マガジンのカバー画像

エッセイ

131
運営しているクリエイター

#映画

エッセイ 失われた青春を求める

中の人は映画を見ている。「卒業研究より恋の研究がしたい」とブつぶつ言っていることから、ここ最近の氏の精神は凋落の一途を辿っていることが読み取れる。

大学一回生の時、同い年には見えないオッサンのような風貌をした友人が言った。「いややっぱ、オレンジだけぇ!」余輩はそれを聞いて卒倒したことを覚えている。

少女漫画・学園青春漫画が大好きな彼は事あるごとに「オレンジ」を推していた。余輩が煙に巻いていると

もっとみる
エッセイ 「坂の上の雲」を見る

エッセイ 「坂の上の雲」を見る

中の人は昨日から以下のDVDを見ている。

「面白すぎる!なんちゅうことや!危険すぎる!」

映像に見入った中の人は椅子に座っていたため、尻を痛め、尻の毛を消失したとのこと。しかし尻の毛を犠牲にしてでも、このDVDは未来永劫支持され、見てしかるべき作品である。

この「坂の上の雲」をはじめ、多くの歴史小説を生み出した司馬遼太郎という人物の功績は称えられるべきであるが、ただ歴史認識という観点から言う

もっとみる
エッセイ   映画『ハンナ・アーレント』を見る

エッセイ 映画『ハンナ・アーレント』を見る

タバコを吸いたくなる時はいつであろうか。
それは映画『ハンナ・アーレント』を見た時だと氏は主張する。

夫といる時でも、友人といる時でも、ひとり森林の中を歩いている時でも、アイヒマンの裁判について「悪の凡庸さ」と喝破した時でも、ハンナは必ずといっていいほど、タバコを吸っている。その雰囲気に乗せられて、ついついノリスケさんもタバコを吸ってしまうのである。

そんな不健康な主人公だが、映画の内容もとて

もっとみる
エッセイ   映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を見る

エッセイ 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を見る

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を見終わった後の静けさといったら、もうそれはそノリスケ氏が住む地域の夜9時ぐらいのものだそう。ちなみにこれはマフィアが活躍する映画である。

主人公ヌードルスとマックスの出会った時の清々しさと比べて、クライマックスの切なさは筆舌に尽くしがたい。「なぜこうなったんだ…マックスを救う道は無かったのか…」しかし、あのクライマックスだったからこそ、歪なもの

もっとみる
美しさを求めるが故の「虚無」−映画「風立ちぬ」より

美しさを求めるが故の「虚無」−映画「風立ちぬ」より

 ああ、台風によって風が吹き荒れている。

そうだ、前書いた映画「風立ちぬ」の記事を改めて掲載しよう。

「ブログタノシイ」「ベンキョウタノシイ」

「デモショウライノコトカンガエテナイ」

「アナタハメツスル」

 さっそくですが、本日は「風立ちぬ」について書きたいと思います!正直な感想としてしましては「ヒロインの声が非常に良い」ですね。なんと言いますか、透明感のある声と言いますか、とても癒さ

もっとみる