いに勝利したときに、記念碑として建築がはじまった凱旋門。ナポレオン失脚後、30年経ってまた建設が再開されたそうですが、30年後に再び再開される感じがフランス!って思います。30年間、工事途中で放置ってどういうこと?
セーヌ川とエッフェル塔。1889年のパリ万博のために、2年の工事で完成したエッフェル塔。凱旋門といい、ボルドーのトラム工事といい、基本休み休み造られるフランスにおいて、2年とは驚異のスピード感。やればできるんじゃんフランス…!
モンマルトルへと向かう途中にある、サン・ラザール駅。まだモネが無名だった頃、「自分は大物画家である」と嘘をついて電車を止めさせ、乗客を立ち退かせ、蒸気を吐かせたことで有名。それでいてのちに大画家になるんだから、大物ってやっぱりすげぇや…!
2019年4月、火災によって焼け落ちたノートルダム大聖堂。世界中からの寄付が集まり、現在鋭意再建中です。劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』ファンとしては、ぐっとくるものがあります。頑張れカジモド、頑張れフランス!

こうして1日歩き回り、くたくたの我々。
パリの街は石畳なので、足にも結構負担があります。しかも前日の爆走が、ここでじわじわボディブローをかましてくるんですよね。(負傷)

うーむ、ここから晩ご飯のレストランを選ぶのもしんどいな…と思ったとき、いいアイディアが思い浮かびました。

そうだ。パリのスーパーマーケットで、ワインとお惣菜を買って帰ろうじゃないか!

パリの夜は、スーパーマーケットワインで乾杯

と、いうわけで、やってきたのが『モノプリ』です。

こちらは、フランス国内で大規模に展開している『Monoprix(モノプリ)』グループの高級スーパー。食料品だけでなく、フランスのおやつやお土産、輸入品やプライベートブランド商品など、なんでもそろっちゃう便利なスーパーなんです。
パリを移動していると、あちこちでこの『モノプリ』系列のスーパーが目に入ります。

この日は、お宿のあるモンパルナス駅の近くのモノプリへと向かいました。
入店するやいなや、もちろんワインコーナーに一直線。

ワインの品ぞろえはさすが!
「箱ワイン」だけでもこんなにあります

フランスでは、デイリーにロゼワインが好まれる、…という話は以前から有識者より聞き及んでいましたが、見てください。この、ロゼワインコーナーを。

充実のラインナップ!

日本のスーパーはもちろん、ワインショップに行ったとしても、「ロゼ」の種類はここまでは見かけないことがほとんど。

「赤ワイン」「白ワイン」と同じ比率で「ロゼワイン」があったのには、ちょっとカルチャーショックを受けました。そうよな~、使い勝手いいもんなぁロゼ…!

ロゼのマグナムペットボトル

さらに、チーズの種類も豊富で、ついつい目移りしてしまいます。

「あたし、チーズ選んでくるね」って言ってから、選ぶまでだいぶかかりましたよこれ。

この反対側にも同じ量のチーズが並ぶ。ちなみにシェーブルチーズ(山羊)がやたらと多くて、そうかフランスではシェーブルがスタンダードなのか…!と知る。

チーズのお値下げコーナーなんかもあり、「もう一生フランスにいようかな?」と思ったほど。
これを買って帰れなかったことは、今回のワ旅のほぼ唯一の心残りです。次は保冷バッグと、スーツケースもう1個持って行きます。(輸入)

や、安い……!!!

「もう歩き疲れたし、さくっとスーパーに寄って帰ろう」

というメインコンセプトからだいぶはずれ、めちゃくちゃ真剣にスーパーを楽しむますたや家。もう夜の10時ですが?

ワインを散歩させる、「インディビジュアル・オレ」な夫氏。引き続き楽しそうで何よりです。

外が明るいのでぎりぎりまで遊んでしまいますが、とにもかくにもお腹が減りました。
お宿に戻って乾杯です!

豪華~!

この日お持ち帰りしたワインは、こちらの2本でした。

向かって右は、ボルドーのロゼ。詳細はわかりませんが、日本円で900円くらいの、ライトでカジュアルな辛口ロゼです。

フランスは熱波の影響で日中の日差しはかなり厳しいのですが、朝夜はずっと涼しくなります。体感、日本のゴールデンウイークくらい。日中でも日影に入ると汗がすうっと引くくらい、なにせ乾燥しているんですね。
だからこそ、ロゼくらいのちょうど「中くらい」の重さのワインが、好まれるんだろうなぁ…!と実感。

日本はロゼ文化があまり育っていないですが、でもなんていうか、夏はどっちかというと、キンと冷やした泡がいいですもんねぇ…!暑いし。
日本で春にロゼがよく飲まれるのは、もちろんプロモーションの効果も大きいのですが、もしかして気候がちょうど合ってるから、なんてこともあるのかもしれないなぁと空想したりしました。美味しいよね、ロゼ!🌸

そして向かって左。こちらはモノプリオリジナルの「シャンパーニュ」です。まさかのシャンパーニュ!
お値段は日本円で2000円台くらい。お手軽、そしてお手頃なシャンパーニュでした。

お手軽とはいえ、シャンパーニュはシャンパーニュなので、できるだけ大事に飲んで差し上げたい…!のです、が。

まさかのプラコップ。

こういう日もあります

宿に、これしかなかったんですよ。紙コップよりはまだましかなと思って、歯磨き用に置かれていたプラコップを使いました。究極の選択だった。

渡航費に全ぶりした結果、それ以外の費用を削っているとこうなります。
よい子は、ワイングラスくらいあるお宿にしてください。人生、山あり谷ありですよほんと。


スーパーマーケットで買ったお惣菜とワイン、これって日本でやるのも楽しいですよね~!などと、遠足気分でワインを飲みながら、ふと不安がよぎります。

・・・っていうか、PCRの結果、まだ届かないんですけど…?(不安)

まあ、フランス、のんびりだから、なんか遅れてるとかなんでしょう…!たぶん……(不安)


さあ、あしたはいよいよこの旅最大のハイライト、ブルゴーニュツアーにうかがいます🌹

またまた密度が濃い予感。そして、ここを乗り越えればゴールはもうすぐそこ。果たしてきみは、つい来れるか…?!(そしてわたしは書ききれるのか…?!)

乞うご期待😊

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■ ますたやとは:

関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel2を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

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